「価値」と「雇用」を生み出す共同体をわれわれは創り出せるか

石村源生先生によるつぶやき
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rmsi_isng @rmsi_isng

当たり前のことを言うことになるが、結局「価値」と「雇用」を生み出す仕事をつくりだすことができなければ、漠然と「人材」を教育したところで限られたパイを奪い合うだけになる。「価値」だけでは多くの人は救われない。「雇用」だけでは持続可能ではない。

2011-12-25 00:58:40
rmsi_isng @rmsi_isng

「教育」が何かをなしうるとしたら、それは、マクロに見て「価値」と「雇用」を生み出すことに結びつくものでなければ、結局ミクロに見たときの個々人を支えることはできない。

2011-12-25 01:05:12
rmsi_isng @rmsi_isng

これは逆説的に、「教育」のなしうることには限界があることを受け入れることでもある。

2011-12-25 01:07:23
rmsi_isng @rmsi_isng

「価値」と「雇用」の関係は単純ではない。アップルやアマゾンやグーグルは多大な価値を生み出したかもしれないが、どれだけの雇用を生み出したか。もちろん様々な周辺産業を生み出しただろうが、それ以上の雇用を奪っているかもしれない。

2011-12-25 01:12:50
rmsi_isng @rmsi_isng

しかし一方で、「雇用」を生み出すことを直接の目的とした事業活動は、公金が投入されるだけで、社会にとって持続可能なものではない。持続のためには、投入した資本を越える価値を何らかの形で生み出すことが必須条件である。

2011-12-25 01:14:27
rmsi_isng @rmsi_isng

莫大な価値を生み出す行為と、それなりの価値と多大な雇用を生み出す行為は、必ずしも一致していなくとも構わない。教育は、全員でなくともごく一部の「価値」と「雇用」を生み出す人材と、残りの、その「雇用」のニーズに応える人材を生み出すことが目標となる。

2011-12-25 01:18:43
rmsi_isng @rmsi_isng

(もちろんこの両者は明確に分かれている必要はない)

2011-12-25 01:30:31
rmsi_isng @rmsi_isng

(ただし混同されすぎるのも問題である。)

2011-12-25 01:33:47
rmsi_isng @rmsi_isng

それは生産価値が潤沢な場合に限られます。RT @discoder_x 先進国の現状だけでいいますと、「価値」を産み出しているのは労働ではなく主にはエネルギーと知識であって、雇用は実は極一部を除いて、需要を産み、分配の秩序を作っているに過ぎない、ように見えるんです。

2011-12-25 01:46:40
rmsi_isng @rmsi_isng

この場合の制約条件は、競争の程度と生産性である。

2011-12-25 01:54:02
rmsi_isng @rmsi_isng

競争が少ないと生産性の低さが温存され、たいして価値を生み出さない雇用が維持される。これは必ずしも「悪いこと」ではない。競争が激しくなった時が問題である。

2011-12-25 01:58:14
rmsi_isng @rmsi_isng

「莫大な価値を生み出す行為」が「それなりの価値を生み出す雇用」を生み出さない時、大きな賃金格差が生じる。そもそも、「それなりの価値を生み出す雇用」が自然に存在すると思うほうが幻想か。その歪をNPOへの寄付、といった形で埋めているのがアメリカかもしれない。

2011-12-25 07:03:37
rmsi_isng @rmsi_isng

誰が知識を生み出し、誰が実質的な価値に変えるか、ということが(能力的に)そもそも問われているのです。RT @discoder_x 知識でエネルギーを相対的に安く買い、そのエネルギーをできる限り高効率で実質的な「価値」に変え、それ以外はできる限り非効率を保って分配

2011-12-25 07:06:20
rmsi_isng @rmsi_isng

この傾向はモノ、ヒト、カネ、情報の流通がグローバル化することによって格段に加速する。一方、「その場所でしか行えないサービス」は別の道をたどる。ただしそれが「高い価値」を生み出すかどうかはまた別の問題である。

2011-12-25 07:26:54
rmsi_isng @rmsi_isng

高い価値を生み出すのは、「その場所でしか行えない、高い価値を生み出す(ことによって高い報酬を得ている)人間を対象としたサービス」である。

2011-12-25 07:28:28
rmsi_isng @rmsi_isng

結局、ほとんどの財やサービスは、「高い価値を生み出さない」人間にとっても購入可能な程度に低価格化することによってしか成立しない。

2011-12-25 07:29:46
rmsi_isng @rmsi_isng

つまり高収益を上げるのは、原則的に「低付加価値×グローバル化」か、「高付加価値×移転不可能性」という組み合わせになる。

2011-12-25 07:36:01
rmsi_isng @rmsi_isng

例えば日本で英会話ビジネスが成り立つのは、英会話スキルを習得することによって自分が高い価値を生み出すことが出来る人材になりうる、という期待に支えられている。しかしアジアの同程度の能力を持ち既に英語を話せる人間が低賃金で雇用可能となればその期待は危ういものとなる。

2011-12-25 07:42:47
rmsi_isng @rmsi_isng

その場合、「移転不可能」な価値を生み出せる人間にとってのみ「英会話スキル」という付加価値が(これまで期待されていた意味において)有効になる。

2011-12-25 07:45:02
rmsi_isng @rmsi_isng

これからの社会に必要なのは「高い価値を生み出す人材」「それなりの価値を生み出す雇用を多数生み出す人材」「低収入でもそれなりに幸せに暮らしていける社会を構想・実現する人材」となる。

2011-12-25 07:57:00
rmsi_isng @rmsi_isng

問題は、そういった「能力」を持つ人間に、社会的な「動機」をいかに植えつけるか、ということになる。

2011-12-25 08:00:30
rmsi_isng @rmsi_isng

モノと、モノへの期待に支えられた中産階級と、それに付随するエートスが成立しなくなるということだ。

2011-12-25 13:10:11
rmsi_isng @rmsi_isng

まだ今は、こんな厳しい時代だから「こそむしろ」まじめに勉強していい学校、いい会社に入らないといけないという規範がかろうじて優勢だ(と少なくとも予期されている)が、やがてこんな厳しい時代だから「もはや」努力しても無駄という規範が優勢になり、それが周知の事実となる。

2011-12-25 13:14:34
rmsi_isng @rmsi_isng

「価値」とは何かという問いに答えはなく、あったとしてもそれをどのように実現するかという方法論など無い。しかしすくなくとも、何をすることによって(しないことによって)その芽を摘む機会を減少させるか、ということは考えられるはずだ。

2011-12-25 13:17:10
rmsi_isng @rmsi_isng

一方、大多数の雇用と(我々が想像しうる範囲でのそこそこの)価値をどのように結びつけるか、ということを構想する役割は極めて重要になる。無駄なコストを払っている余裕はない。

2011-12-25 13:19:02