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算数から数学へ。具体から抽象へ。

かけ算の順序問題からはじまる、具体的な事象の記述としての算数から、抽象的概念を論理的に操作する数学への移行について。渡邊先生の、朝の連続Tweetまとめ。
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渡邊芳之 @ynabe39

小学校の「算数」では数や数式を「具体的な事象の記述」「事物と直結する概念の操作」として教えるが,「数学」はそうではない,ということが問題の本質なのだろうと思う。

2012-01-14 04:33:31
渡邊芳之 @ynabe39

学校で数や数式を「具体的な事象の記述」として教えることには,自分自身が「分数の割り算に対応する具体的な事象がうまくイメージできない」ことから算数に躓いた体験に基づいて,ずいぶん前から批判してきた。

2012-01-14 04:35:19
渡邊芳之 @ynabe39

最初から「数という抽象的な概念を論理的に操作するゲーム」として教えてくれれば自分は躓かなかっただろうという「希望的観測」がおそらく大学生くらいのころから自分の中にあったわけだ。

2012-01-14 04:38:24
渡邊芳之 @ynabe39

心理学者になって「リアルな事象の大半は量的ではなく質的に起きている」であることを意識するようになってますますその感は強くなった。「現実が数や数式である」のではなく,われわれはリアルな世界の事象に抽象的な数や数式という「別の世界のシステム」を適宜「あてはめている」のである。

2012-01-14 04:41:55
渡邊芳之 @ynabe39

ただ(掛け算順序論争がわき上がる前の)私のそういう意見に対しては「気持ちは分かるけど子どもにはそうしなければ教えられない」という反論が非常に多かった。たしかに「リンゴが2個あります,もう3個買いました,全部で何個?」という教え方は「効果的な方法」なのだろう。

2012-01-14 04:45:00
渡邊芳之 @ynabe39

しかし,発達障害のある子どもでは「リンゴが5個,リンゴがもう2個,全部でいくつ」はわかっても「リンゴが5個,ミカンが2個,全部でいくつ」はわからないことがある。「別のものの数を合計する」という操作はすでに「現実世界の記述」を超えてしまっている。

2012-01-14 04:47:16
渡邊芳之 @ynabe39

問題は「数や数式を具体的な事象の記述として教えること」自体にあって,「掛け算の順序」は「具体的な事象の記述としての算数システム」の一部にすぎない。そこだけを「(数学の)交換則を否定している」と批判するのは不十分に思える。

2012-01-14 04:51:43
渡邊芳之 @ynabe39

たとえば「いまの算数の教え方」から「掛け算の順序」だけを排除したら問題は解決するのだろうか。「大人が違和感を持つこと」は減るかもしれないが,私のように「具体と抽象の境界で躓く子ども」は減らないと思う。

2012-01-14 04:54:56
渡邊芳之 @ynabe39

「8人にリンゴを2個ずつ配りました,全部でいくつ」と聞かれた時には私も「2×8=16」とは書くが「8×2=16」とは書かないようだ。どうも「個数を知りたい」のだから式は「個数×人数」だと自然に思うようなのだが,これが「そのように習ったから」なのかはよくわからない。

2012-01-14 05:03:08
渡邊芳之 @ynabe39

というか誰も「今までは具体だったがこれからは抽象になる」と明確に教えてくれなかったことが気になります。小学校高学年から中学にかけてなんとなく移行して,その移行になんとなくついていけた人だけが「数学」に順応できる感じ。@gnsi_ismr

2012-01-14 05:05:13
渡邊芳之 @ynabe39

おそらく「リンゴが5個,ミカンが2個,全部でいくつ」の「正しい答え」は「リンゴが5個とミカンが2個」なのだろう。これと「5+2=7」は「別のこと」だ。「別のことを必要に応じて適宜つないでいる」だけだ。

2012-01-14 05:09:48
渡邊芳之 @ynabe39

でも「リンゴとミカンが簡約できる」ためには「果物」といった上位概念が必要ですね。おそらく「リンゴが5個,ミカンが2個,果物は全部でいくつ」ならわかるわけです。 RT @kankichi573: 5*x+2*yという式はこれ以上簡約しようがない。ってとこですね。

2012-01-14 05:13:38
渡邊芳之 @ynabe39

「具体的な事象に数や数式をあてはめる」というのは実はそういった上位概念を利用したりかなり複雑な概念操作なのだけど,ほとんどの人がそういった操作を共有しているために「自明」に見える。

2012-01-14 05:18:18
渡邊芳之 @ynabe39

「子ども向けにわかりやすく簡単にしている」と大人が思っていることが,子どもから見ると実はぜんぜんそうではない,ということは他にもたくさんあるように思う。

2012-01-14 05:21:31
渡邊芳之 @ynabe39

「教えている先生もそうした移行の存在を意識してない」のではないかと思うことがあります。 RT @gnsi_ismr: 恐らくその「教え方」が確立されていないのだと思います。認識の抽象度を上げていくときの上げて行き方全般について。

2012-01-14 05:22:15
渡邊芳之 @ynabe39

「昨日まではこうでしたが,今日からはこうなります」なんて学校の先生が一番得意なことじゃないですか?w。 RT @gnsi_ismr: 少なくとも挑戦してみる価値はあるのではないでしょうかね。 RT @t_kishimo: 抽象になる、ということを教えられるのかも気になります

2012-01-14 05:24:00
渡邊芳之 @ynabe39

例によって私の思考は「他の人にはできるが自分にはできないこと」を鍵にして拡がる。

2012-01-14 05:25:24
渡邊芳之 @ynabe39

逆に言えば数学は「ありもしないことを考えられるもの」ですよね。 というか「学問」というのはみんなそうだと思う。 RT @gnsi_ismr: 大学では、なまじ具象化して考えるのがうまいとかえってつまずく、とはよく言われましたね。4次元以上の空間を想像できないので。

2012-01-14 05:38:13

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