「プロレス」という形容は、「お約束どおり」なんて否定的な意味ではなく、「説得への精密な努力が支払われた」という意味で用いるべきだと思う

面白おかしい脚本があって、鍛えた選手がそれに忠実に従ったところで、観客は決して満足しない。観客は、自分たちが「説得された」ことに満足を表明するのであって、選手が「脚本を演じた」ことに満足するわけじゃない
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medtoolz @medtoolz

「プロレス」という形容は、「お約束どおり」なんて否定的な意味ではなく、「説得への精密な努力が支払われた」という意味で用いるべきだと思う。そうでないとプロレスラーに失礼。

2012-01-19 07:45:22
medtoolz @medtoolz

面白おかしい脚本があって、鍛えた選手がそれに忠実に従ったところで、観客は決して満足しない。観客は、自分たちが「説得された」ことに満足を表明するのであって、選手が「脚本を演じた」ことに満足するわけじゃない

2012-01-19 07:46:19
medtoolz @medtoolz

ホーガンのハルクアップや、ロックのピープルズエルボーがどうして観客を感動させるのかといえば、あれは技自体の魅力では決してない。あんなお笑いに近い技であっても、そこに到達するまでに支払われた、選手による説得の試みがあまりにもすばらしいからこそ、観客は美技を絶賛するのであって

2012-01-19 07:47:48
medtoolz @medtoolz

橋下市長の対談を「プロレスだ」と断じるのは、それが観客に対して行われた説得である、という意味において正しいと思う。それを「脚本どおりだ」という意味で用いるのならば、それは自分以外の観客を「脚本に踊らされた馬鹿である」ことを前提にした言説であって、お客さんに失礼だと思う。

2012-01-19 07:49:26
medtoolz @medtoolz

プロレスも、総合格闘技も、それが説得であるという点において変わらない。ルールが違うから、総合格闘技ではしばしば、選手の間接を破壊するまでやらないと、観客が説得されない、というだけで。説得の困難さは、破壊ができないという意味で、プロレスのほうがむしろ難しいかもしれない

2012-01-19 07:50:52
medtoolz @medtoolz

アマチュアは、ルールに対して正義を問う。プロは観客に対して正義を問う。向いてる方向が違うし、そういう意味で、あの対談番組の中、観客が否が応でも存在する「プロ」が要請されるあの場所で、はたしてプロであったのは誰なのか。

2012-01-19 07:52:45