廃棄物の埋立処分術の専門家による、汚染された廃棄物の埋立てについてのお話。

廃棄物の埋立処分術の専門家による、汚染された廃棄物の埋立てについてのお話。
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環境省は放射能汚染された廃棄物の埋め立て基準8,000Bq/Kg以下であれば「通常の埋め立て処分をしても差し支えない」としているのですが…
「首都圏や東北地方では基準値以下のものであっても処分を依頼していたほかの自治体にある施設から、周辺住民などの反対で受け入れを断られるケースが相次いでいます」
そこで環境省
「科学的な根拠や法的な根拠なしにむやみに受け入れを制限したり、処分業者に対して受け入れの中止を指導したりしないよう全国の自治体に要請しました」
元の報道はこちら → http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120121/k10015434451000.html

あざらしサラダ @azarashi_salad

心配しなくても大丈夫、こうした要請に従う「法的根拠」はありません。 RT @kyusyunohito3: えーー( Д ) ゚ ゚ Reading:NHKニュース 基準以下の廃棄物 処分を要請 http://t.co/xtS1Yj1t

2012-01-21 11:03:34

ちなみに

力工デ@中の人(色々と環境問題勉強中 @55_kaede_55

@wakahage31 国内法ではまだセシウムは74bq/g以下の濃度なら法的には放射性物質の適応外でしょ…濃度だから質量ふえようがおかまいなし。関東や福島でもこれほど量があると問題でしょ 広域処理とは問題がちがうけどね(^^;;

2012-01-21 12:32:12

本題

ばっふぁ @microcystis

@y_morigucci 環境省が酷い要請をしているようです。再三、8,000 Ba/kg以下という基準では普通の埋立は無理です。もう彼らが何を考えてるか分かりません。Reading:NHKニュース 基準以下の廃棄物 処分を要請 http://t.co/A229L8J2

2012-01-21 11:05:13
ばっふぁ @microcystis

(強要は言い過ぎたかな、「お願い」かな)

2012-01-21 18:11:21
ばっふぁ @microcystis

まず、前後して、環境省からの実際の通知文を入手しました。そこにはよく読まないとわかりにくいですが、8,000 Bq/kg以下の廃棄物の処分については放射能汚染対処特別措置法の特定一般廃棄物・特定産業廃棄物の上乗せ基準に従うように書いてありました。

2012-01-21 12:03:46
ばっふぁ @microcystis

その基準に従えば最低限のことは確保されますが、それはこれまで行ってきた「普通の」埋め立てかたではありません。

2012-01-21 12:06:02
ばっふぁ @microcystis

「普通ではない」というメッセージをきちんと伝えなければと思い、これまでの経緯をこれから示します。

2012-01-21 12:09:12

話についていくために、予習します。

ばっふぁ @microcystis

ちょっと離れるので、予習として、特定一般廃棄物・特定産業廃棄物(8,000 Bq/kg)の埋め立てかたが書いてあるガイドラインは http://t.co/B8u4Hur5 にあります。

2012-01-21 12:25:03

お昼が終わって、再開。
環境省資料で読んだことが主だったけど、新しい情報もいくつか。

ばっふぁ @microcystis

すこし戻ります。放射性物質を処分する基本は遮蔽(放射線を外に漏らさないこと)と隔離(放射性物質を外に漏らさないこと)です。それから埋め立てをする作業員の防護(重大な被ばくをしないようにすること)も大事です。

2012-01-21 13:22:33
ばっふぁ @microcystis

遮蔽については、元々埋立地ではごみの飛散や臭いや害虫の発生を防ぐために、ごみを埋めた後を土などで覆います(覆土)。この、覆土の厚さを放射線量に応じて厚くすることで、遮蔽の効果を持たせることができます。

2012-01-21 13:26:12
ばっふぁ @microcystis

作業員の防護については8,000 Bq/kg以下であれば作業員の被ばくは年間1mSvを下回るとなっています。

2012-01-21 13:35:36
ばっふぁ @microcystis

したがって、埋立技術としての課題は、どうやって放射性物質を隔離するか、ということになります。

2012-01-21 13:39:12
ばっふぁ @microcystis

はいその通りです。フォローありがとうございます。@y_morigucci: 「放流水」の基準としていますが、この数値は元は放流水の基準ではなく施設周辺の水域に当てはめるもので、それを放流水にあてはめることで保守的な(安全側の)基準としていると理解しています。

2012-01-21 14:11:47
ばっふぁ @microcystis

しばし戻ります。放射性セシウムを埋立地の中に隔離する(排水として出さない)方法には、水と触れさせない(溶かさない)、溶けたものを埋立地の中で止める、排水処理施設で除去するの三つがあります。

2012-01-21 15:22:54
ばっふぁ @microcystis

放射線が十分に減衰する長い期間(元々の濃度により数十年から数百年)、隔離の機能を保つためには、どれかひとつが壊れても残りでカバーできるように、これら三つの方法を同時に持たせることが理想的です。

2012-01-21 15:27:10
ばっふぁ @microcystis

水に触れさせない方法には、埋立地に屋根をかけたり、地表面を水が通らない材料で覆ったりして、そもそも雨水が埋立地の中に入らないようにすること、また、廃棄物をコンクリートなどでがっしり固めて水が通らないようにすることがあります。

2012-01-21 15:30:22
ばっふぁ @microcystis

(水に)溶けたものを埋立地の中で止めるには、埋立地の中に土壌やゼオライト等の層を作って、そこを通る水に溶けた放射性セシウムを捕捉する方法があります。

2012-01-21 15:36:40
ばっふぁ @microcystis

浸出水が外に出る前に処理施設で除去するためには、ゼオライトやイオン交換樹脂によるフィルター(吸着塔)や逆浸透(海水を真水にする膜)を設置する必要があります。

2012-01-21 15:43:30
ばっふぁ @microcystis

問題は8,000 Bq/kg以下のものはこのような機能を持たせないで埋め立ててよいかということです。このことを深く考えさせる事件が、9月に伊勢崎市の処分場でおこりました。 http://t.co/JIZ2XDO6

2012-01-21 16:07:57