ニボシ企画「子ども短歌2011」Vol.19（コドモ本歌取り編）

村井ニボシ @niboshi2000

はーい、子供短歌をはじめます。今回は、去年のラストに物議をかもしたとかかもさなかったとかいう、コドモ本歌取り作品を集めました。アイタタタタな、パクりそこないっぷりを堪能しよう。

村井ニボシ @niboshi2000

あらたまの　春のひざしも　強くなり　雪の姿も　みるかげもなし　（中二）　評：「あらたまのとしの三年を待ちわびてただ今宵こそ新枕すれ」など。本歌取りと言えるほどでもないのだけれど。春になったら雪がとけたよ、程度のことを、みるかげもない古文調で。あらたまは、本来「年」にかかるらしい。

村井ニボシ @niboshi2000

青丹し　奈良の薄暑の　打ち水に　おもい馳せれば　蝉時雨かな　（中二）　評：「あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」ね。いちおう短歌の体をなしていらっしゃる。でもこういう大人っぽいことやると、「薄暑」と「蝉時雨」は合わない、とかそういうこと言わなきゃならなくて困る。

てぃだ @Tida_pandany

「あらたまの」言いたくなるもんなー。気持ちはわかるよ。 RT @niboshi2000: あらたまの　春のひざしも　強くなり　雪の姿も　みるかげもなし　（中二）　評：春になったら雪がとけたよ、程度のことを、みるかげもない古文調で。あらたまは、本来「年」にかかるらしい。

村井ニボシ @niboshi2000

久方の　光に包まれ　歩みだす　卒業生と　蕾の桜　（中二・竜聡）　評：「久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ」ですね。うーん、コメントしろと言われても。「卒業生」じゃあ「久しぶりの光」という重みが無くてなあ。というか、現代で「久方の～」はつらいなあ。

てぃだ @Tida_pandany

通常は「青丹よし」という送り仮名だと思われますが、これも作家性なのかねえ。 RT @niboshi2000: 青丹し　奈良の薄暑の　打ち水に　おもい馳せれば　蝉時雨かな（中二）　評：「あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」ね。いちおう短歌の体をなしていらっしゃる。

てぃだ @Tida_pandany

3句目もう古文に飽きちゃってるね…そんなもんだよ。 RT @niboshi2000: 久方の　光に包まれ　歩みだす　卒業生と　蕾の桜　（中二・竜聡）　評：「卒業生」じゃあ「久しぶりの光」という重みが無くてなあ。というか、現代で「久方の～」はつらいなあ。

村井ニボシ @niboshi2000

うーん、つまんねえ。でもまあ、あれだ。この短歌企画は、こども文化人類学の、なんかそういう高尚なやつですから。おもしろいとかおもしろくないとかじゃないから。まじめな研究だから。高尚だから。バカなやつを見て笑う企画じゃないから。ほんと。（うそ）

村井ニボシ @niboshi2000

夏風に　気持ちやすらぐ　神様が　なみだなそへそ　山郭公　（中三・可）　評：「昔思ふ草の庵の夜の雨に涙なそへそ山ほととぎす」ですかね。神様が「涙なそへそ」ということは、通り雨でも降ったんですかねえ。考えるだけムダかなあ。上の句と下の句がキメラ的融合。山郭公のまぬけっぷりがよい。

村井ニボシ @niboshi2000

つかのまの　楽しき夏の　思い出は　雨降る中で　かにとたわむる　（中三・啓夢）　評：よっしゃ、啄木きたー。「東海の小島の磯の白砂に我泣きぬれて蟹とたはむる」ですな。雨の中、蟹とたわむるのは悲しいなあ！　でも「楽しい」と言う。いやあ、さすが啄木さんの詩情は七つの海を股にかけるで！

てぃだ @Tida_pandany

こうして見ると「神様」って今っぽい言葉なんだなあ。 RT @niboshi2000: 夏風に　気持ちやすらぐ　神様が　なみだなそへそ　山郭公　（中三・可）評：「昔思ふ草の庵の夜の雨に涙なそへそ山ほととぎす」ですかね。神様が「涙なそへそ」ということは、通り雨でも降ったんですかねえ。

村井ニボシ @niboshi2000

夕方に　空を見上げて　わたり鳥　ブイ字にとんで　おどろかれぬる　（小四）　評：「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」だとか。本歌取りは中学生が多いけど、唯一の小学生。鳥がフォーメーション組んで飛んでるのを見て「うわ、かっけえ！」。そこに「おどろかれぬる」！

村井ニボシ @niboshi2000

はい、さすがに数が少ないので、もうこの特集は終わりー。前回ラストのアレが人気あったからやってみたら、なんだよこれ！　ここから平常営業に戻りまーす。

てぃだ @Tida_pandany

ははは、全然楽しそうじゃない！ RT @niboshi2000: つかのまの　楽しき夏の　思い出は　雨降る中で　かにとたわむる　（中三・啓夢）　評：よっしゃ、啄木きたー。「東海の小島の磯の白砂に我泣きぬれて蟹とたはむる」ですな。雨の中、蟹とたわむるのは悲しいなあ！

てぃだ @Tida_pandany

「おどろかれぬる」というおごそかさと、驚く対象の幼さのミスマッチがヨイね。 RT @niboshi2000: 夕方に　空を見上げて　わたり鳥　ブイ字にとんで　おどろかれぬる　（小四）　評：鳥がフォーメーション組んで飛んでるのを見て「うわ、かっけえ！」。そこに「おどろかれぬる」！

村井ニボシ @niboshi2000

しせいよい　せんせいほめる　あさのかい　すずしいかぜ　わたしにふく　（小二・幸那）　評：あー、私も昔は優等生だったからわかるわ（今はニート）。ふざけて静かにできない連中を尻目に、ビシッと前ならえを決める。先生にオーソライズされ、「このクラスの頂点」という孤高の風を感じるんだ。

村井ニボシ @niboshi2000

ばくそうち　走ってこえて　ゴールイン　たえられない　ハァハァ息は　（小三）　評：「爆走し」のまつがいか。足の速いとこ見せて、かっこつけたい。ハァハァと息を切らしているのも隠したいのだが、ゼェゼェ、さすがにそれは耐えられない、ハァハァ、ムリだって。ちゃんとオチがあるなあ。

てぃだ @Tida_pandany

下の句に若干の優越感がにじみ出ていますね。真面目な子はこういう地味な優越感が好きだからね。 RT @niboshi2000: しせいよい　せんせいほめる　あさのかい　すずしいかぜ　わたしにふく　（小二・幸那）　評:ふざけて静かにできない連中を尻目に、ビシッと前ならえを決める。

村井ニボシ @niboshi2000

帰ったら　ご飯を食べて　ゲームして　勉強したら　昨日と同じ　（中三・蒼馬）　評：ふと気付く。あれ、俺って毎日、飯食ってゲームして勉強してるだけだ。これを延々と繰り返していて、俺は何かになれるのか？　違うんじゃないのか？　人生に対する疑問が湧く年頃よのう。きみ、中学生らしいぞ。

てぃだ @Tida_pandany

「ばくそうち」うーん、なんだろうね。牧草地がコースだったとか、田舎すぎだろうしね。 RT @niboshi2000: ばくそうち　走ってこえて　ゴールイン　たえられない　ハァハァ息は　（小三）　評：「爆走し」のまつがいか。足の速いとこ見せて、かっこつけたい。

てぃだ @Tida_pandany

朝起きて 歯を磨いて あっという間 午後じゅうじ～。 RT @niboshi2000: 帰ったら　ご飯を食べて　ゲームして　勉強したら　昨日と同じ　（中三・蒼馬）　評：ふと気付く。あれ、俺って毎日、飯食ってゲームして勉強してるだけだ。きみ、中学生らしいぞ。

村井ニボシ @niboshi2000

夏休み　永遠でない　この一瞬　理解したのは　今年初めて　（中一・雅尭）　評：同じタイプのやつ。中一の、夏休みの、この一瞬は、今しかないんだ。なんか気付いた。「うわ、なんかもったいねえ。でも何しよう？」だからといって何も特別にやることはないんだよな。君の名前かっこいいね。

村井ニボシ @niboshi2000

人体は　ふくざつだけど　いろいろな　臓器がいくつ　入っているの　（小六・季土）　評：えー、『五臓六腑』なんて申しましてなぁ。えーと・・。そんなの、数えればいいだろ！　複雑な人体を簡単な問いに換言したんだから、それぐらいは保健体育の教科書で解決する話だろうが！

村井ニボシ @niboshi2000

（承前）あとこいつの名前は、「キッド」とか読むのだろうか。白タキシードで盗賊行為でも働いてろよ！　新一と見分けつかねえんだよ！

てぃだ @Tida_pandany

さすが中学生考えることは違うねえ。君の名前りりしいね。 RT @niboshi2000: 夏休み　永遠でない　この一瞬　理解したのは　今年初めて　（中一・雅尭）　評：だからといって何も特別にやることはないんだよな。君の名前かっこいいね。