写真展の感想リスト[2012年版]

ぼくが観た写真展の感想ツイートのまとめです。 《芸術新潮編集部ブログにリンクしていただきました》 http://geishin.weblogs.jp/blog/
アート
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江本典隆 @emotonoritaka
南阿佐ヶ谷。街道。佐藤春菜「急度!バンコク三日間の旅」。カラー。バンコクでのスナップ。この旅は当初から撮影のためだったそう。純粋な撮影旅行ってほとんどしたことないけれど、3日間という短さと、デジカメのインスタントな感じが合っていた。急度は“きっと”と読むそう。確かにそんな感じ。
江本典隆 @emotonoritaka
篠山紀信展のショップで、篠山さんのインタビュー映像が流れてた。10年後は?という問いに「もう死んでるよ」と答える篠山さんが印象的。作品を観るとき、作家が存命かどうかはかなり重要だと思う。作品を観るときの同時代感は強い共感になるし。篠山紀信さんなどは特に。20年後どう見えるだろう。
江本典隆 @emotonoritaka
篠山紀信展続き。世の脚光を浴びてる状態の人が放つ輝きの眩さ(若い頃の宮崎美子があんなにかわいかったなんて!)。そしてそれを完璧以上に捉え続けてきた篠山さんのエネルギーに驚くばかり。ピークの輝きを写真に封じ込めて、時代は過ぎて行くのだなと思った。森光子と勘三郎さんの写真には喪章が。
江本典隆 @emotonoritaka
初台。オペラシティ。篠山紀信「写真力 THE PEOPLE by KISHIN」。よかった。三島由紀夫、山口百恵、宮沢りえ、AKB48などなど、50年に渡る写真家生活で、時代ごとに一番輝いてた有名人たちの顔。若さ、勢い、脂の乗り具合、すべてが最高の状態にある人の凄みに仰け反る。続
江本典隆 @emotonoritaka
「Wonder Lake Diary」続き。野川さんの写真は実際の旅の記録なのに、文章、イラストと組合わせることでフィクションになる。意味の書き換えで見え方がガラリと変わる感じがすごく写真っぽいと思った。言わば三つの人格で編み上げられた物語は、単なる旅日記よりもはるかに面白い。
江本典隆 @emotonoritaka
表参道。THE NORTH FACE 3。野川かさね・しみずまゆこ・小林百合子「Wonder Lake Diary」。写真、イラスト、文章で混成された、夏のアラスカ旅行を日記風にした展示。すごく面白いのが、実際は3人で旅したのに、展示では架空の女性の一人旅になっていること。続く
江本典隆 @emotonoritaka
楢橋朝子展続き。画面の半分が水没している楢橋作品を見ていると、無意識に写っているものが何(どこ)なのかを探ってしまう。水に隠れ、不鮮明なほど、写っているものを必死に見ようとし、想像で補おうとする。わからないものをわかりたい欲求というか。写真ってよく写ってない方が面白かったりする。
江本典隆 @emotonoritaka
京橋。ツァイト。楢橋朝子「in the plural」。カラー。水中から撮った視線が特徴的な楢橋作品だけど、今回は合間にロープウェイの車窓や雪の街などが混じり、水中から空の上、路上と一瞬で視線の高度が変わる。見る側の視線がまるでワープしたように“連れて行かれる感じ”がよかった。続
江本典隆 @emotonoritaka
鍵岡龍門「本の栖(すみか)」続き。白木の木枠に収められた作品が、書肆サイコロの展示空間ととても似合っていた。写真に限らず、展示って空間をどう使うかで見え方、伝わり方が全然違う。浮きすぎず、溶け込みすぎず、入念に検討された展示はとても気持ちいい。ついつい長居してしまう。
江本典隆 @emotonoritaka
高円寺。書肆サイコロ。 鍵岡龍門「本の栖(すみか)」。カラー。ある人の書斎の風景。積まれた本や棚に並ぶ本の背表紙、丸められた座布団などから、主の気配を感じつつ、どんな人なのか想像する。本人は写っていないけれど、これはポートレートだと思った。人が場を作り、場からは人がにじみ出る。続
江本典隆 @emotonoritaka
新宿御苑。蒼穹舎。松谷友美「かのこ」。カラー。27年間暮らした地元の風景。ここ7年ほどほぼ毎日撮っていたそうで、少し引いた視点で撮られた郊外の小さなプリントが並んでいる。地元愛や思い出といった個人的なノスタルジーを感じさせず、淡々と写している感じがよかった。同名の小さな写真集も。
江本典隆 @emotonoritaka
鬼海弘雄展続き。鬼海作品と言えばキャプションの面白さが印象的なのだけど、今作にはなし。見てみたかったな。当時鬼海さんは34才だったそうで、ちょうど今のぼくの年だ。60代になってこの写真と再び向き合った鬼海さんの気持ちを想像した。自分が今撮った写真は30年後どう見えるんだろう?
江本典隆 @emotonoritaka
茅場町。森岡書店。鬼海弘雄「はじめてのインド」。6×6モノクロ。79年、鬼海さんが初めてインドで撮った路上の人々。よかった。田舎というか非都会的な土地で生きる若者や老人たちの垢抜けなさ、素朴さは、インドも日本にも通じるものがあると思った。写真の中の彼らは今どうしているだろう。
江本典隆 @emotonoritaka
四谷。TPPG。大久保恵「サーモグラフィーの青と赤」。モノクロ。黒々と焼き込まれた都会の夜。駐車場や交差点など、人はほとんど写っていないけど、確かに人がいた余熱を感じる。どの景色にも空虚なさみしさがあって、人の賑わいを避けつつ、人の気配を探してしまうという作家の内面を見る思い。
江本典隆 @emotonoritaka
新宿御苑。PlaceM。須田一政「RUBBER」。カラー。ゴム製のマスクを頭からすっぽり被り、呼吸すら制限されるような状態に快感を覚えるマゾ的な人たち。異様な出で立ちの倒錯的な光景が、ポラロイドの撮影によって一層生々しかった。「風姿花伝」と同じ写真家とは思えないエロティックさ。
江本典隆 @emotonoritaka
松江泰治展続き。動く写真の可視化された時間や、精緻なダミーが本物に見える視覚のバグみたいな体験など、写真ってなんだろうと考え込むテーマがいくつもあって会場を何周もぐるぐる。静岡各地の空撮も地元のミュージアムならではという感じで、写真を観る喜びをたっぷり堪能できた展示だった。4/4
江本典隆 @emotonoritaka
松江泰治展続き。ネタばらしになる気がするので抽象的に書くけど、マクロとミクロ、本物とコピー、動画と静止画が繰り返し提示されて、その度に視覚を揺さぶられつつ、仕掛けられたユーモアにニヤリとしてしまう。展示をすべて観てから貝殻を写した最初の一枚に戻ると、納得してまたニヤリ。3/4
江本典隆 @emotonoritaka
松江泰治展続き。床に置かれたモニターには、高速道路や登山道を定点撮影したビデオ映像“動く写真”が。静止したフレーム内を車や人だけが動いている。まるで神様になったような景色を丸ごと所有してる感覚にも、精密な模型を眺めてるような気分にもなって、現実と複製の区別がだんだん曖昧に…2/4
江本典隆 @emotonoritaka
長泉町。IZU PHOTO。松江泰治「世界・表層・時間」。濃密な展示だった。アルプス渓谷や都市の空撮、豪華客船など、大きなプリントの全画面にガチリとピントが合い、どこを観ても同質の密度でぎっしり情報が詰まっている。人間の目ではあり得ない、マクロでミクロな視覚体験に興奮!1/4
江本典隆 @emotonoritaka
水島貴大展続き。街の写真は新宿で撮影しているとのことだけど、写真からは特定の場所はあまり感じない。人は街で声をかけ、顔見知りになってから自宅で撮影した人もいるそうで、瞬発的に撮ったスナップと、セットアップした写真の組合わせが放つ力の強さが印象的。作家が写真に込める熱量を感じる。
江本典隆 @emotonoritaka
四谷。TPPG。水島貴大「紐先の蝶」。カラー。都市の断片、そして人。すごくよかった。割れたガラスから覗く光や、鋭い目つきのモヒカン男、車のランプの光跡。光・色・強烈なインパクトの人物写真が、おそらく慎重に検討された順で並んでいる。1枚1枚がとても強く、観てて背筋がゾワっとする。続
江本典隆 @emotonoritaka
森山大道「宅野」続き。森山さんの故郷の写真は、東京から離れた三島の街に似合ってると思った。個人的な事だけど、ぼくの父は三島生まれ。ぼくも幼少期の三島の記憶がたくさんある(言わばぼくの“宅野”は三島なのかも)。そんな記憶の土地と森山さんの宅野がリンクして、観ていて気持ちが揺れる。
江本典隆 @emotonoritaka
森山大道「宅野」続き。写真がとても静かだと思った。海辺の村だから写すのはすべて昼間で、自然が多く空も広い。インタビュー冊子を読んだら、宅野の訪問はお母様のお骨を納骨するためだったそう。写真家の、両親や故郷への懐かしさや慈しみの思いを写真に重ねて観ると、少し感傷的な気持ちになる。続
江本典隆 @emotonoritaka
三島。エクリュの森。森山大道「宅野」。モノクロ。89年に撮影された森山さんの幼少期の故郷、島根県宅野の写真たち。すごくよかった。父母の墓参の際に撮ったという完全にプライベートな写真で、森山家のお墓や、父の生家、路地で遊ぶ子どもたちなど、都市の路上とは違う視線の柔らかさを感じる。続
江本典隆 @emotonoritaka
楢橋朝子展続き。この冊子、内容は文章のみだけどL判サイズのオリジナルプリントがついてくる。信じられないけどお値段なんと1000円!プリントは3種類の中から選べて、ぼくはアムステルダムの写真にした。楢橋さんの展示は京橋のツァイトでも同時開催中。エッセイをじっくり読んでから行きたい。
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