お金が幸福を遠ざける理由

trinity_inc 樋口耕太郎氏のつぶやきまとめ
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樋口耕太郎 @trinity_inc

(お金が幸福を遠ざける理由)

2011-12-18 19:01:17
樋口耕太郎 @trinity_inc

昨日は「次世代金融講座」上級セミナー。お金の本質について議論を掘り下げる。私はお金によって幸福になっている人は世の中に存在しないのではないかと思っている。お金を持っているにも拘らず幸福な人、または、幸福だからこそお金に恵まれている人、のみが存在し、その他のお金持ちは皆不幸だろう。

2011-12-18 12:28:58
樋口耕太郎 @trinity_inc

つまり、お金は幸福の原因にはなり得ないということ。幸福であるためにはお金以外の要素がどうしても必要なのだ。一方で、お金によって不幸になっている人は少なくない。その理由は少なくとも3つ考えられる。

2011-12-18 12:33:28
樋口耕太郎 @trinity_inc

第一に、お金で幸福になろうとしている人は、預金残高、すなわち過去を元に自分の価値を決める生き方をしている。人生は未来にあるのであって、過去にはない。これからすることに比べれば、これまでしてきたことは殆ど重要ではない。これから創造することに比べれば過去の過ちは何の意味もない。

2011-12-18 12:40:31
樋口耕太郎 @trinity_inc

第二に、お金への執着はコントロールと密接に結びついている。お金は、いわば、「自分の望みのために、人がしたくないことをさせる道具」。すなわち、人をコントロールするために極めて有効な手段なのだ。

2011-12-18 12:42:59
樋口耕太郎 @trinity_inc

お金さえ持っていれば、自分の欲しいものだけを考えていれば(おおよそ)生活が成り立つ。人がその仕事をしたいかなどと気遣う必要はない。人の気持ちなど考えたくない人にとってお金は大変魅力的であり、逆に、お金に付随するコントロールのパワーを使い慣れると、人の気持ちに著しく鈍感になる。

2011-12-18 12:47:16
樋口耕太郎 @trinity_inc

・・・だからお金持ちは嫌なやつが多い、と考えるのはお門違いだ。この原理は金額の多寡にまったく関係がない。世の中で「消費者」と呼ばれる人々(私たちだ)が、顧客としていかに横暴な振る舞いをしているかを考えれば、なにか思い当たることがあるだろうか。

2011-12-18 12:50:05
樋口耕太郎 @trinity_inc

以上のように、お金は人をコントロールするための強烈な手段だが、人が何かをコントロールしようとするとき、殆ど唯一の動機は怖れによる。お金に限らず、地位や権利や権力などを駆使してコントロールに熱中する人は、実は怖れの中に生きているという事実にすら気がつかない。

2011-12-18 12:56:46
樋口耕太郎 @trinity_inc

恐れは愛の対極であり、恐れを心に抱いたまま、人が幸福になることなどあり得ないのだ。正確に表現すれば、人がお金によって幸福にならないのではなく、人はコントロールしたいという怖れによって幸福を遠ざけ、お金がその意思を具現化する。そのお金に力を与えているのは、もちろん自分の心である。

2011-12-18 12:59:09
樋口耕太郎 @trinity_inc

今日は日曜日。クリスマスのお買い物のために街に出かける方は、お金を使う時の自分と、本当に大事な人と接するときの自分が、どれだけ異なる人格として振る舞っているか、自分の姿を鏡に映してみるのはどうだろう?

2011-12-18 13:05:46
樋口耕太郎 @trinity_inc

第三に、お金には人間関係を分断する機能がある。お金を持っていると、人間と向き合う必要が著しく減少するのだ。子供が泣ければお菓子を与えてその場を取り繕う親は、子供に賄賂を渡しているのと変わらない。その子の気持ちを理解する手間(つまり、人間関係)を、お金(お菓子)で買っているのだ。

2011-12-18 17:57:19
樋口耕太郎 @trinity_inc

子供が退屈しているとビデオ漬けにして黙らせ、会話に詰まるとテレビをつける親は、親子という最も重要な人間関係をお金で買っているに等しい。人間として会話をせずに、向き合わずに、なぜ子供に理解されないか、あるいは子供の考えが分からない、と悩むのは、分裂症の症状に近い。

2011-12-18 18:00:35
樋口耕太郎 @trinity_inc

経営者と社員の関係も同様である。社員を愛するならば、ひとりひとりの人生を真剣に見つめ、誠意を持ってその最善を選択するべきだが、少し活躍する社員に対しては、強く叱れず、迎合し、おまけに気持ち多めの給与や賞与を支払ってつなぎ止めようとするが、これも給与という名目の賄賂に過ぎない。

2011-12-18 18:04:31
樋口耕太郎 @trinity_inc

いずれも、結局は人間関係をお金で「解決」しているに過ぎない。・・・と言うよりも、人間関係から逃げるためにお金(賄賂)を支払って目の前の問題を永遠に先送りしているだけだろう。

2011-12-18 18:09:54
樋口耕太郎 @trinity_inc

弱い人間ほど人間関係から逃げがちで、多くの場合、その人間関係をつなぎ止めるために様々な形の「賄賂」を渡す。薬物中毒と同じで、そのうちお金なしでは人間関係が持たなくなり、より大きな権威、注目、尊敬、人からの関心を得るために、お金に執着する。

2011-12-18 18:13:07
樋口耕太郎 @trinity_inc

自分の大事な人との関係ほど「賄賂」を仲立ちとした関係となり、ことあるごとに甘やかし、自分の愛する人の人生を駄目にする。社会の教育問題は、もしかしたらお金の問題に起因しているかも知れない。

2011-12-18 18:18:34
樋口耕太郎 @trinity_inc

いくらお金を持っていてもお金を稼ぐ力があっても、それだけでは人格とは無関係だし、社会的に注目されているからと言って人間力がある訳でもない。この問題を解消する唯一の方法は、人間力をつけ、人間関係に向き合うことなのだが、一般に、お金、地位など、パワーを持っている人ほど困難になる。

2011-12-18 18:22:21
樋口耕太郎 @trinity_inc

以上に関わらず、重要なことは、お金が本当の原因ではないということ。本当の原因は、お金に力を貸している、あるいは、お金の力を利用している自分自身の心にある。

2011-12-18 18:58:13
樋口耕太郎 @trinity_inc

だから、お金は、ときには、自分の心を映す鏡にもなる。お金を大量に得た時、とても「ツイテいる」ことが起こった時、自分の本当の姿を見る、重大な機会が到来する。その機会を活かすも殺すも、やはり自分次第。

2011-12-18 19:01:10