空中ブランコは奥田英朗の小説が原作なのでそっち読んで語るのがすじだけど、阿部寛のドラマが面白かったのでそっちだけで語る。詳しくはウィキで。
2010-02-02 21:49:56空ブに登場するのは「軽い対人恐怖をこじらせて空中ブランコ跳べなくなったサーカスマン」「女優気取りで妄想ストーカーにおびえる場末のモデル」「先端恐怖症のやくざ」
2010-02-02 21:55:35伊良部 一郎のキャラが面白いところは、この人非常に自分の欲望に素直なところで、サーカスを尋ねれば無理やりブランコに乗ろうとする、見る女性はすべて口説く勢い。
2010-02-02 22:01:23気持ちと行動の直結っぷりが徹底しているので、逆にすがすがしい。元嫁にブルマ穿かせようとした変態なんだけどね。ただ、この伊良部 先生相当な事故中なんだけど、精神科医なだけあって相当なリアリストでもあるんですね。
2010-02-02 22:07:55この自己中とリアリストってのは両立するのは現実的には難しくて、適当なところで妥協するか、極端に走ってストーカーになったりするところなんですが。両極端でありながら安定した個人として存在している、それゆえに優秀な精神科医になりえているのが凄く面白い。
2010-02-02 22:18:24この辺のところの伊良部の行動が計算なのか天然なのか判りにくいんだけど、作者の計算で天然のキャラと考えるのが楽しいのでそう解釈することに決めました。
2010-02-02 22:20:42自分というのは「自分がイメージする自分」「他人がイメージする自分」「実像としての自分」の三つがあってそれぞれ食い違いながらもバランスをとることでわれわれは生活しているわけですが、極端にずれてバランスが壊れたのが患者たちで
2010-02-02 22:29:16その壊れたバランスを伊良部の安定が基準点となって患者が自分を見つめなおす機会を与えてくれることで治癒へと向かう、そんな構造になってる。
2010-02-02 22:32:41患者の一人「先端恐怖症のヤクザ」の場合、まともな治療が行われないのに改善するけど、これは、恐怖症と職業の相性の悪さが緊張を生み悪化させていたものを、伊良部の恥知らずな部分に触れたおかげで緊張が解けたからといえます。
2010-02-02 22:38:14ああ、伊良部の説明がどうもうまく出来ないな(^^;、伊良部は「恥知らず」でそれを隠さずに堂々としているから、見栄を張って醜い自分をごまかしている患者が伊良部を見て少し醜い自分をそのまま受け止められるようになる。
2010-02-02 22:44:17なので、伊良部の欲望は、食欲や下半身に直結してみっともない。だけど金持ちのぼんぼんなのでがっついてない。諦める事がないので自分をごまかす必要はないけど、プライドがないので深追いしたりはしない、実にすがすがしい
2010-02-02 22:55:21だけど伊良部はごまかさないのでそれに感化されたごまかし方を失敗してこんがらがった患者はもう一度初心に帰って、ごまかしを取り消して自分を受け入れるようになる。
2010-02-02 23:02:58