地質調査総合センター第18回シンポジウムについて井口隆先生がTWしてくれていたのをまとめてみました

地質調査総合センター第18回シンポジウム、地質学で読み解く巨大地震と将来の予測-どこまでわかったか-に関して井口隆先生がTWしてくれていたのをまとめてみました。
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T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

産総研地質調査総合センターのシンポジウムに参加。地質学で読み解く巨大地震と将来の予測。 最初の演者は活断層地震研究センターの岡村さん。 東日本大震災の前から869年の津波堆積物の調査を行ってきたが、その成果が生かされないで災害が起きたのは残念。

2012-01-12 13:21:14
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

津波堆積物については2005年-2009年の成果を2010年の国の長期評価部会で評価・検証を受けてから2011年四月に公表予定だった。間に合わなかったので、この方法が良かったのか異論もあった。研究成果を社会にどう伝えるのか考えている。講演会やマスコミに直接伝える方法も善し悪し。

2012-01-12 13:25:38
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

岡村さんのまとめは、産総研では100年~1万年の現象を対象にした地形・地質的研究~得られた地質モデルと数十年スパンの地球物理的研究家ら得られた物理モデルを組み合わせて地震の予測研究を進めたていきたい。

2012-01-12 13:28:31
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

産総研シンポジウム2番手は澤井さんによる地層に残された巨大地震の記録。 東北・北海道などは歴史記録で遡れる地震は短い。せいぜい1,611年の慶長地震津波以降。

2012-01-12 13:32:44
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

その結果、東北地方北部では巨大地震・巨大津波に対しては警戒されえいたが、宮城県沖、福島県沖ではきき意識が低かった。

2012-01-12 13:34:20
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

日本三大実録には記載があるが、現在の多賀城付近の記述が中心で、地震像・津波の実態を知る情報としては不十分だった。それを地質学的に解明する目的で津波堆積物の調査を始めた

2012-01-12 13:36:26
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

津波堆積物はどのように溜まるのかの説明。津波によって運搬され、残されたものを一般的に津波堆積物と呼ぶ。湖沼など低い土地に溜まりやすい。

2012-01-12 13:38:18
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

津波堆積物は人間の生活圏では撤去されたりするので残らない。 タイとチリの津波堆積物の写真を示して、地表直下に残っている様子を示す。 2004年や1960年の津波堆積物より下位に同じ様な堆積物があり、繰り返してきた事が分かる。

2012-01-12 13:41:07
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

貞観津波の調査は1990年代の東北大の先行研究を受けて、始めた。およそ400地点で掘削。十和田の火山灰の直下に砂の堆積物、これが貞観津波堆積物。福島原発の近くでも見つかっている。 津波堆積物かどうかを判断するのは難しいが、それについてはこの次の宍倉が話す。

2012-01-12 13:44:53
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

沿岸の植生の環境からその地の地殻変動を復元する。津波堆積物と同時に地震性の沈降があった事を解明。直前は淡水の植生。地震後は海生の植生に変わる。これは地震の波源を推定する上で重要。

2012-01-12 13:49:11
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

貞観津波調査で福島沿岸でも地殻変動を伴っていた事を明らかにし、Mw8.4以上と推定した。

2012-01-12 13:51:02
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

津波堆積物の調査では砂の分布が主体なので、砂が溜まらない到達範囲は把握できないので、過小評価される問題がある。

2012-01-12 13:52:45
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

貞観津波の450年前、さらにその800年前、さらに貞観津波の600年後にも津波堆積物が見つかっている。そこで東日本震災の前には貞観津波の再来間隔は450年~800年と推定していた。

2012-01-12 13:55:47
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

震災前には「津波浸水履歴図」をWebからの情報発信を計画していた。2011年中に試作版の完成を目指していたので悔しい思いをした。

2012-01-12 13:57:29
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

この津波調査の成果の公表と浸透は間に合わなかったが、結果的に注目される結果となった。ただ、マスコミ等で取り上げられた場合必ずしも正確に伝わらないこともある。

2012-01-12 13:59:26
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

三番手は宍倉さんの海溝型姉妹地震の履歴に関する研究の現状と課題。 東日本震災を受け、出来るだけ過去に遡った調査の必要性が強く認識されてきた。(これは津波だけでなくほかの災害でも同様だと思う井口)

2012-01-12 14:02:00
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

先程の中央防災会議の提言については既に我々は始めていた。それは第15回のシンポジウムでも述べていた。ーーー15回で用いたスライドを紹介。 以上の研究の流れ、歴史資料→空中写真の地形判読から調査地点の選定→掘削調査→各種分析(年代・微化石)→データ解析・震源断層の推定

2012-01-12 14:06:15
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

地点選定では河川の流入がない事などを地形判読して探す。しかし津波イベント堆積物が見つからない事もあるので、注意が必要。1地点で見つからないといって諦めてはいけない。津波が来ても堆積物が残らないエリアもある。

2012-01-12 14:08:33
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

何らかのイベント堆積物が見つかっても、津波堆積物かどうかの判定は難しい。津波堆積物に固有の特徴はない。明瞭な地層境界があること。上方への細粒化、石英粒が多い、貝殻が含まれるなど総合的に判定する。

2012-01-12 14:10:55
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

津波堆積物の判定法は実際の津波堆積物を観察する事が大事。東日本前はチリ地震津波、インド洋津波などを現地に行って観察した。チリでも巨大津波は100年沖の津波のうち3ー4回に1回程度という事も分かってきた。

2012-01-12 14:14:15
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

潮岬の橋杭岩が津波で動いたのかどうかの調査も実施した。台風や昭和の地震津波でも変化はなかった。現地で岩の摩擦係数を測定した。4m/sec位の津波の速度がないと岩は動かない。津波石の移動年代は12-14世紀と17-18 世紀で、400-600年間隔。

2012-01-12 14:18:21
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

津波堆積物の厚さは必ずしも波元の規模の大きさを反映しない。それは海岸線からの距離が違う場合もあるから。そのため海岸線の地形発達も復元しないと間違える可能性がある。

2012-01-12 14:20:36
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

破壊領域の拡がりの評価。粘土層の繰り返しから見た沈水履歴。生物の生痕から隆起の証拠があるかないか、などの評価も実施。

2012-01-12 14:22:57
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

皆さんの関心は今回の東日本大震災の破壊領域の北と南が今後どうなるかだろう。そのための調査も今年度より開始している。下北では貞観の津波堆積物は見つかっていない。1611年の慶長地震津波が千島海溝の連動型地震という説もあるのでそれに関しても調査したい。

2012-01-12 14:26:05
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

関東地震の履歴の見直しも必要。関東地震の破壊領域は3つあり、大正型、元禄型は暫くないだろうが、外房型の地震については検証が必要。

2012-01-12 14:28:33