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米子 @ChhrMrk
@PKAnzug こんにちは。わたくしのブログに寄せられたママさんの質問のことで、ちょっとPKA先生のご意見も拝借したいと思うことがあるので、お尋ねしてもよろしいですか?
米子 @ChhrMrk
@PKAnzug ありがとうございます(#^.^#) まず寄せられたご質問はこうです: もし10年後に、管理人様のお子様が白血病になったとして、それが今までの日本の発症率から比べて明らかに10倍20倍の発症率だったとして、それでも「放射能のせいではない」と言い切れますか?

そもそも、白血病の発症が10倍20倍にもなることなんてありえるの?

米子 @ChhrMrk
@PKAnzug 従来の15歳男子の白血病発症率がどのぐらいか分からないのですが、それが10倍、20倍とか言うと、大体どのぐらいなのかな?と。ひょっとしてありえない確率だったりして。とか思いました。
PKA @PKAnzug
@ChhrMrk 「放射線のせいではない」と言い切るのは不可能です。10倍20倍どころか半減してても、言い切れません。ただ、過去の研究などからの見立てとして「10倍20倍になること」自体が非常に考えにくく、「10倍20倍だったとして」という前提自体がおかしいです。
米子 @ChhrMrk
@PKAnzug 「放射線のせいではない」と言い切るのが不可能とおっしゃるのは、それは、病状から原因を特定することはできないという、非特異性の話ですよね。これは、安斎先生の本で読みました。
PKA @PKAnzug
@ChhrMrk 同じような質問の形態としては、こういうものがあります。「1年以内に巨大隕石が人類を滅ぼすなんてありえない」に対して、「明日、巨大隕石が地球に接近してると発表されたとして、同じことが言えますか?」というもの。前提をありえないものにすると結論もおかしくなるんですよ。
米子 @ChhrMrk
分かります。@PKAnzug 同じような質問の形態としては、こういうものがあります。(中略)前提をありえないものにすると結論もおかしくなるんですよ。

有意な増加、について

米子 @ChhrMrk
@PKAnzug 多分、発症率が10倍、20倍になったとして、とおっしゃっているのは、素人感覚ではっきり理解できる「有意な増加」を表現されてのことだと思うんですけれど、医学的に有意な増加と言えるのは、実際どのぐらいでしょうか?
PKA @PKAnzug
@ChhrMrk 「有意な増加」というのは統計学的な判定なんで、何倍になったら有意、とは言えないんですよ。十分に調査対象の人数が多ければ「n倍」のnは小さくても有意になりえますし、逆もまた然り。また、1つの調査で有意な増加があったからって「増加した」が明白な事実とは言えません。
米子 @ChhrMrk
@PKAnzug なるほど。今後大規模な調査は行われるのかもしれないので、小さなnのn倍という調査結果は出てくるかもしれませんね。それで、それが「有意」だとしても、それでもなお、やはりそれが福島原発事故由来の放射性が原因かどうかは知りようがない、ということですよね?

でも、白血病には白血病の特徴的な事情はあるようです。

PKA @PKAnzug
@ChhrMrk ただ1つ言えるのは、白血病は自然状態での発生数が非常に少ないので、発症率の数値はバラつきやすいだろうということ。多少の変動では増えたとも減ったとも言いづらいんですよ。一方で、明確な発症の誘引がそこに飛び込むと、何十倍にも増える可能性があります。
PKA @PKAnzug
@ChhrMrk たとえばここ( http://t.co/dNu4Erzp )によると、白血病は年間人口10万人当り5.9人。つまり1万人に1人も出ない病気なんですよ。1万人の集団の中で「たまたま1人多く発症した」だけで2倍以上に発症率を上げてしまう計算です。
PKA @PKAnzug
@ChhrMrk こういうところに「正常な人の○%を白血病にするような要因」が入り込んだら、えらいことになりますよね。仮に「正常な人の0.1%を白血病にする因子」だとしても、10万人中100人くらい増えますんで。
米子 @ChhrMrk
@PKAnzug なるほど、白血病というのはいわゆる「稀な」病気なんですね。過去にどこかで、明確な発症の誘引が飛び込んできて増加したエピソードはあるのでしょうか。あ・・・イラクの劣化ウラン弾の話では、白血病の増加は言われましたね。原因は結局、争いがあるようですが。
PKA @PKAnzug
@ChhrMrk で、私が知る限りではそういう明白な誘因があったという話は聞いたことがないです。もっとも、こういうのを調べ続けてるわけじゃないんで特に詳しくはないですが、劣化ウランの件も「争いがある」時点で、仮に誘因であるとしても大したものではないんだろうなと分かります。
米子 @ChhrMrk
@PKAnzug そうですか。質問者さんが白血病を特にチョイスしているのは、劣化ウラン弾のエピソードや、セラフィールドの事故後白血病が増えたとか、世間で煽り材料に使われているのが、実際何かと白血病だから、ついまっ先に思い浮かんでしまうんでしょう。でも、先程のリンク先にも・・・
米子 @ChhrMrk
@PKAnzug (続)あるように、若者の間では実際、目立つ病気ではあるんですね。

「将来親として後悔する」話。

米子 @ChhrMrk
@PKAnzug (もっとも、質問者さんが”白血病”を話題にしているのも多分一例であって、その他のガンで想定してもいいんでしょうけれどね。最終的な話は、放射能よけ対策しなかったら将来親として後悔しないかということです。)
PKA @PKAnzug
@ChhrMrk 「対策しなかったら後悔するかも」というのは力の強い言葉ですが、これは発癌以外にも言えるんですね。「子供が鬱病になったのは、あの時の過剰反応が原因かも」とか「慣れない土地に越したから交通事故に」とか。特定リスクだけ大きく見て他のリスク完全無視は好ましくないです。
米子 @ChhrMrk
@PKAnzug ごもっともです。母親というのは、そもそも胎児を化学流産しただけでも自分を責める生き物です。無事に産んだら産んだで、本当は向き合わないといけないリスクは山のようにあるから、むしろいかにすべて腹をくくるかの方が重要な課題のはずなんです。
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コメント

PKA @PKAnzug 2012年1月17日
「白血病の明確な誘因は聞いた記憶がない」と言ったのに、後でシレッとHTLV1の話を出してるのが我ながらギャグですな。
Sim @tamashirosama 2012年1月17日
@PKAnzug 確か、ベンゼンが造血母細胞の癌化要因としてあったと思いますが。
藤川 哲兵 @t_2P 2012年1月17日
良いまとめだと思う。特に統計のトリックとまではいかないが、母数あたりの%と分子のみの比較による単純な倍増率をどうのように評価するのかは知っておく必要があると思う。
PKA @PKAnzug 2012年1月17日
http://www.nihs.go.jp/hse/ehc/sum1/ehc150.html ベンゼンの情報、ありました。高濃度暴露では明確な骨髄異常(白血病含む)があると言われていて、低濃度では影響はそれほど顕著ではないながら、極力低濃度の暴露にすべしとされている、ということのようです。ちょっと放射線の話と似ていますね。
K_Ejyo @K_Ejyo 2012年1月17日
んー.矢張り,こういう心配が拭えない方に必要なのはカウンセラーじゃないのかな.落ち着いて調べる事の出来る人はそんなに怯えないだろう.先生,いつも有難うございます.
* ∣ժ̅ †꒭ †꒭ * @floraison08 2012年1月17日
いいまとめ。放射線と癌の関連性に関する統計の考え方、統計の落とし穴にも言及。「10年後にあなたの息子が癌になったら後悔しませんか?」
ちくわ@だいぶヱロい @tikuwa_ore 2012年1月17日
根拠も論拠もない危険デマを掲げ、ただ不安を煽るだけの人たちを信用する人が多い背景にあるのは、拭えない心理的不安なんだろなって意味では、確かに必要なのはカウンセラーなのかもしれん。
mic%親馬鹿です @mic_ab 2012年1月17日
わかりやすいまとめ。こういうのはとてもありがたいです。こういう良質な情報源をまとめたポータルとかあると人に説明しやすくなるかもなあ。
PKA @PKAnzug 2012年1月17日
指摘が入ったので訂正です。途中のHTLV1と白血病の例えですが、資料の誤読から成人T細胞白血病の実態と異なる内容になっていました(成人T細胞白血病はHTLV1感染が必須で、オッズ比は出せないそうです)。「ある因子が存在するとオッズ比2.46で10万人あたり70人に増加する架空の疾患」として読んでください。白血病の実例ではなくなるだけで、考え方は変わりません。
luckdragon2009(rt多) @rt_luckdragon 2012年1月17日
オッズ比とは離れますが、成人T細胞白血病(ATLL)の病態について。 成人T細胞白血病(ATLL)、化学療法のみの治療成績では完全寛解率は16~41%。とても怖い病気です。
luckdragon2009(rt多) @rt_luckdragon 2012年1月17日
ウィルス感染が条件なので、感染検査(例えば妊娠時の検査、子供に母乳で感染するため)が重要です。発病率は低いんですけどね。詳細はここらへんをご覧ください。> http://ganjoho.jp/public/cancer/data/ATL.html
luckdragon2009(rt多) @rt_luckdragon 2012年1月17日
発症させる HTLV1 ウィルス(感染拡大防止に関する知識)に関しては、ここら辺をご覧ください。 > http://goo.gl/cTpsV > http://goo.gl/FEIYh
luckdragon2009(rt多) @rt_luckdragon 2012年1月17日
なお、HIVキャリアとかで話題になりますが、HTLV1 でも感染者キャリアに対する社会的配慮は重要ですので、その点は共通項として配慮してくださいね。(HIVキャリア等も偏見で苦しんでいますので、同様の配慮を。)
Sebastian KOBAYASHI @Dongpo_Jushi 2012年1月17日
甲状腺腫瘍のような、もともと多数発生するものについてはどうなるんでしょうか?なにもない場合での発生率の定説がないようなので、結局多少増えたところで誤差に吸収されてしまう、という感じでしょうか?
愛・蔵太(素人) @kuratan 2012年1月17日
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050827/p2 ←劣化ウラン弾と白血病(小児白血病)について、昔調べたテキストです。「イラクの子どもたちの白血病(小児白血病)の増加について」
y.🍀 @yabtter 2012年1月18日
「将来親として後悔する」という話題、「放射能コワイ」もさることながら、「放射能の対策をしない親はダメ親」といった価値観を押しつける風潮もあるんじゃないかなと、ここ数日ちょっと考えていた。親が、親としての自信を持っているとは限らないし、むしろ自信を持てないでいる親の方が多いように思うので猶更。
y.🍀 @yabtter 2012年1月18日
親の親世代や、親グループの中での声の大きい人など、当の親にしてみれば反論しづらい相手からそういう圧力をかけられると、なかなか効果的な反論材料が出てこなくて、惑いつつも従ってしまう人は少なくないような気がする。……とか言いつつ、人の親になった経験がないので確信は持てないのだけど。
luckdragon2009(rt多) @rt_luckdragon 2012年1月18日
例えば ATLL に関して言えば、HTLV1キャリアの検査をして、キャリアだったら母乳あきらめる、という事で、そういう明確なリスク部分を排除し、細かな揺らぎ要素は大きく考えないような心構えの方が、ストレスためなくてすむと思います。
luckdragon2009(rt多) @rt_luckdragon 2012年1月18日
あんまり大きく悩むと、ストレスためたり、それこそ食事に悩みすぎて、栄養失調とかになっちゃいますから。
あんこ好きなクルーたまにヘルムスマン、稀にスキッパー(そして、ひなちゃんの下僕) @XC60Rd__ 2012年1月18日
これ、良いまとめですね。 まとめ中にありますが、そろそろ大規模な対策取らないと駄目でしょうね。 自分は専門家じゃないのでサポートするだけですが…
宮原篤 / 書籍「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」@9月21日発売 @atsushimiyahara 2012年1月19日
とても良いまとめ。ただ、どんなに頑張っても白血病をゼロにすることはできない以上、子どもが白血病を起こして悲観にくれている保護者にどのように説明し寄り添えばいいのか、考えなければならないと思う。
宮原篤 / 書籍「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」@9月21日発売 @atsushimiyahara 2012年1月19日
「福島で奇形率が上がる」という言葉をまともに受けて、独身を貫いた福島県女性たちの乳がんや子宮体がん(ともに妊娠しないことが発症リスク)が増えたら、私的にはやる切れない思い。「お待たせしました!福島の乳がんについてスクープです!」なんて書く人はいるかも知れないけど。
宮原篤 / 書籍「小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK」@9月21日発売 @atsushimiyahara 2012年1月19日
放射線防護学の中堅どころが放射線について語ろうとすると、色々なところからバッシングがくるため、今のところ発言を控えていると聞いたことがあります。
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