「Mikunopolis 2011 in LA」で使われたPA機材の武井一雄氏による解説
アンメルツPのMikunopoliceレポ本読んだ。個人的にはPAについてのコメントが興味深かった。この仕事の難しさを改めて思い知らされる。確かにある程度ライブな(反響の多い)音を好まれる方も多いんですよね。 #miku_la
2012-01-04 21:25:02もしかしたら興味ある人が5人くらいいるかも知れないので、MIKUNOPOLICE ノキアシアターで使用されていたPA機材について書いておきます。まずミキサー卓は英Soundcraft社のVi6がメイン、モニター共に使用されました。 #miku_la
2012-01-04 21:30:01Vi6はスイスのスチューダー社の技術に基づいて設計されたPA卓で5面のLCDタッチスクリーンとLCD上に重ねて配置された40個のボリュームが特徴です。32チャンネル分のチャンネルストリップが常に表示されてタッチでアクセスス出来ると言えば分かりやすいでしょうか。#miku_la
2012-01-04 21:35:47Vi6の音質的傾向はクリアでヌケが良いと評価するひとが多いようです。欲しい人はだいたい1千万円くらい用意してください。http://t.co/LGiCHvM1 #miku_la
2012-01-04 22:11:00LCDには上からHA,EQ,ダイナミクス、センド、PAN&ルーティングが小さくBOX表示されていてそこをタッチするとLCD下部に重ねて実装されたツマミ&スイッチにコントロールが展開されます。 http://t.co/aSiQltLN #miku_la
2012-01-04 22:18:58マイク回線はステージ袖にある入出力BOXから光ファイバーでPA卓へ送られます。ここはMADIという規格の信号で48K24Bit64chを2本のファイバーに乗っけます。: http://t.co/zuEXhfiK #miku_la
2012-01-04 22:29:24ステレオミックスされた信号はPA席の背後にあるデジタルパッチベイを介してEtherNetケーブルでアンプ室に送られます。ここはコブラネットというデジタル伝送規格になります。: http://t.co/sCQcnvoR #miku_la
2012-01-04 22:31:41アンプ室に設置されたAMCRON社のi-Techとうパワーアンプまで信号はデジタルで送られます。そしてメインスピーカーは老舗JBLのVerTecというラインアレイ型システムです。: http://t.co/nmoaFhfK #miku_la
2012-01-04 22:44:52会場の大部分をカバーしているのはVT4889というスピーカをバナナ状に14本連ねた集合スピーカです。それぞれに38センチウーハーが2本、8インチの中域が4本、高域ドライバが3本は入ってます。 http://t.co/9ejfTiYt #miku_la
2012-01-04 22:50:11中央にはサブウーハVT4880Aが22本吊られています。一部は後ろ向きに音を出して指向性を制御し、タイトな低音を目指します。耐入力は1箱あたり4キロワットx100時間です。: http://t.co/gh0j64nC #miku_la
2012-01-04 22:54:47ステージ上にもサブウーハが片側8本づつ。合計でVT4889が42本、VT48890Aウーハが38本。これらはすべてノキア・シアターの常設機材です。充分に武道館をカバーできる余裕たっぷりの物量です。 http://t.co/8cHWMYfj #miku_la
2012-01-04 22:59:16このようにウーハーを中央に寄せて吊っているのは、干渉による低域の分布ムラを防ぐためです。分担する帯域は50Hzあたりなので1/4波長、1.7m以下の間隔ならよく合成されます。: http://t.co/QJju7UOe #miku_la
2012-01-04 23:03:33これらのスピーカはDolby Lake ProcessorというデジタルEQで精密に調整されます。SmaartというFFT測定ソフトを使用し、最後はIncarnation :by HSPをリファレンスに微調整しました。 http://t.co/3pz7HKAj #miku_la
2012-01-04 23:07:30これらのPAシステムが2008年にインストールされたときのJBL(ハーマン社)のプレスリリースです。現在よりスピーカが若干少ないですね。 http://t.co/0FCcT5ii #miku_la
2012-01-04 23:15:49誤解されている方もいるかもしれませんが、これらのハードウエアは日本のPA業界でも普通に使われている機種です。Vi6とかVT4880Aとかi-techとかウチにもたくさんありますし。低域制御のテクとかも実践してるひともいます。俺とか。 #miku_la
2012-01-04 23:26:197000人キャパ、即ちフォーラムAより一回り大きい会場にしてはスピーカの物量はたっぷりです。この量が常設されていたら「それじゃ足りないから全部持ち込むよ」とか言えませんね。PA屋としても。ただ、スピーカの量が多いから音がいいってわけでは無いと思います。 #miku_la
2012-01-04 23:30:09ミクポリの音を実現するのに最も貢献したハードウエアはノキア・シアターそれ自体だと思います。電気拡声されたポピュラー音楽の公演を第一目的に設計され、残響をなるべく減らし、理想的な位置に大量のスピーカーを吊る。このような大規模会場は日本にはひとつもありません。 #miku_la
2012-01-04 23:36:07ちなみに、ZEPP TOKYO、DOME CITY HALLもノキア・シアターと同じスピーカです。低域指向性制御とかは無いし卓も違うけど。 #miku_la
2012-01-04 23:37:50ミクポリの音を可能にしたのは、もちろんThe 39'sの素晴らしい演奏とベテランエンジニア大沢さんの腕によるところが大だったと思います。でももしかしたら俺のチューニングも役に立ってたらいいな。 #miku_la
2012-01-04 23:41:29@meza3 日本のホール、特に公共のホールはポピュラーからクラシックまで幅広くつかえるように、浅く広い言い換えれば中途半端な箱ばっかりですもんね。行政がやると、どうしてもそうなりますね。民間はクラシックに特化した所が多いでしょうし。(サントリーホール、旧中道ホールなど)
2012-01-04 23:45:16それで、もしいつかミクさんが武道館に立つ日がくるのならば、そのときはオニキスさんも納得の絶妙なライブ感を演出するPAシステムを設計したいと夢想するのでした。以上ミクポリ音響ネタでした。 #miku_la
2012-01-04 23:49:00@hi_koushikiP 民間資本でポピュラー音楽用というと現状ではZEPPクラスまでですが、今後もう少し大きな会場も増えていくと期待します。そのときに正しい設計がなされることを期待します。
2012-01-04 23:58:27