- clearwoods
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年代物の蓄音機が、甲高いアリアを吐き出している。「勝手にオペラなぞかけるな」気が散る、と毒づいた大和に、サダクはくすくすと笑った。「恋のお話は嫌いかい?」「下らん」大和の答えはにべもない。「所詮は肉欲の暴走だろう」「その年で悟ることではないね」笑った彼もまた人の心を知らない。
2011-10-06 06:10:09ねー樹澄、愛し方を知らないスポーツ少年と年の離れた親友との愛をテーマにした話書いてー。 http://t.co/g2HfWD1m 大和べつにスポーツ少年じゃないけどいいよね
2011-10-06 06:10:51不意の口付けに禍つ星はただゆっくりと目を瞬いた、相手は彼の襟首を掴んだまま、睫毛の触れ合いそうな距離を保って離れない。「何のつもりかな、法津院大和」「少しは自分で考えたらどうだ、化け物」吐き出される暴言は変わらず、しかし再び唇は近づいて、困惑するサダクには逃げるしか出来ない。
2011-10-06 17:52:42大和とサダクさんにご提案するのは、「永久機関」、「遠雷」、「星屑逃げる」、「口紅」、「夏の夜明けに降る雪」の五つのお題です。 http://t.co/psP4nzmd #5odai 下で1ツイートだけちゅっちゅしてるから注意
2011-10-06 17:52:50真夏だというのに、ちらちらと雪、果ては雪だるままでが大量に、――蠢いている。「アイツら集めてスキー場作ったらエコかも」「凍死者が続出するわ馬鹿者!」のんびり屋のウサミミ少年に向かって大和は怒鳴る、彼らはこれから人が起き出す時間迄に、数十を超えるジャックフロストを狩らねばならない。
2011-10-06 18:05:17結局のところこれが一番幸せな結末なのだろう。「……何故お前が居る」「過去が復元されたのだから、私もいて然るべきだろう?」にこりと笑うと大和は忌々しげに舌打ちをした。「またよろしくお願いするよ」この世界を護るために、今しばらくは傍にいられるだろう、輝く者の魅せた希望がある、限りは。
2011-10-07 00:13:41ねー大和、社交的だけど敵の多い警備員と世話焼きなサディスト(いじめっこ)、二人にとって幸せな結末の話書いてー。 http://t.co/g2HfWD1m あれ142字はいった
2011-10-07 00:14:08復元大団円ルートその後、的な……またお題の斜め上だけど大和さん公式で「生きるとは護りつづけること」だったし(うろ覚え)いいよね……あとサダクさんはナチュラルにSいと思う あとサダクさんは元々ちょくちょく法津院家と関わっていたらいいな、とかいう うん 140字きついってば
2011-10-07 00:18:35「月が綺麗だね」窓の外を眺め、サダクが言うのに大和は鼻で嗤った。「余所見をする暇があるなら働け」「作業能率のためには、適度な休憩も必要だと思うけれど」返した言葉に返答はなく、僅かに、沈黙が落ちる。やがて、「……貴様の為になど、死んではやらん」微かな呟きに、サダクはふわりと笑った。
2011-10-07 20:56:21何処かで迷子になってしまったのだ。そして今も迷子のままでいる。「ねえフミ」ウサミミフードの少年が、唄うように言うのをフミはどこか敬虔な気持ちで聞いていた。「どうしてポラリスには勝てないなんて、やる前から諦めてたの?」「人間には手の届かない領域ってのはあるもんですよ、おチビさん」
2011-10-09 04:39:11フミが答えると、ウサミミの少年はにっこりと笑う。透明に。「ぼくはね」その笑みを見ていられなくて目を閉ざす。けれど、声までは消しきれない。「ポラリスを成分分析機にかけてみたかったよ。」挫折を知らない、この子供は、何処かで道を間違えてしまって、そうしてもう、戻れないのだ。
2011-10-09 04:39:04ねー樹澄、不眠症の研究者と迷子の子どもが馬鹿げた世界を変える話書いてー。 http://t.co/g2HfWD1m 病んでるウサミミさんと達観出来てないフミさんat実力主義ルート、2ツイート 逆から投下したので上から読めるようになってるはず
2011-10-09 04:39:19「私と二人だけでポラリスに挑もうなど、自殺行為だよ」咎めるサダクにウサミミ少年は薄く嗤った。「俺達以外誰も傷付かないならそれでいいじゃない」それに、と付け加えて。「人間に絶望してるのが、お前や大和の専売特許だと思うな。」その笑みの凄絶さに目を逸らす、サダクは否定の言葉を持たない。
2011-10-09 04:49:03ねー大和、じさつするつもりの文学少年と爽やかなストーカーとの哀しい話書いてー。 http://t.co/g2HfWD1m 文学……少年……?ウサミミとサダクat8日目。
2011-10-09 04:49:10ウサミミ少年の手元には一冊の本がある。本の題名は『アル・アジフ』。「ねえ大和」少年の声に大和は視線だけをそちらに向けた。「この魔導書とあの禍つ星と。どちらが危険だと思う?」「……ただ在る物と能動的に誘う者の差など、比べるべくもない」同じモノに魅了された少年たちは密やかに苦笑した。
2011-10-09 15:11:54君には期待していたのに、という声がする。大和は日照り雨を見上げて瞳を閉じた。幻聴だ、所詮は。あの男は一度もそんな言葉を口にしたことはない。けれど決別を告げられたあの時、見つめ返す瞳に確かに失望を見た気がした。日照り雨はまだ止まない。大和の目尻を伝うのは、きっと目に入った雨だろう。
2011-10-09 18:38:37