「風評被害」の2つの定義(デマ被害とは限らない)
- HirasawaHira
- 3002
- 0
- 0
- 4
原賠審の「風評被害」定義は、デマ被害という社会通念とは異なる。他に行政などの公的機関でどれだけ原賠審と同様の定義が用いられているのか知らないが、受け手の誤解を招かない配慮が必要だし、報道や受けての側も注意が必要だ。
2011-12-11 01:09:03「風評被害」の定義について、混乱があるように思われる。根拠の無い噂によるもの、という社会通念がある一方で、根拠の有無を問わない原賠審のプラグマティックな定義もある。両者を区別して報じてほしい。発信側と受け手の間で違う意味で理解すれば齟齬を来たす。
2011-12-10 23:56:58定義1(デマ被害)
こちらが社会通念と思われる<=風評被害:yahoo大辞泉「根拠のない噂のために受ける被害」、goo国語辞典「根拠のない噂のために受ける被害」
2011-12-10 23:59:39たとえばこの例「5月までは風評被害ではなく実害だ。何とか賠償を求めたい」[東電側へ怒りの声 風評被害賠償求め、宿泊業界が説明会 /秋田](毎日新聞 2011年12月10日 地方版)http://t.co/CO5j64oT
2011-12-11 00:09:06(風評被害=デマ被害の用例)<=「それが本当のことであれば、まだ対策の取りようがありますが、風評被害であれば本当に悔しいと思います。」[原子力情報 01 風評被害を無くすために] (2011/3/19 武田邦彦)http://t.co/NGjD48KE
2011-12-11 00:49:39風評被害=デマ被害の用例2<=「ここでは風評被害を『事実に基づかないうわさが原因となって生じる(経済的な)被害』と定義」[風評被害はこうすれば解消できる 「情報の経済学」で買い控え問題を読み解く](2011/8/22日経ビジネスオンライン)http://t.co/NI4VfR82
2011-12-11 00:52:03風評被害=デマ被害の用例3<=「正しい情報を得ておきながら、多くの人たちが自己判断して野菜や魚を買わなくなるのは、風評被害とは言わない」[「風評被害」の使い方を間違っている人が多すぎる件](2011/4/22 Rocket News 24)http://t.co/jVgL9ig0
2011-12-11 00:56:43定義2(正否問わず)
一方で、根拠の有無を条件としない定義もある。原賠審もこれと同様。<=「風評被害とは、風評によって、経済的な被害を受けること。」Wikipedia(広辞苑第六版「風評被害」)
2011-12-11 00:10:22原賠審の定義は情報の正否に言及せず<=原賠審中間指針「『風評被害』とは、報道等により広く知らされた事実によって、商品又はサービスに関する放射性物質による汚染の危険性を懸念した消費者又は取引先により当該商品又はサービスの買い控え、取引停止等をされたために生じた被害を意味する」
2011-12-11 00:12:32生じうる問題
「風評被害」の意味は、根拠の無い噂(デマ)によるものか、それとも根拠の有無を問わないかによって、全く違ってくる。例えばその区別を明示しないと、自治体の発表などは汚染をデマと批判しているようにも、事実として認めているようにもとれる。
2011-12-11 00:20:43このように「風評被害」の異なる定義が並立していると、それを使った発言の対象がデマを指しているのか、それとも正しい情報も含むのかが分からなくなってしまう。2つの定義の区別を明らかにしないまま多くの人が議論すると、思い違いや都合の良い使い分けが発生するのは避けられないように思う。
2011-12-11 00:31:00一番まずいのは、「デマですよ」と言っているように多くの受け手に誤解されることを意図して「風評被害」という言葉を使いながら、「風評被害」の2通りの定義を利用して、汚染の事実を許容したというアリバイを作る、そんなことすら可能ではないか。
2011-12-11 00:41:11とにかく、言葉の定義をきちんとしなさい、さもなければ議論は空中戦となり何も得られない、という指導の言葉は大学で繰り返し耳にした。「風評被害」のように重要な言葉の定義が2通りに分かれているのはよくないし、それがきちんと区別されていないのはさらにまずい。
2011-12-11 01:19:14以上、「風評被害」の定義の違いについて夏以来気になっていたことを書いてみた。少なくとも原賠審の定義は風評の正否を問わないので区別が必要。他の組織や個人が同様の使い方をしている例があるかどうかが気になる。
2011-12-11 01:35:28