たぬ誕祝いの終わクロ物語～全裸もあるよ～

だいけ　”夢送人”という字名を名乗るも、 @daike000

【0】終わりのタヌニクル～たぬたぬ（@mount_tea）に贈るお誕生日おめでとうストーリー～

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【1】原川「実にどうでもいいことだと思うんだが。……いや、どうでもいいことなのか？　コイツは一体何なんだ？」寒空の夜。原川が帰宅すると、部屋にはヒオが居なかった。代わりに、茶色の獣が一匹、座布団の上で丸くなっていた。「……くしゅん」

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【2】原川「拾ってきたのか？　いや、懐かれて部屋まで連れて来た、というパターンか？」それが一番在りそうなケースだ、と原川は頭を抱えた。頭の痛くなる要因は他にも在る。

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【3】原川「今すぐ捨てて来い、というのは簡単なんだがな……」丸くなっている獣は、安らかな寝息を立てている様に見えた。その様は、まるであの金髪少女の姿を思い起こさせて、

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【4】原川「もふもふとかしたら、凄く気持ち良さそうだな。ヒオも……って、何考えてるんだ、俺は。……しかし、ヒオはどこに行ったんだ？　全く、もうすぐアイツらも来るだろうに」そう、もうすぐ来るのだ、嵐の様なヤツらが。

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【5】原川「買い物は、……締めのうどんまで含めて、大体揃ってるな。でもまだ幾つか食材が足りないじゃないか。となると、ヒオは買い忘れの品を買いに行ってるってところか」そう結論付ければ、もう原川は動ける。だから、

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【6】原川「では、それ以外の準備を開始しよう。何の？　それを今更聞くなよヒオ、ヒオ・サンダーソン！　……とか言ってみたりしてな」

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【7】――同日、同時刻、ＵＣＡＴ内。大城全部長の秘密ルームにて。

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【8】出雲「名言来たぞ千里！　『それを今更聞くなよヒオ、ヒオ・サンダーソン！』だってよ！」　風見「違うわ覚、それよりもっと前！　『もふもふとかしたら、凄く』ってところでしょう！？」騒ぐ２人を横目に、ヒオが涙目になりながら、

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【9】ヒオ「あのあの、こういうの、盗聴って言うんですの？　マンネリを打破するには大事なエッセンスだと理解は出来ますが、でもあんまり趣味が良くないと思いますの」

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【10】新庄「え、ツッコミどころ、そこ！？」　ヒオ「え、あの、何か変なこと言いましたですの？」　新庄「いやね、自分の部屋に盗聴器とかが仕込まれてるってとこにはツッコまないんだなって思って」

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【11】ヒオ「それもありますけど、でも、原川さんがヒオって呼んでくれるのはやっぱり……！」　新庄「あぁもう、どっちもどっちで大概だなぁ」呟きながら身をくねらせるヒオを横目に、新庄は溜息を吐いた。

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【12】新庄「そろそろ全部長が帰ってくる時間だし、佐山君は来ないし。それにこの部屋、何かちょっと怖い気がするし」　風見「佐山なら用事があるから遅くなるって。んで、先にパーティー始めてろってさ」　出雲「あー、それに加えて、主役は後から連れて遅れた真打登場するって言ってたな」

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【13】新庄「もうどこからツッコんでいいのか分かんないよ佐山君……」　ヒオ「ツッコむだなんて、その、えっと、一箇所しか在り得ませんですのーーー！」

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【14】原川『ヒオ、君は相変わらず言語野において致命的な病気を抱えていると、――』　風見「……はっ！？　もしかして双方向同時通話状態になってる！？　気付かれた！？」　原川『ヒオ、ヒオ・サンダーソン、君は――』　出雲「大丈夫だぜ、千里。原川の独り言は絶賛継続中だ」

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【15】新庄「むしろ酷くなりつつある、と見るべきかもね」　原川『あ痛ぁ噛まれた！　噛んだね！？　親父にも噛まれたことうわっはぁ※△◇風邪薬×＝○●！？（概念による検閲）』　新庄「ほら、もう何言ってるか分からないし」

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【16】出雲「おいおい、概念による検閲って何だよ、どんだけ凄いこと言ってんだよ！？　２人で居る時より凄いことなんて……おい千里、俺達も負けてらんねぇよな！？」　風見「ばっ……、覚、何言ってんのよ！？　ちょ、止め、」

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【17】新庄「あー、もう、そろそろ行こうよ！　ほらぁ！」　ヒオ「あ、あの、まだ、もうちょっと、その、」呆れ顔の新庄が、真っ赤な顔をしながらも盗聴音声に耳を傾けるヒオを、やっとのことで部屋から引きずり出した。出雲と風見がどうなっているのかは、言わぬが華というヤツだ。

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【18】閑話休題、あるいはそれ以外の何かwith……っていう程度の時間が経過。場所――原川とヒオの部屋。「……くしゅん」

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【19】原川「……遅かったな」　ヒオ「あの、いえ、別にやましいことは何もなかったんですのーーー！」　原川「待て、待つんだヒオ、ヒオ・サンダーソン！　俺にもやましいことは何もない！　なのに何でいきなり回れ右で逃げるんだ！」

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【20】新庄「追いかけなくていいの？」　原川「追いかける必要があるのか？」　新庄「あるよ」　風見「あるわね」　出雲「あるな」　原川「……分かった。後は頼む」何を頼まれたんだろう、といぶかしむ新庄ではあったが、ここは頷いておくべきだと判断した。

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【21】風見「よーっし、それじゃ準備しよ」　出雲「なぁ、今更な質問だけどいいか？」　風見「何よ？」　出雲「パーティーって、何の？　もしかして俺と千里の初夜、――ぐはぁっ！？」　新庄「あぁ、２人とも人の部屋の中でじゃれ合うのもほどほどにね。片付ける人のことも考えてあげよう？」

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【22】風見「……うーん、結構良い運動になったわねー。これなら御飯も美味しく食べられそうだわ」　出雲「夜の運動が必要なら幾らでも」　新庄「はいはい、２人とも黙ってねー。ほら、準備手伝って。誕生日パーティーがもうすぐ始まるんだから」

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【23】出雲「誕生日？　誰の？」　新庄「え？」　風見「誕生日？　誰の？」　新庄「え？　あれ？　そう言えば、誰のだろ？」３人で顔を見合わせて浮かべるのは疑問詞だった。その疑問詞の行く先は、――。

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【24】風見「ま、いっか」　新庄「ま、いいね」　出雲「どうでもいいな」３人で顔を見合わせて笑う。細かいことは気にしない方針と決めたらしい。そうと決まれば基本的にも応用的にも打撃系の３人の、後の動作は速いもので――。