序列武闘派層

加藤AZUKI @azukiglg

「ある特殊な前提を共有しつつ、それを理解しない多数に対して優越感と自負心を持つ少数派集団」というのは色々な分野に存在する。で、こういう集団では「如何に自分が真実に近いかという【純粋化】」と「如何に自分が蒙昧無知な輩を批判攻撃したか【武闘派】」ってのが、集団内での序列向上に寄与する

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「自分はこんなに分かってる」と、理解の深度が深いことを喧伝し、或いは集団内にあって序列が低い（情報入手量が少ない）者に対して、より深度の深い情報を【与える立場】を目指す。自分が知らない場合は知っている所からリレーし、もしくは「自分で価値がある情報を作り出す」。ま、デマですな。

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「自分はよくわかってる」「あの人はよく分かってる」「あの人は正しいから付いていこう」って人の人数が増えるほど、集団内での影響力＝序列が向上する。つまり純化深度を深めると、集団の方向性に影響力を与える立場に近づけるから、それを得ようとする。結果的に誇張された情報を流布するようになる

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純化が進むにつれて話が大げさになったり、自分の言に疑念を抱くものを蔑んだり、見下したり、排除対象としてやり玉に挙げようとしたり、それを自分の序列の下に靡くものに促したりする。親衛隊長ｗ、側近的な「次席順位」のものにそれをさせることで、自分の序列と価値を温存しつつ「そうさせる」。

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さて、その次席順位の者は、上位のものの「お墨付き」を貰ったカタチで、疑念を抱いた下位の不信心者やら、集団外の蒙昧無知な輩を【攻撃するのがお仕事】になる。これが武闘派。武闘派は純化深度の深い上位序列には及ばないが、その考えを実現する【棍棒】の任を自分に課す。

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「あの人（上位序列）が言ってることが、俺程度でもわかるのに、それがわからないお前は、俺以下の存在だ。故に、わからせてやる」或いは「わからないような人間は見せしめにされた上に、【こうなりたくなければ従え】と、下位序列や集団外のオーディエンスにアピール」。これが武闘派の役割。

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上位序列の価値を高めるために、「俺程度」と引きながら、「俺程度でもわかるのにおまえらときたら」と、【上位序列と自分】を（上下の順位はありつつ）ひとつのクラスタとして捉えた上で、それに疑念を唱える人間をまとめて「遙かに下位」と規定する。虎の威を借るホニャララ。

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その結果、情報を誇張して発信することで純化を極めて序列上位を目指すもの、その考えをカーボンコピーしてリレーすることで上位序列に少しでも同化し、次席順位を狙うデマの複製者、それらを守護することで序列の価値を守ろうとする武闘派の配置が明確化してくる。

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武闘派は集団の序列の守護者であり、上位序列を守る者である。これは、集団の外に対しての守備と攻撃の役目を持つが、同時に集団内での「警察」的な役割も持つ。上位序列者であっても、武闘派が気に入らない発言をすれば、「裏切り者」として攻撃する。

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で、こういう「序列上位、序列次席、武闘派」で構成される集団＝カルト、と定義したいとこなんだけど、実を言うとカルトに限らない。確かにオウムはそうだったし、オウム以外の宗教団体でもイスラム教もキリスト教も仏教も多かれ少なかれそうだし、連合赤軍はそうだったし、

加藤AZUKI @azukiglg

2chにおけるコテ教祖ｗと名無しのコミュニティもそうだし、きっこと取り巻きもそうだし、反原発運動でもそうだし、Twitterのあらゆるクラスタにもその気風はあるし、同人サークルや大学サークルにもあるし、幼稚園児の幼なじみの遊び仲間なんかにも多かれ少なかれあるし、

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公官庁にも政党にもあるし……つまり、人が複数いて意志決定のための情報収集と拡散、自分の主張を集団の合意に据えるための活動（あらゆる民主的な）を純化していくと、結局そうなるんじゃないのかい。カルトの規模が大きくなるか小さくなるか、金が絡むか絡まないか、くらいの差しかない。

加藤AZUKI @azukiglg

宗教や思想集団の類は、本来は別勘定の財布で生活する利害が対立するはずの集団を、一定の前提条件（信仰対象とか）を共有させることで【秩序として束ねる】ということを目的にしている。その意味で、宗教ってのは原始的でシステマチックな【統治システム】。

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てなことを考えていくと、「純化を目指さない」または「先行している序列上位に疑問を抱く」と、それまで序列下位にいた武闘派の餌食になってしまう。

加藤AZUKI @azukiglg

反原発運動についてもこの考察は当てはまる。少しでも「現実に可能な」「理想を少し妥協した」「これ以上は続けられない、付いていけない」「少し落ち着こうと」というような態度を取ると、その地位を下から狙う者や、その序列を拠り所にしている者からの集中攻撃がががが。

加藤AZUKI @azukiglg

そうした序列下位にいる武闘派というのは、「下位でありつつ法の守護者」を自任する。キリスト教で言えば天使。ウリエル。どこの宗教にも必ずそういう立ち位置の【眷属】てのがいる。オウムだったらサリン事件実行犯。連合赤軍ならあさま山荘事件で総括を【する側】に居残り続けた組。

加藤AZUKI @azukiglg

幕末日本だったら天狗党とか？この手の武闘派は「自分は正しい」ではなくて、「自分はまだ未熟だが、自分が信じる者は正しい。故に、自分は正しいものの【味方】をしている。正義の【味方】である。自分が信じるものは実行手段を持たないので、自分はその意志を代行する者である」と自己規定する。

加藤AZUKI @azukiglg

226事件、515事件における青年将校とか。こういう武闘派は、悪意剥き出しで対象を攻撃するけど、彼ら自身はそれを悪行とは思わない。上位序列に手を汚させない、その代わりに自分達が返り血を浴びる役目を負うのだ、なんてなことを考える。

加藤AZUKI @azukiglg

僕は、「悪魔よりも、善魔のほうがタチが悪い。善魔は、善であることを根拠に、あらゆる手段のリミッターを外す」と考える人間なので、正義や善性というものが対立者の排除を必須に成り立ってるようなものであれば、必ずその正義を疑うように心がけることにしている。自分の判断すら疑う。

加藤AZUKI @azukiglg

武闘派というのは、「正義」を旗印に排除や批判、誹謗を辞さない。直接手を下す（ことが利益になるなら）、それも辞さない。どういう手段を取ったとしても、それは正義のためであり、自分の行為の是非は自分が守った上位序列によって保証され、また責任もそちらが引き受けてくれる。

加藤AZUKI @azukiglg

剣持ち闘う天使は神の代行者であり神の意志であり神の手駒に過ぎない、故に我は意志を持たず神の御心に従うものなり。というような名目（まあ、建前）で闘うことを躊躇しなかった十字軍とか。

加藤AZUKI @azukiglg

悪魔は「私は悪で、私の考えは淘汰されるべきだが、私を淘汰するために、おまえが自己規定した非道な手段を私に取ってはならない。取ればおまえは私の同類だ。さあ、どうするね？」……とかいうから、悪魔は善魔の代理人たる人間に嫌われるんだろうなｗ

加藤AZUKI @azukiglg

「正義だから何をやっても許される」と思っている人が徒党を組み始めたら、その集団は既に「序列争い」に突入したと思ってよい。そのとき真っ先に淘汰されるのは現実との妥協を模索するポジションの人間で、原理主義的に理想の純粋化を目指す序列上位者と法の守護者を自任する武闘派によって追放される

加藤AZUKI @azukiglg

坂本龍馬とか、アフマド・シャー・マスードとか。穏健派が身内に暗殺されやすいのは、彼らの理想主義を揺るがす、つまり「盲目的な愚者をある程度自覚しているけど、価値観に付いていくことでしかアイデンティティを維持できない」武闘派にとっての裏切り者だから。とか。

加藤AZUKI @azukiglg

「裏切り者を吊せ」「第五列を殺せ」ってのは別にカルトに限った話ではなく、中世史・古代史にもしばしば出てくる話で、そうやって「序列の守護者が、序列を揺るがすものを誅滅する」ってのはなんやかんやで正当化されてきたんでないか、と思わないでもないな。