研究室運営における「工場」「牧場」「精肉店」とは何か?

大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より筋肉研究の3研究室の運営の例えを注を交えて引用(この例えは丸山先生の他の著作でも読むことが出来るかと)。
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南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

【大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より、その1】日本の筋肉研究御三家に関して、のちに千葉大学長を勤められた丸山工作先生が1978年に『自然』に「筋科学の四半世紀の軌跡」として書かれた、と。

2011-12-23 20:57:09
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

【大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より、その2】御三家とは、「殿村一家というのと大澤一家というのと江橋一家。名取先生はこのもう一つ上のボスみたいなものなんです。この辺は名取さんにつながる部分だと思いますけれども、こっちは一匹狼。丸山さん自身が書いているので…」と。

2011-12-23 21:04:19
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

【大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より、その3】※注 ここで、ちょっと解説。殿村は阪大生物で主にミオシンの生化学、大澤は名大物理、同分子生物、阪大基礎工でアクチン、ミオシンの生物物理、江橋は東大医、(確か)理物理でトロポニンによるカルシウム調節の生化学、生理学を研究。

2011-12-23 21:11:15
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

【大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より、その4】「本当はだれが最初に言い出したかよく知らないんですけれども、筋肉研究について、殿村、大澤、江橋の3研究室は、殿村工場、大澤牧場、江橋精肉店とニックネームをつけられてる。」

2011-12-23 21:15:11
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

【大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より、その5】以下、それぞれを解説。「殿村工場では、工場それぞれ町工場をつくる。大澤牧場では、さくに囲まれた広い草原で子馬たちが伸び伸びと育つ。成長した駿馬たちは自由を求めてさく外に去り、みずからのテリトリーを形成する。」(続く

2011-12-23 21:26:55
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

【大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より、その6】「江橋精肉店では、若者は店主夫妻の監督下で徒弟奉公した後、のれんを分けてもらって分店を経営する。名取親分は一家を構えて組の繁栄を築きながら、なお日本全体の科学に奉仕する」と書いてある(※前述の『自然』の意)。

2011-12-23 21:38:23
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

【大沢文夫:研究50年 高分子物理から生物物理より、その7】※追加解説 名取は慈恵医大生理でスキンドファイバーによる筋生理を研究、のちに同大学長。丸山は京大を経て千葉大生物で筋蛋白の生化学を研究、最大のたんぱく質「コネクチン」を発見、のち同大学長。

2011-12-23 21:49:00
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

以上5人のレジェンドも、大澤さんを除いて皆鬼籍に入られた様。殿村さんは確か阪大在職中と聞く、江橋さんは筋収縮調節がカルシウムイオンによる事などの発見でのノーベル賞も期待されたが5年前に、名取さんも職をリタイア後もラボに出入りし実験を続けられたと聞くが同じく5年前に。(続く

2011-12-23 22:14:15
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

続き)丸山さんも「コネクチン=チチン論争」や学長職をめぐる事態など波乱も続いた様だが、8年前に。

2011-12-23 22:26:22
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

と言う事で、バイオ分野も同じ様なテーマであっても、背景となる分野、組織でそれぞれである事を象徴するのが、「工場」「牧場」「精肉店」の例え。それも、3~40年前。当時より一層「ヒト」「モノ」「カネ」が必要とされる中、面白い例として紹介。(了)

2011-12-23 22:26:52