東宇野論争1

東宇野論争1
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中川大地 @d_nak

@hazuma @wakusei2nd トーク&打ち上げお疲れ様でした。今朝のUST、前半はなかなか知的に濃い会話してて面白かったです。コミュニケーション/コンテンツをめぐるバトロワ状況と「超大きな物語」をめぐるスタンスでは濱野君・坂上君が意外と宮台−宇野ラインに近いという話とか

2009-12-27 13:58:22
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak そんな話をしていたんですか……。浅子さんと話していて内容はきこえてなかったんですよね>セクハラ以前のUST

2009-12-27 14:01:49
中川大地 @d_nak

むしろ「超大きな物語」としての全体性をもった思想の再生という志向性では、コンテンツ批評的な陣営上は宇野サイドである僕の方が、むしろ東さん側の認識に近いということも改めてわかったし。内実や方法論はまったく違うのだけれど。

2009-12-27 14:04:06
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak 宮台的というよりは90年代的な物語批判の不可能性⇒物語回帰という流れ(セカイ系の帰結としての決断主義)で話が終わるか、終わらないか、の対立のような気もします。もちろん、僕はそれで「終わらない」派なんですが。

2009-12-27 14:04:43
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak 僕は誰もが自分が依拠する小さな物語を超大きな物語と信じる(セカイ系⇒決断主義)回路は結論が最初から見えていてつまらないと感じる側で、そこを撹乱していくような想像力に期待したい。

2009-12-27 14:09:44
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak 僕がループ/セカイ系的なものに感じる退屈さは、言い換えれば最初から分かりきった結論(淡白なマチズモ/ナルシシズム)を確認する想像力だからですね。何回ループしてもハルヒはキョンを必要としています、みたいなw 

2009-12-27 14:13:23
中川大地 @d_nak

@wakusei2nd まあ狭義のセカイ系に対する評価は同意なんだけど、「誰もが」自分が依拠する小さな物語を超大きな物語と信じる、という状況認識はちょい語弊があるように感じてて、ほとんどの人が自分の依拠する物語の全体包摂性に興味がなくなったからこそミニマリズムの時代だったのでは?

2009-12-27 14:15:52
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak たしかに「誰もが」せはないですね。濱野のいうライトオタク=第四世代が象徴するケータイ世代?的なメンタリティはミニマリズムの不可避を無意識に受け入れているでしょう。「大きな物語がなくなった、どうしよう」とか悩むのは第三世代までで。僕はもちろん新世代の対応を支持します。

2009-12-27 14:18:04
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak もちろん、世代は比喩ですが。「自分が依拠する小さな物語を超大きな物語と信じる」回路はここ数十年の国内においては90年代的物語回帰に引っかかった人たちの傾向と言えるのかもしれません。

2009-12-27 14:19:37
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak それがアッパー/直接的になると「つくる会」になり、ダウナー/間接的になると「セカイ系」になる。どっとも95年的な変化の産物ですしね。「ビッグ・ブラザー=ウルトラマンが死んだ」みたいな。

2009-12-27 14:20:55
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak しかしどちらも表面的な表現が違うだけで、結局は物語批判の不可能性⇒物語回帰への決断という構造になっていて、10年以上前から「どっちにもいけないな」と考えていたわけですね、僕はw 

2009-12-27 14:24:18
宇野常寛 @wakusei2nd

脱正義論⇒北田暁大的な無限の試行錯誤、物語回帰の不可避は受け入れた上で、単一の物語の有限性と向き合う、みたいな。要は「物語への態度」を問う思想をどうアップデートするか。

2009-12-27 14:28:58
宇野常寛 @wakusei2nd

これは「政治=アーキテクチャ」のレイヤーではあまり意味がないけど「文学=実存」のレイヤーでは重要なんじゃないか、みたいなことを考えながら書いたのが「ゼロ想」だったりする。

2009-12-27 14:29:31
中川大地 @d_nak

@wakusei2nd 一方、外界をなんとかツギハギでもいいから首尾一貫したものとして捉えようとする性質が人間の生理上どうしようもないことは脳科学的にも明らかなので、地道に科学や工学で物語自体の現象説明性の精度や包摂性を上げていこうというのが「超大きな物語」だと思う。

2009-12-27 14:37:55
中川大地 @d_nak

まあ、現役の研究者でもない身でいささか気の引ける言い方ではあるけど、「政治」と「文学」の問題項のほかに、近代啓蒙主義の勃興期と同様、「科学」が改めて世界観構築に招請されるのが2010年代というかこれからの100年とかの長期課題だと思う。

2009-12-27 14:42:26
中川大地 @d_nak

そうした「超大きな物語」の検証再構築過程においては、短期的な乗り切り方としては「物語への態度」を柔軟にしていくしかなかろうという点で、狭義のセカイ系的な在り方よりはハイブリッド型の想像力の方が有用だし妥当だろうなというのが現時点の合意点なのだろうね。

2009-12-27 14:47:06
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak まあ、広義のセカイ系型、とするだけでは当たり前すぎて何も言っていないに等しいでしょう。仲正さんや浅羽さんの使い方からわかるように全部セカイ系になっちゃうのでw 

2009-12-27 14:51:38
宇野常寛 @wakusei2nd

@d_nak 狭義のセカイ系的な「自分より弱い女の子を所有する」というか、小さなマチズモへの着地は問題外でしょう。

2009-12-27 14:52:33
中川大地 @d_nak

ハイブリッド型の想像力がなぜ面白いかというのは、むしろ断片がバラバラである方が現象を「物語」化したがる人間の能動的な物語構築能力をより高度に試すから、という側面があるからだろうなと思う。脳梁が切断されて右脳と左脳の連絡が絶たれた人が、思いもよらない現象説明の物語を作り出すのに似て

2009-12-27 14:58:07
宇野常寛 @wakusei2nd

村上春樹は一言で言えば「世界の終り」(前提としてのセカイ系)から「ハードボイルド・ワンダーランド」(不可避の帰結としての決断主義)のうち、後者の構築には失敗している人で、ここ十五年くらいはそこをレイプ・ファンタジーで補おうとしている。

2009-12-27 14:55:10
宇野常寛 @wakusei2nd

「35歳問題」で、「タフな自分」に行き詰った結果、コミットメントのコストを「母」的な女性に転嫁することで、ナルシシズムを強化温存する手法に切り替えた。これが狭義のセカイ系の原型。当然これは「弱めの肉食系」的な卑屈な男根主義者へのヒーリングとしては有効だが、問題を先送りにしている。

2009-12-27 14:58:23
宇野常寛 @wakusei2nd

つまり「ハードボイルド・ワンダーランド」と「レイプ・ファンタジー(母的な存在がコミットメントのコストを代わりに払う)」は、実はアップデートとしては機能していない。レイプ・ファンタジーはハードボイルド・ワンダーランドを再強化するだけなのだ。

2009-12-27 15:00:55
中川大地 @d_nak

@wakusei2nd つうかその意味でのちっちゃいセカイ系問題は、ほんとにゼロ年代に置いてこうよ…。話題にすることで逆に延命に手を貸す事態になるべくならないようにしたいね…

2009-12-27 15:01:46
宇野常寛 @wakusei2nd

つまり、「ハードボイルド・ワンダーランド」の失敗した再話=レイプ・ファンタジーとしての「1Q84」の、それも「父との和解」への拘泥を批判した東浩紀は、どのようなかたちでこの問題を突破しようとしたのか。それがSFにもミステリにも関心がない僕の、QFへの最大の関心事項なのだ。

2009-12-27 15:06:22
宇野常寛 @wakusei2nd

以上、QFを読む上での宇野なりの論点整理でした。

2009-12-27 15:12:17
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