オジプラス～小説作家の先生～

にゃんだ @pwo8owq

テレビを見ていたら先生からの着信。 電話なんて珍しい… 深呼吸をすると私は電話を出た。 私だけに発せられた声が久々で「電話なんて珍しいですね」と話すと 「はは、実はメールに挑戦したんだけどね、いち早く君の声を聞きたくてね…すごく…会いたいんだ」 #おじプラス #オジプラス

にゃんだ @pwo8owq

テレビに映る先生を見ていた。 女の子が「この作品大好きなんです！」と笑うのを見て俯く。 「今回の小説は初めて…好きな人を考えて書いたんですよ」 嬉しそうな先生の声。 その小説には私と同じ名前の女の子。 続きの言葉を聞きたいのに胸の高鳴りが邪魔をする。 #おじプラス #オジプラス

にゃんだ @pwo8owq

私が担当している先生の本がミリオンセラーで大人気になった。お陰で私の知らない所で先生がテレビに引っ張りだこ。 喜ばないといけないのに私はこの距離が辛い。 テレビの向こうで笑う貴方の左眉が上がるのは疲労の証。 先生、無理しないでください。 #おじプラス #オジプラス

にゃんだ @pwo8owq

「先生はパソコンで打ち込んで文送ったりしないんですか？」 熱めの緑茶を渡しながら私が素朴な疑問を問いかけると先生は少し黙ってから「そしたら…君が来なくなるだろ？」 と眼鏡を外しながら困った表情を浮かべた。 #おじプラス #オジプラス

にゃんだ @pwo8owq

今日は私が担当する作家の先生の雑誌撮影日。いつもの和服と違ってスーツは新鮮。ポーッとしながら見ていると先生は 「すまない…ネクタイ結べるか？」と私の背に合わせて屈んだ先生。 近くなった顔にドキドキしながら私は手を伸ばすと目が合い不意打ちのキス。 #オジプラス #おじプラス

にゃんだ @pwo8owq

私が担当する作家の先生は缶詰状態で家から全く出てこない。 けど私が風邪で寝込んだら飛んで来てくれた。ボサボサの髪のまま汗ばんで張り付いた前髪をかき上げながら先生は私の顔を見て安堵の笑みを浮かべ 「君がいない部屋はまるで獄中だよ、だから脱獄してきた」 #おじプラス #オジプラス