「あかつき」「イカロス」が次代に残すもの。
H-IIAF17打ち上げ成功。搭載された金星探査機あかつきと電力ソーラーセイル試験機イカロスには、過去の集大成と未来への一歩という意味がある。
2010-05-21 10:05:17あかつきは、当初M-Vロケット打ち上げを前提に企画された。構体は基本的にはやぶさのものを継承し、さらに平面アンテナ、セラミックのスラスターといった新技術を採用している。のぞみ、はやぶさに続くM-V時代の太陽系探査の集大成。
2010-05-21 10:08:04イカロスは試験機であり、その後には電力ソーラーセイルによる木星・トロヤ群小惑星への到達という工学ミッションが企画されている。日本が外惑星方面を探査するための第一歩。
2010-05-21 10:09:16アメリカは外惑星探査にあたって、RTG(放射性同位元素の崩壊熱から電力を得る核電池)を電源に採用した。一方日本は制度的に核物質を使用するのは困難。そこで考案されたのがソーラー電力セイル。
2010-05-21 10:14:08軽量の薄膜太陽電池を、大きく広げることで太陽光の弱い木星周辺でも十分な電力を得る。大きく広げる膜には太陽光が当たって推力が発生する。そこでソーラーセイルとしても使用する。
2010-05-21 10:18:37木星あたりの太陽光で十分な電力を発生する大面積の太陽電池は、地球近辺では過剰な電力を発生する。そこでイオンエンジンを搭載して、ソーラーセイルとのハイブリッド推進とする。
2010-05-21 10:20:12木星に向かう軌道は、ユニーク。地球/金星付近で強い太陽光でセイルとイオンエンジンを充分に加速し、スイングバイで木星に向かう軌道に入る。木星に到達すると木星周回オービターを分離し、本体は木星スイングバイで、黄道面を脱出。太陽系を“上下”から観測する。
2010-05-21 10:29:26さらに、木星軌道の木星前後60度付近に存在するトロヤ群小惑星をフライバイ観測する。トロヤ群小惑星は、水があったり、元彗星らしきものがあったりで、地球近傍小惑星やメインベルトとはかなり性格が異なる。いってみれば、誰もいったことがないフロンティア。
2010-05-21 10:31:39