「あかつき」「イカロス」が次代に残すもの。

科学ジャーナリストの松浦晋也さん(@ShinyaMatsuura)が、 今回の「あかつき」「イカロス」の打ち上げ成功に関して その成果が今後のプロジェクトにどのような発展性を与えるのか わかりやすく説明しています。 個人的参照記事: 続きを読む
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イカロス君 @ikaroskun

あかつきくんいってらっしゃ〜い すぐ後から追いかけるね

2010-05-21 07:26:04
イカロス君 @ikaroskun

では金星までの旅にいってきまーす

2010-05-21 07:48:52
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

H-IIAF17打ち上げ成功。搭載された金星探査機あかつきと電力ソーラーセイル試験機イカロスには、過去の集大成と未来への一歩という意味がある。

2010-05-21 10:05:17
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

あかつきは、当初M-Vロケット打ち上げを前提に企画された。構体は基本的にはやぶさのものを継承し、さらに平面アンテナ、セラミックのスラスターといった新技術を採用している。のぞみ、はやぶさに続くM-V時代の太陽系探査の集大成。

2010-05-21 10:08:04
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

イカロスは試験機であり、その後には電力ソーラーセイルによる木星・トロヤ群小惑星への到達という工学ミッションが企画されている。日本が外惑星方面を探査するための第一歩。

2010-05-21 10:09:16
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

アメリカは外惑星探査にあたって、RTG(放射性同位元素の崩壊熱から電力を得る核電池)を電源に採用した。一方日本は制度的に核物質を使用するのは困難。そこで考案されたのがソーラー電力セイル。

2010-05-21 10:14:08
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

軽量の薄膜太陽電池を、大きく広げることで太陽光の弱い木星周辺でも十分な電力を得る。大きく広げる膜には太陽光が当たって推力が発生する。そこでソーラーセイルとしても使用する。

2010-05-21 10:18:37
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

木星あたりの太陽光で十分な電力を発生する大面積の太陽電池は、地球近辺では過剰な電力を発生する。そこでイオンエンジンを搭載して、ソーラーセイルとのハイブリッド推進とする。

2010-05-21 10:20:12
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

木星に向かう軌道は、ユニーク。地球/金星付近で強い太陽光でセイルとイオンエンジンを充分に加速し、スイングバイで木星に向かう軌道に入る。木星に到達すると木星周回オービターを分離し、本体は木星スイングバイで、黄道面を脱出。太陽系を“上下”から観測する。

2010-05-21 10:29:26
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

さらに、木星軌道の木星前後60度付近に存在するトロヤ群小惑星をフライバイ観測する。トロヤ群小惑星は、水があったり、元彗星らしきものがあったりで、地球近傍小惑星やメインベルトとはかなり性格が異なる。いってみれば、誰もいったことがないフロンティア。

2010-05-21 10:31:39
松浦晋也 @ShinyaMatsuura

私としては、イカロスに大変注目している。未来につながるものだから。

2010-05-21 10:32:41