kmrysyk先生の【伝聞法則のポイント】のまとめ

kmrysyk先生が伝聞法則のポイントを分かりやすく解説。
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Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその1】伝聞に苦手意識がある受験生は多いと思いますが,考えるべきことは実はシンプルで,①伝聞か非伝聞かを検討(非伝聞ならそれで終わり),②伝聞であれば,伝聞例外に該当するかを検討すればそれで終わりです。

2011-12-20 22:43:39
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその2】ただ,①について「伝聞証拠か否かは要証事実との関係で…」と考え始めると,「あれ?要証事実はどれ?」と思う人が多いのではないかと思います。ここでいう「要証事実」は,その証拠(伝聞か否かを検討している証拠)によって直接立証される事実のことを指します。

2011-12-20 22:46:50
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその3】これに対して,公判における最終的な立証命題を「要証事実」と表現することもあって,これが混乱するポイントなのではないかと思います。両者の関係が整理できると,伝聞法則についての理解はかなり深まるはずです。

2011-12-20 22:47:58
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその4】公判における最終的な立証命題である「要証事実」を直接立証する証拠がある場合(そして,この事実とこの証拠の関係で伝聞か非伝聞かを検討している場合),両者は一致していることになります。

2011-12-20 23:00:02
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその5】これに対して,公判における最終的な立証命題である「要証事実」を間接事実から推認する場合,伝聞か非伝聞かを考える上で問題となる「要証事実」は,その証拠により立証する間接事実です。最終的な立証命題である「要証事実」ではありません。

2011-12-20 23:11:12
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその6】そうすると,公判における最終的な立証命題である「要証事実」を間接事実から推認する場合には,最終的な立証命題である「要証事実」と,伝聞か非伝聞かを検討する上での「要証事実」(=「間接事実」)は異なる,ということになるはずです。

2011-12-20 23:11:48
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその7】と,ここまで読んでいただいた方はお分かりだと思いますが,どちらにも「要証事実」という言葉を使うと,どんなに整理してもややこしいことこの上ないので,私は,公判における最終的な立証命題である「要証事実」の方を,便宜的に「争点」と呼んでいます。

2011-12-20 23:45:37
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその8】伝聞を理解するうえでもう1つ重要なのは,「争点」との関係で,「要証事実」(=間接事実)がどのように機能するか,ということだと思います。これが把握できないと「そもそもこの事実を立証して何の意味があるの?ホントにこれ要証事実なの??」となりがちです。

2011-12-20 23:58:52
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその9】「間接事実」と「情況証拠」という概念も混同しがちですが,「間接事実」を認定する証拠が「間接証拠」で,複数の間接事実(とこれを立証する間接証拠)」の集合体が「情況証拠」です。伝聞が問題となるのは,個々の間接事実と間接証拠の関係において,のはずです。

2011-12-21 22:09:19
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイントその10】もう1つ,「立証趣旨」と「要証事実」の関係ですが,「立証趣旨=要証事実」であるとは限りません。

2012-02-21 00:20:26
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイント11】「立証趣旨」とは,当事者が明示する「証拠と証明すべき事実との関係」(刑訴規則189条)ですから,当事者が「証拠と証明すべき事実との関係」として「要証事実」そのものを明示しない限り,両者は一致しません(逆にいえば,当事者がそう明示すれば一致します)。

2012-02-21 00:22:19
Yasuyuki KIMURA(弁護士ときどきランナー)@経堂綜合法律事務所 @kmrysyk

【伝聞法則のポイント12】「立証趣旨」と「要証事実」の関係についてまとめると,多くの場合,前者は後者を把握するためのヒントという位置づけになりますが,たまにそのまま答えになっていることもある,ということになるのではないかと思います。

2012-02-21 01:15:08