【ほうかご百物語】妖怪についてつらつらと(2、3巻)

ライトノベル・『ほうかご百物語』(峰守ひろかず著、電撃文庫) http://goo.gl/BI3Kh のシリーズに登場する妖怪の元ネタ・モチーフと思しき妖怪譚などについての呟きをまとめるリスト。 ※このまとめは覚書です。じっくり精査するのではなく、思い付いたネタやちょっとだけ調べた事項をまとめておくためのものです。 ※個人のメモですので、緩く見てください。 ※「作中との比較」の部分は、「この部分は文献を参考にするとこういうことであるに違いない!(断定)」ではなく、「もしかしたらこういうことなのではないだろうか?」という一つの可能性の「提案」を行うものである、ということを予めご了承ください。 続きを読む
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※文献を基にした概説メモ

アルム=バンド @Bredtn_1et

さて、今日は『ほうかご百物語』2巻から、「納戸婆」。参考文献は(1)『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、(2)「全国妖怪語辞典」『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)。

2012-04-18 23:07:35
アルム=バンド @Bredtn_1et

納戸婆は家の納戸にいるとされる怪異。奈良県、兵庫県、岡山県、香川県、宮崎県などに伝わる(1)(2)。

2012-04-18 23:07:44
アルム=バンド @Bredtn_1et

岡山県赤磐郡高月村(現山陽町)では、頭の禿げ上がった婆さんが納戸から「ホーッ」という声を出しながら出てくるという。が、庭箒で叩くと縁の下に逃げ込んでしまうといわれる(1)(2)。上道郡でも同じ怪異が伝えられるという(2)。

2012-04-18 23:07:52
アルム=バンド @Bredtn_1et

奈良県や宮崎県の納戸婆も岡山県の納戸婆に順ずるらしい(2)。

2012-04-18 23:07:57
アルム=バンド @Bredtn_1et

一方で、香川県の納戸婆は、納戸の中にいて、子供を隠してしまうといわれ恐れられている(1)(2)。

2012-04-18 23:08:03
氷厘亭氷泉 @hyousen

子どもが悪いことをすると「納戸のばばが出るぞ」とおそろかして、それをやめさせる。◆岡山県教育委員会『阿波・梶並の民俗』

2012-12-09 19:35:49
氷厘亭氷泉 @hyousen

納戸婆のモウコ系統ガゴ系統な側面

2012-12-09 19:36:18

※作中との比較

アルム=バンド @Bredtn_1et

といった辺りで簡単ですが概説メモ。以下、ほうかご本編との比較。

2012-04-18 23:08:15
アルム=バンド @Bredtn_1et

本編では美術準備室の物置に出現したらしい。納戸…物置に出るという性質は確かに一致するか。あと、「ホー」と声を出していたので岡山県バージョンであると窺える。経島先輩も箒で叩いて退散させていたので、岡山県バージョンでしょう。

2012-04-18 23:08:20
アルム=バンド @Bredtn_1et

香川県バージョンだったら若干厄介だったかもしれませんが…そういうこともなかったようで何よりです。ということで以上。

2012-04-18 23:08:25

※狒々について

http://t.co/YtsGIlr0 >黒沢川で木切りをしていて、百物語をしたらヒヒが来て寝ている人から舌を取った。
※2011/11/27のツイートから

※夜行さんについて

アルム=バンド @Bredtn_1et

さて、今日は『ほうかご百物語』2巻より、「夜行さん」について。

2012-04-22 00:03:56

※文献を基にした概説メモ

アルム=バンド @Bredtn_1et

参考文献は[1]『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、[2]、『改訂 綜合日本民俗語彙 第四巻』(民俗學研究所編、株式会社平凡社、1970)、[3]『図説 地図とあらすじで読む 日本の妖怪伝説』(志村 有弘監修、青春出版社、2008)、

2012-04-22 00:04:05
アルム=バンド @Bredtn_1et

[4]「全国妖怪語辞典」『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)、[5]「妖怪談義(妖怪名彙)」『定本 柳田國男集 第四巻』(柳田 國男著、筑摩書房、S.38)、

2012-04-22 00:04:31
アルム=バンド @Bredtn_1et

[6]「阿波の土俗」(後藤 美心著)『復刻版 郷土趣味 第二分冊』(郷土趣味社著、岩崎美術社、1920)、[7]『神話伝説辞典』(朝倉 治彦・井之口 章次ら編集、株式会社東京堂出版、S.38)、

2012-04-22 00:04:38
アルム=バンド @Bredtn_1et

[8]「土佐山村の「妖物と怪異」」(桂井 和雄著)『<完全復刻> 旅と伝説 第二十九巻』(岩崎美術社、1978)、[9]『日本の伝説 16 阿波の伝説』(武田 明・守川 慎一郎著、株式会社角川書店、1977)。

2012-04-22 00:04:45
アルム=バンド @Bredtn_1et

夜行さんは、徳島県に伝わる怪異。その特徴をおおまかに記すと、(1:出現時季)節分、大晦日、庚申の夜、夜行日(※後述)といった決まった日に、(2:姿)首の無い馬に乗った一つ目の鬼[1][2][3][4][5]が現れるという。

2012-04-22 00:05:16
アルム=バンド @Bredtn_1et

また、これに出遭うと(3:行動)投げられる[2][3][4][5][6]または蹴り殺される[1][2][4][5]といい、助かるためには地にひれ伏して頭の上に草履を乗せる[1][2][3][4][5]という。

2012-04-22 00:05:39
アルム=バンド @Bredtn_1et

なお、この夜行さんのパターンは『土の鈴』(11号)に掲載されたパターンのようで、一般的(一般的…?)にはこの形がよく知られている、かな?

2012-04-22 00:05:59
アルム=バンド @Bredtn_1et

先述した「夜行日」とは、百鬼夜行(夜間に様々な妖怪が列をなして歩くこと[1])が行われると信じられた日のことである。

2012-04-22 00:06:34
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