出版基本知識:教養編

『出版技術入門』(藤森善貢著,日本印刷新聞社,1965年)より,「本」や「本づくり」についての知識(多分に教養風味)をつぶやいています(@EditorSchool).
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【出版基本知識:教養編】印刷インキの歴史 西暦400年頃~中国で墨が作られる 15世紀~印刷術の発明から印刷インキがつくられるようになる 1590年イエズス会による活版術渡来とともに、日本に西洋流のインキがはじめてもたらされる(鎖国により一時中絶)(つづく)

2012-03-16 13:08:58
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(つづき)1755年印刷インキの専門的な製造販売が行われるようになる(英・ウィリアム・ブラックウェル、米では1804年チャールズ・ジョンソン) 18世紀末蘭学の研究が盛んになるとともに、日本でのインキの研究が復活 明治10年末日本でもインキの専門メーカーが生まれる。

2012-03-16 13:09:21
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【出版基本知識:教養編】印刷インキの条件 「よい印刷インキとは、印刷適性を有し、印刷が楽々とできるばかりでなく、印刷後は一定時間内に十分乾燥し、印刷効果を十分発揮するものでなければならない。」(p.368) 印刷適性や印刷効果は具体的には、(つづく)

2012-03-16 13:09:30
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(つづき)印刷後にインキの乾燥が遅いために、折り畳むとよごれたり、インキが薄くて印刷物に力がなかったり、光沢が消えたり、褐色の油が画線の周囲にしみ出たり、油が裏面にしみ抜けたり、文字や絵が裏からすき通って見えたりすることがあってはならない」とあります。

2012-03-16 13:09:58
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そしてここから延々、コロイド、分散相、分散媒、懸濁質、乳濁質、ゾルとゲル、流体の内部摩擦、粘弾性、塑性、塑性粘度などの用語を使って語られる、印刷インキの組成と性質。さすがに私の力ではご紹介は無理です...orz

2012-03-16 13:10:13
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【出版基本知識:教養編+】印刷インキの試験法は、1952年に日本工業規格(JIS 5701)として制定された、とあります。今、「JIS K 5701-1:2000 平版インキ―第1部:試験方法」という規格がありますが、これの前身ということでしょうか。 (つづく)

2012-03-16 13:10:26
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(つづき)JIS 5701には次のような、様々な試験項目が規定されていました。色および光沢、透明度、着色度、錬和度と粗粒子、印刷適性、乾燥性、燐酸ゴム液試験、版面摩耗性、耐水性、耐アルコール性、耐酸性、耐アルカリ性、耐光性、耐水性、比重... 印刷インキの世界も奥が深すぎる!

2012-03-16 13:10:39

↑追加分ここまで

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【出版基本知識:教養編:はじめに1】エディタースクールの編集講座の基本テキストであった『新編 出版編集技術』ですが、これは、1965年発行の『出版技術入門』(藤森善貢著、日本印刷新聞社)をおおもととしています。この本の記述が、なかなか教養に満ち満ちて面白いと思うのですね。

2011-12-13 17:26:06
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【出版基本知識:教養編:はじめに2】そこで、【出版基本用語】に続くシリーズ第2弾として、『出版技術入門』から「へえぇ」と思ったこと、興味深いことなどを、不定期につぶやいていきたいと思います。どうぞよろしくおねがいいたします<(_ _)>

2011-12-13 17:26:18
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【出版基本知識:教養編】“本”に類する語の説明より、「ブック」の解説。「英語では図書のことをbook、ドイツ語ではBuch、オランダ語ではBoek、スウェーデン語ではBokというふうに、チュートン語系の言語では、その語源を1つにしていることが知られる。(つづく)

2011-12-13 17:27:17
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【出版基本知識:教養編】(つづき)これらの語の原型として一般に認められているのは、女性名詞boc〈oに´付き〉(複数bec〈eに´付き〉、ぶなの木の意)であって、この語は書板の意味に用いられたものであるとされている。」(p.3)

2011-12-13 17:27:38
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【出版基本知識:教養編】“本”に類する語の説明より、「典籍」の解説。「書物と同じ意味であるが、教典と一般の書籍の総称である。典は冊とキ(横棒の下に縦線2本の漢字)との合字であり、机の上にある書物をあらわした文字である。」(p.3)

2011-12-13 17:26:55
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【出版基本知識:教養編】“本”に類する語の説明より、「リベル」の解説。「英語の図書館(library)の語源をたずねると、ラテン語のリベル(liber)から由来したものであることが知られる。このliberは本来は樹皮の意味であったが、木の皮、もしくは(つづく)

2011-12-13 17:27:56
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【出版基本知識:教養編】(つづき)木を薄くひき割った板が書写の材料として用いられたために、ついにその語が書物の意味をもつようになったといわれる。フランス語のlivre、イタリア・スペイン語のlibroはこれから発達した。」(p.3)

2011-12-13 17:28:16
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【出版基本知識:教養編+】みなさんは書物、書籍をどう読まれますか? 『出版技術入門』では、前者は‘かきもの’‘しょもつ’、後者は‘しょせき’‘しょじゃく’と、読みが並列されていました。当時はどちらの読み方も一般的だったんでしょうか。

2011-12-13 17:29:03
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【出版基本知識:教養編】“本”に類する語の説明より、「本」の解説。「‘本’とは根本であり、原理であって、物事の‘本’の意味からおこった名称であり、また学問の‘本’である。それがいつのまにか、図書や書物と同じ意味に用いられるようになった。」(p.2)

2011-12-14 14:11:04
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【出版基本知識:教養編】“本”に類する語の説明より、「ビブリア」の解説。「英語でバイブル(Bible)といえば、現在ではもっぱらキリスト教の聖書をさすものとおもわれているが、この語の語源はギリシア語のビブリア(ta〈aに´付き〉 biblia〈2つ目のiに´付き〉)で、(つづく)

2011-12-14 14:11:20
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【出版基本知識:教養編】(つづき)初めはこのような限定された意味で用いられたものではなかった。むしろ、広く一般の図書を意味したのであったが、(つづく)

2011-12-14 14:11:31
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【出版基本知識:教養編】(つづき)数ある図書のなかで、最も尊重すべき図書、真の図書、図書のなかの図書は、聖書であると考えられた時代に、書籍といえば、すなわち聖書をさすものであると、一般に認められるようになったのである。」(p.3)

2011-12-14 14:11:42
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【出版基本知識:教養編】装幀について 「本は、読むにしても、また見るにしても、その内容にふさわしい体裁を整えていることが必要である。どんな簡単な本であっても、それが黒と白からなりたっているかぎり、美術の対象となる。造本では、この美学的側面を装幀とよんでいる」(p.161)

2011-12-19 19:43:17
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【出版基本知識:教養編】装幀について 「元来装幀は、書物そのものの保護と、繙読に便ならしめるという、実用的な目的をもちながら、その形態を美的に高め、装飾を加えて読書欲をそそり、書物愛を高めるというのが理想である。」(p.162)

2011-12-19 19:43:35
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【出版基本知識:教養編】装幀について 「私は今日において装幀という場合には、‘表紙・見返し・とびらおよびカバー・外函などの体裁から、製本様式および装幀材料の選択まで、書物の形式面の調和美をつくりあげる技術’を、その内容と考えたい。」(p.162)

2011-12-19 19:43:58
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【出版基本知識:教養編】1960年の出版社別書籍(新刊・重版)発行点数(上位7社)。参考に2010年の順位・新刊発行点数(『出版年鑑 平成23年度版』(出版ニュース社)より)をカッコ内にあげます(つづく)

2012-01-12 18:04:26