統合失調症のドパミン仮説について。

統合失調症に有効な薬剤から逆算的に提唱されたドパミン仮説。 現在までに分かっているところをまとめました。一方、最も有効なクロザピンはドパミン受容体遮断作用が非常に弱いという厳然とした事実があり、ドパミンだけで統合失調症を語れるわけではありません。また、神経伝達物質と精神症状の関係は想定できても、どうしてそのような症状が起きるかは分かっていません。
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Shin Luke Nakaji @Luke_629

後輩に統合失調症のドパミン仮説ってどこまで分かっているんですか?と聞かれたのでちょっと調べてみた。あやふやでまだまとまってはいないので、メモを列記しておこう。

2011-12-22 08:03:55
Shin Luke Nakaji @Luke_629

統合失調症のドパミン仮説。 1966年、抗精神病薬の効果の検証から逆算的に提唱された仮説。 現に既存の抗精神病薬はD2受容体を遮断し、ドパミン系を刺激する薬物は精神病症状を起こし、D2受容体の遮断によって錐体外路症状が副作用として出現する。

2011-12-22 08:04:07
Shin Luke Nakaji @Luke_629

線条体ドパミン神経のプレシナプスにおいて、ドパミンの生成と貯蔵、D2受容体、ドパミン放出(基本状態と刺激下)の亢進。ドパミントランスポーターや小胞体モノアミントランスポーターは不変。

2011-12-22 08:04:31
Shin Luke Nakaji @Luke_629

これらは精神病症状(陽性症状)と関係するが、他の症状とは関係しない。また、重症度と関係し、前駆期や非発症血縁者にも認められる。

2011-12-22 08:04:55
Shin Luke Nakaji @Luke_629

通説と異なり、連合線条体(前背側尾状核)において基本状態のドパミン放出の亢進が認められている。連合線条体は背外側前頭前野からの入力を受けており注目。

2011-12-22 08:05:07
Shin Luke Nakaji @Luke_629

線条体のドパミン系の亢進はfinal common pathwayと考えられている。 線条体に入力する海馬や背外側前頭前野の異常や線条体D2受容体の増加による前頭前野のD1受容体の増加、ドパミン系の異常、認知機能障害が指摘されている。

2011-12-22 08:05:34
Shin Luke Nakaji @Luke_629

故に、統合失調症では線条体を経由して、皮質線条体辺縁系ループの異常が生じるという仮説が考えられている。しかし、ドパミン以外の系への検討が必要であり、そもそも、ドパミン系の異常がなぜ精神病症状を起こすのか、ということも分かっていない(はず・・・)。

2011-12-22 08:05:52
Shin Luke Nakaji @Luke_629

これをまとめたわかりやすい図。ポップというかキッチュというか、そんな色合い。 http://t.co/gADC5D7K

2011-12-22 08:06:30
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