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カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル #5

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
書籍 文学 ニンジャスレイヤー
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第2部「キョート殺伐都市」より 「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」#5
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(あらすじ:ダークニンジャことフジオ・カタクラは、折れたる妖刀ベッピンをサンダーフォージに鍛え直させるべく、三種の神器の一つ聖なるブレーサーを持って、琵琶湖の地底へと向かった。魔剣に操られる空虚なる鎧武者ケンドー・オートマトンを倒し、ついに彼はサンダーフォージのドージョーへ……)
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冬の朝焼けにも似た、淡く青い光に照らされるドージョーの中で、2人のニンジャが睨みあい、激しい精神戦を繰り広げていた。14本の腕を持つ神話級リアルニンジャ、サンダーフォージはドゲザの姿勢を強いられ、頭だけを反抗的にもたげる。ベッピンの破片を掲げそれを見下ろすは、ダークニンジャ。 1
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この精神的つば迫り合いは、もはや1時間近くも続いている。ハガネ色の冷徹なる眼と、数千年の孤独を過してきた半神的ニンジャ存在の赤い眼が交錯し、今にも実際に火花が飛び散りそうなアトモスフィアが漂う。静寂のドージョー内で聞こえるのは、両者の粗い息遣いと、時折それに混じる低い唸り声。 2
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ニンジャ以外の世界でも、カラテや将棋のタツジンは、およそ20段を超えた者同士の戦いになると、しばしば実際に拳や駒を交えることなく、正座して睨み合うだけで決着をつけることもあるという。彼らはただ睨み合っているだけなのに、吐血したり失禁したり心停止するのだ。恐ろしい話である。 3
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「……契約に応ずるか?……諦めろ、宿命からは逃れられん」ダークニンジャは精神集中を保ったまま、高圧的な言葉で斬りかかる。一瞬でも気を抜いたり、下手に出れば、やられる。英雄が巨大な獣の背に跨ってこれを屈服させるような、あるいはボンズが悪魔をエクソシストするような、危険な試みだ。 4
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「ヌウウウーッ…」唸るサンダーフォージ。数千年を生きた者の思惑を読み取ることは、ほぼ不可能だ。マンダラめいて複雑怪奇かと思えば、BASICプログラムめいて驚くほど単純だったりする。「お前の真の名を知っているぞ」ダークニンジャは言う「カツ・ワンソーに呪われし、カジヤ・ニンジャ」 5
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フジオ・カタクラはその名を知っていた。マレニミル社時代、古代ローマカラテ文明の遺跡を探索していた時、彼はあるクレタ様式の壷を発見した。そこにはサンダーフォージに酷似した怪物の姿が描かれ、ギリシャ文字やラテン語やカタカナなどで様々な名が記されていたのを、彼は記憶していたのだ。 6
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「グワーッ……そ、その名を……!」サンダーフォージは背中から生えた腕で顔を覆い隠す。パン!パン!ドージョー内に張り詰めていた拮抗アトモスフィアが乱れ、四方のショウジが次々破れた!「猛省」「不死」「永遠」などと書かれた数千年前のショドー・ペーパーが、風無き風によって舞い上がる! 7
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サンダーフォージは古傷を抉られるようにもがいた。カツ・ワンソーから与えられたカジヤ・ニンジャの名が、かつて彼の働いた許されざる背信行為を鮮明に甦らせたのだ。「お前はベッピンを鍛えた!カツ・ワンソーを殺すカタナを!そしてそれを、他ならぬこの俺、ハガネ・ニンジャに捧げたのだ!」 8
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ダークニンジャは一気に畳み掛ける。「その俺に逆らおうなどとは頭が高い!従え!かつてのように!」これはハガネの言葉ではない。フジキドに憑依したナラク・ニンジャとは異なり、ハガネ・ニンジャはもう自我や記憶を有していないからだ。そのソウルはダークニンジャのカラテの一部となっている。 9
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「……し、従う!我、サンダーフォージは、主君ハガネ・ニンジャのために再びベッピンを鍛え直し、その代価として死を得る!」「そうだ、それでいい……俺を満足させろ……」ダークニンジャは大きく息を吐き、再び口角に鋭い笑みを刻んだ。おお、ナムアミダブツ!かくして契約は結ばれたのだ! 10
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2人は白い巨大ワニの背に乗って地底湖を渡り、シメナワと大岩で封印されたサンダーフォージの鍛冶場に達していた。そこはタタミ10畳ほどの小さく丸い洞穴で、中央には巨大な黒いアンヴィルが据えられ、壁には様々な鍛冶道具が、「反省」「永遠」などのショドーと共に所狭しと吊られていた。 12
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「再びこの鍛冶場を開くことになろうとは、何たるインガオホー」サンダーフォージは背中から生えた何本もの腕で、ハンマー、ヤットコ、ふいご、ヒシャクなどの様々な道具を取りながら、人間離れした声で言った。そしてダークニンジャからベッピンの破片と柄、さらに聖なるブレーサーを受け取る。 13
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「俺には必要の無い物だ。全て鋳溶かしても構わぬ」カタクラは両のブレーサーを何の感慨も無く手渡す。ベッピンを鍛え直すために必要であると、マスタークレイン、マスタートータスから告げられたものだ。「その必要は御座いません、我が主君」とサンダーフォージ「共鳴させるだけでよいのです」 14
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ベッピンと三神器……両者には同じ素材が使われている。すなわちワンソーの骨を混ぜた鉄である。異形の鍛冶屋はブレーサーを自らの腕に巻いた。いつの間にか洞窟の隅の穴には赤々と輝く溶岩の水溜りができ、炉の中には炭が燃えている。ヤットコとハンマーを握る四本の手には、電撃が走り始めた。 15
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「どれだけかかる?鍛え直すのに」ダークニンジャが問う。「すぐにはできません。重いものです」「……ならば俺は命ずる、俺のために全ての秘密を語れと。何故ベッピンが生まれたのかを。それを握ったハガネ・ニンジャがいかなる最期を遂げたのかを。そうだ、俺が持つ知識は限られている……」 16
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そしてサンダーフォージは語り始める。遥か遠い過去、神代の時代の物語を。洞窟鍛冶場の中には、鉄を打つ音と、サンダーフォージの朗々たる語りの声だけが響いた。地底湖では、それを遠雷の如く聞きながら、白い巨大ワニが再びまどろみの中に落ちていった……。 17
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かつてこの世界に、ニンジャはカツ・ワンソーしかいなかった。彼は全ニンジャの祖であり、ニンジャにとってのニンジャ存在、すなわちヌンジャであった。 19
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平安時代以前の歴史は闇に包まれている。これらはニンジャ神話としてリアルニンジャの間に伝え残されたが、数千年の時の中でマキモノに記されたり、吟遊ニンジャの間で語り継がれたりするうちに、様々な変奏曲が生まれ、やがてどれが真実でどれが虚構か、もはや誰にも分からなくなってしまった。 20
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カツ・ワンソーは何人ものニンジャを生み出し、その多くは最初のニンジャクランの開祖となった。ニンジャたちは日本から世界中に散らばり、様々な古代文明を影から操った。カツ・ワンソーのカラテの前に敵は無く、さらに彼は木人トレーニングやチャドーをも編み出してニンジャたちに伝授した。 21
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カツ・ワンソーは様々な要素が渾然一体となった存在で、ある時は風のように穏やかに弟子にインストラクションを授け、ある時は林のように奥ゆかしく自らの非を認めてケジメを行い、ある時は火のごとく猛り狂ってニンジャや人間を殺し、ある時は山のように威厳に溢れた姿でザゼンしていたという。 22
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だがここでニンジャ大戦が勃発する。自らの師であり祖であるカツ・ワンソーを、生かしておいてはならぬ邪悪な存在とみなし、ハトリ・ニンジャらが叛旗を翻したのだ。ハトリ・ニンジャ、そしてハガネ・ニンジャを含むニンジャ六騎士が中心となって東軍を結成し、カツ・ワンソーの西軍と激突した。 23
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011年12月20日
カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル #1 http://togetter.com/li/221373 カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル #6 http://togetter.com/li/230016
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