『一般意志2.0』の誤解に著者が答える

『一般意志2.0』は大変誤解されやすい思想書のようです。そこで、誤解を正す著者の言葉を集めました(ごく一部)。 http://blog.livedoor.jp/azaelia/archives/52115719.html
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東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

『一般意志2.0』は別に熟議を否定していないですよ。熟議には限界があると言っているだけで〜

2011-12-20 15:36:04
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

真逆の批判が来た。 RT @SeiryuF: 「一般意志2.0」で、熟議はエリート(政治家や官僚)に任せるという趣旨ありますが、そのエリートが信用されてない問題はどう考えてますか?ニコ生などをエリートが見ることで、国民の怒りに触れる部分は前もって修正したとしても、限界はありますよ

2011-12-20 16:54:15
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

それは専門家に任せると本の中に書いてあります。僕の本の趣旨は別のところにある。RT @oxyrobin: 「ツイートを集計して無意識を可視化するなんて言うけど、具体的な統計処理方法のアイディアが示されているわけではない」(アマゾンのレビュー)に対しては

2011-12-23 02:13:57
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

一般意志2.0はポピュリズムの本だという誤解と、一般意志2.0はネットを使った熟議の本だという誤解はほんといつまでも消えないなあ。

2011-12-23 14:23:28
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

東浩紀はブロックしてるから見たいひとしか見なくて済んでいて、だからネットに楽観的なんじゃないかという評を読んだけど、ぼくからすれば、ブロックしなくて済むと思っている方がよほどネットや人間に対して楽観的だな。

2011-12-23 14:26:26
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

「万人と対話すべき」というリベラルな要請こそが結局は「同じように対話してくれる小さな仲間」を生み出すという逆説を理解できないと、『一般意志2.0』の主張を理解するのは難しい。

2011-12-23 14:30:38
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

一般意志に規範性はもたせていません。ぜひ該当箇所再読を。RT @kosukekiyama: 疑問1=一般意志を「均されたみんなの望み」とし、どうやらそれに基づくデモクラシー構想を東さんはするようだが、「望み」に規範性を持たせることのリスクが大きすぎるのでは?

2011-12-23 18:16:57
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

どうもこう、思い込みで読んでしまうひとが絶えないなあ。ぼくは、集合知で法律が作れるとは主張していません。専門家が法律を作る、そのまわりを一般意志が取り巻くのだと主張している。これはぜんぜん違う話です。

2011-12-23 18:23:09
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

未来社会ではネットワークへの接続と市民権の保障がほぼ同義になると考えています。 RT @lettuce1917: @hazuma 『一般意志2.0』再読中にふと浮かんだ疑問なんですが、一般意志=データベースに接続されていない人びとや、接続を(全面的あるいは部分的に)拒否

2011-12-23 18:56:09
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

熟議の全面化より一般意志の可視化のほうがぜんぜん現実的という主張です。RT @Rindenda: 「一般意志2.0」という空想的な本の著者が”「ブロックせずに他者と渡り合うのが正義」というリベラルな思想は現実性の乏しい理想論”と呟いているのね。(笑)

2011-12-24 14:43:06
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

一般意志は徹底的に可視化せよ、ただし熟議はそれに耳を傾けなくてもよい、というのがぼくの主張なのです。なぜそういう結論になるかは、読めばわかります。

2011-12-24 15:05:47
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

一般意志は熟議で生成するものじゃないんですよ。それは最初の50Pの立ち読みでもわかる。ただし本書の主張は半ばでもういちど展開するので、その立ち読みで批判するとまた間違う。

2011-12-24 15:35:53
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

だれかのまとめでわかった気にならず、オリジナルの文章を読むというのはとても大切なことです。ルソーについても、ウィキペディアや教科書でわかった気になるのは簡単。しかし全集をちまちま読むと、またぜんぜん違った顔が見えてくる。ぼくの仕事はそういうところから始まっています。

2011-12-24 15:40:09
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

古典を現代的に読み直す、というのは思想/批評の原点ですが、ぼくの場合それを(毀誉褒貶ありますが)柄谷行人から学びました。現実の柄谷さんはもうぼくの本など(すっかり信用失っているので)読んでくれないでしょうが、『一般意志2.0』は彼から受けた宿題への回答のつもりでもあります。

2011-12-24 16:56:47
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

だから、『一般意志2.0』を読んで、15年後とか20年後とかに、ライプニッツとかスピノザとかデカルトとか、だれでもいいけど、おれなりに乱暴に読み直すぜ、みたいな若手が出てくれたらいいなーとか思います。

2011-12-24 16:57:58
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

たとえばアフリカの飢えた子どもの写真をみる。心が動く。それがぼく(ローティ)の言う共感であり、宗教や価値観とは関係ありません。

2011-12-25 02:22:32
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

とはいえ、この部分は(拙著にも記したように)、ローティそのものも頻繁に誤解されているところではある。ローティの共感に対して、「共感できるのは結局はアメリカ人だけなのでは」という疑問はむかしからある。しかしぼくはその批判は誤解に基づくと考える。

2011-12-25 02:23:57
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

なんか、一般意志2.0の誤解に答えるツイートみたいになってきたな……

2011-12-25 02:26:07
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

テロリストであってもだれかには憐れみを感じる。連続殺人鬼でもだれかには憐れみを感じる。人間はそういうふうにできている。これは「だから人間はすばらしい」という話ではありません。テロリストや殺人鬼の憐れみなんて独善的で身勝手なものです。最悪です。でもそれが「共感」の普遍性なのです。

2011-12-25 03:06:37
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

熟議が一般意志に耳を傾けるべき、と主張していないのと同じように、一般意志が熟議を抑え込むべきだとの主張もしていないのです。抵抗が加わればそれでよい。

2011-12-25 03:08:36
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

普遍的な人類全体への憐れみなど考えてはいけない。それではカントの格率と変わらない。ルソー/ローティ/ぼくが言っているのは、あくまでも目の前の存在に対する個別の憐れみ。それは人にだけ向けられるものですらない。動物にも仮想人格にも向けられる。そしてそれでいい。そういう心の動き。

2011-12-25 04:00:47
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

というか、別の言葉で言えば、これは萌えの話ですよ。ぼくの理解では、ルソーは萌えが社会を作ると言ったひとなのです。こういうこと言うと、また思い切りサブカル論壇っぽくなるんだけど……。

2011-12-25 04:02:00
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

「タイトルからしてネット集合知万歳でしょ」とかいう推測で語らないでほしい。明示的にそういう本ではないので。「一般意志」の概念そのものを転倒しているので、教科書的なルソーの理解でぼくの本を推測しても意味がないです。

2011-12-25 12:00:59
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

僕の本は、大衆の無意識を可視化せよ、但し専門家や政治家はそれに従わなくてよい、いやむしろときに抵抗せよという主張なので、ファシズム礼賛という読みの可能性はないですよ。

2011-12-25 15:15:29
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

僕は、熟議の力を信じすぎることを批判しているだけで、熟議が要らないとは述べていないのです。

2011-12-25 15:38:12