恋人よ僕は旅立つ

(T-T) @Kyota_WJ

必ず君を迎えに戻る。そう誓って町を出た。しかし、街は想像以上の世界で、自分が小さく、君は色褪せて思われた。決意が揺らぐ。でも、帰る金はない。ここで頑張るしかない。 #twnovel 街に出て十年。世間が少しは分かり、君の暖かさの貴重さを知った。まだ間に合うだろうか。君に逢いたい。

(T-T) @Kyota_WJ

見合い相手は悪い人ではなかった。ただ、私という人間を必要としているとは感じられなかった。いつか戻ると言って十年も前に町を離れた彼を追うのは、馬鹿だと思う。でも、もう一度彼に逢わずには前に進めないとも思う。臆病な私を置いて、彼がいる街に行く。頼りは、彼が語った夢。 #twnovel

(T-T) @Kyota_WJ

見合相手と臆病さを放り出し、彼を探しに街へ飛び出して半年。昔聞いた彼の夢を手がかりに掴んだ、街での彼の足跡。彼がいた店の料理長が言う。彼は故郷で店を出すと言って、半年前に辞めた。 #twnovel 彼は私が住むはずの町に戻った。入れ違いだったけど、彼の気持ちが分かった。逢いたい。

(T-T) @Kyota_WJ

10年前に街へ出たきりの彼を探しに、衝動的に町を出て半年。彼は店を出すために町へ戻ったと知った。店の名前は"iraka"と決めていた、とも。それで確信。彼は私を待っている！ #twnovel 町へ帰った。…駅前に、お店のビラを配る彼が。目が合って、彼が私の名前を呼ぶ。「あかり！」

(T-T) @Kyota_WJ

10年半ぶりに再会した二人。それから１年後、無料タウン情報誌に、店の紹介記事。"店の名前は「iraka」。漢字で書くと「甍」であり、店舗の屋根と同じ瓦屋根を意味します。しかし、もう１つ、隠された意味もあるのです。店主の奥様の名前「あかり」をローマ字で書いて、反対側から読むと…"