不定期マンガ感想#7：2011年度週刊少年ジャンプ本誌掲載読み切り作品 （前）

テリー・ライス @terry_rice88

えー。2011年週刊少年ジャンプ1号～51号の間に載った読みきり作品の感想を短めに感想呟いていきます。

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ちなみに半分連載化してる麻生周一作「斉木楠雄のΨ難」については本誌の一番最初に載ったもののみを対象といたしますのでご了承を。

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では掲載号順に呟いていきます。読みながらの感想になりますので時間が掛かると思いますがお願いいたします。

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2011年少年ジャンプ本誌掲載読切作品感想

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「００６」（作：榎伸晃）ジャンプ1号掲載。本誌初登場の新人さん。題材はスパイもの。とはいっても、シリアスじゃなくてコメディー調に描いた友情をテーマにした作品。有体に言っちゃうとスパイ版名探偵コナンみたいな作品か。それを自覚的にギャグにしてる感じはあるかなと。

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話もちゃんと起承転結つけて纏まっているんだけども全体にパンチ不足なのと緩急にメリハリがないのが残念か。小学生がスパイ＆天才なので友達が作れなくて友達100人作りたいと言う設定は狙うテーマとして悪くなかったけども。何を優先したいかがちょっと見えなかったかなあ。

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本誌登場という事で固くなってるというかぎこちなさがあるかなと。あと小学生向けだったのでそこら辺の世代に読ませる工夫もやっぱり必要なんじゃないかなあと言う感じ。平均点ではあるけど、可もなく不可もなくといった作品でした。

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「サジタリ」（作：野々村大二郎）ジャンプ2号掲載。こちらも本誌初登場となる新人さん。ジャンプNEXTで合気道が題材の読みきりも掲載したりしてましたが、今回は弓道もの。元野球部のエースで自分の失敗を認められない主人公が自分との戦いである弓道という武道に触れて、心を打ち解かす物語。

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絵柄はクセが強いけども、演出が上手い作品だなあ。テーマは割りとシンプルで、弓道を通じて、自分を乗り越える＆承認すると言う作品。だから問題を抱えているのは主人公で、全てはそこに帰結すると言う感じ、でしょうか。なので少年の成長物語としても読めるのは面白いと思います。

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けれどそれは長所でもあり短所でもあるかと。主人公が最初嫌な奴に描かれているので、読者の共感を得られるか？という点では疑問であるかなあ。その精神の氷解がテーマであるがゆえにちょっと難しいか。ドラマとしては面白いけど、少年私的な派手さがあまりないので今後はそこら辺が課題でしょうか。

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ともかく地力はアピールできていると思いますので、今後の成長が楽しみなんではないかと思います。あとは少年誌らしさが出てくれば、連載も夢じゃないでしょう。

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「黒鉄-クロガネ-」（作：池沢勇人）ジャンプ3・4合併号掲載。現在、本誌連載中の「クロガネ」のプロトタイプ。連載になったことからも人気が良かったのでしょうねえ。とはいえ、個人的には連載になるとは思ってませんでしたが・・・それはさておき。作品は剣道ものですね。狙いは悪くない。

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話は良くも悪くも「ヒカルの碁」の剣道版といった感じ。主人公の少年は運動神経がないが動体視力の良さが特徴で幽霊が代々継承してきた流派を蘇らせるために剣道を志すという話で、この読みきりでは剣道部のヒロインが不良どもに襲われて、みたいな流れになっている。

テリー・ライス @terry_rice88

話のヤマとしては悪くないし、フィクションなのは分かるんだけど、生身に竹刀突きはいくらなんでも危険。下手すりゃ死にます。剣道ものなのに剣道の試合をせずにそういう方向に話を持っていったのはいいのか悪いのか。結果的に連載になったのだからいいんだろうけども。

テリー・ライス @terry_rice88

読後感としては勧善懲悪になっているので悪くはないんだけど、それ以上のものはないって感じですかねえ、すごく整っている事は整っている。ジャンル要素で人気を得たってことなのかなあ。絵柄もシンプルで分かりやすいですけども、個人的には妙な不自然さがあって肌に合う作品ではなかったです。

テリー・ライス @terry_rice88

「信魂さんいらっしゃい」（作：大石浩二）ジャンプ5・6合併号掲載。この号は新年号なのでギャグ作家の読みきり祭りが開催されていました。「いぬまるだしっ」の作家さんの放つ、新婚時代劇ギャグ？と言っていいのかな。武田信玄と上杉謙信が現代の新婚バカップルの体に乗り移って、繰り広げられる話

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ラブコメと時代のギャップネタと戦国武将ネタに時事ネタや、あるあるネタがするっと入って最終的にはSFみたいなオチになっていると言う珍妙なギャグになっているけど、そこら辺作者の持ち味の間が出てて面白かったですね、というかオチはスマートすぎてすごかった。やっぱり連載作家は一味違いますね

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「ギャグマンガ日和」（作：増田こうすけ）＆「カッコカワイイ宣言」（作：地獄のミサワ）出張版。ジャンプSQでどちらも好評連載中の作品の出張版。どっちも平常運転過ぎて、スゴい。ギャグマンガ日和は人気投票ネタ、カッコカワイイ宣言は外国人の反応シリーズをパロったようなランドセルネタ。

テリー・ライス @terry_rice88

どちらも作中にツッコミ不在で反応に困る形の内容なんだけど、ジワジワ来る面白さはやっぱりあるなあ。どちらも本当にいつもの運転で、それがどうしたの？と言われる気がしてならない。まあ、出張版なのでこんなものかと言う気はしますけども、きちっと仕事こなしてるなあと言う感じ。

テリー・ライス @terry_rice88

「お前んち、お化け屋敷」（作：麻生周一）ここまでジャンプ5・6合併号掲載。「ぼくのわたしの勇者学」の作者のホラーギャグ。とはいえ、ちょっとイマイチかなあ。ギャグは手堅いながら面白いけど、ホラー演出が全然怖くなくて、ほぼ繰り返しギャグだから、そこまで笑いを誘われない感じ。

テリー・ライス @terry_rice88

登場人物の人数が限定されちゃってる事や、事の顛末のオチがありきたりだったのがちょっと残念ではある。単発のギャク読み切りとしてはまあまあと言った印象だけど、前者の連載作家さんたちに比べるとどうしても見劣りしちゃうなあ。

テリー・ライス @terry_rice88

「IPPONバンビ!」（作：宮本和也）ジャンプ7号掲載。何度か読みきり掲載&本誌登場もある作家さん。今回は草食系男子が主人公の柔道もの。絵や技術についてはデビュー作から考えると、大分進歩したけどまだまだな感じだなあ。ちょっとクセがあるので、とっつきにくさがある。

テリー・ライス @terry_rice88

話はかなりオーソドックス。ある事情から柔道をやめて、草食系男子になっちゃった主人公がヒロイン助けるために再び柔道を、と言った内容。話云々より表現がなんか極端なものばかりで、共感が得られる話になってないような気がしなくもないかな。話がシンプルな分、そこが悪目立ちしちゃってる印象。

テリー・ライス @terry_rice88

出来はそこまで悪くないんだけど、細かなところで失点が多くて結果的に出来がよろしくない作品になっちゃってるかなあと。もっと丁寧に、なおかつアンテナを張り巡らせて、作品に生かすことをした方がいいのかもと思わせる感じでした。

テリー・ライス @terry_rice88

「改造人間ロギイ」（作：三木有）ジャンプ8号掲載。トレジャー新人賞準入選作品。まだ19歳（受賞当時は18歳）なのが驚きな出来栄えだなあ。作画演出、共に完成の域に達しているのが凄い。話はシティーハンター系のトラブルシューティングものにSF設定が混ざったお話。