2012.01.22 笠井潔さんのツイートまとめ

2012.01.22 蜂起について?から始まった笠井潔さんのツイートまとめ。
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笠井潔 @kiyoshikasai

「蜂起」という言葉、元はフランス語だと思うのだが、中江兆民あたりが訳して日本語にしたのだろうか。西周とも思えないし。ハチの巣を叩いたりすると、無数のハチが飛びだしてきてわんわん飛びまわる。たぶん、このイメージをバスティーユ襲撃のような社会現象に重ねて作られた言葉なのだろう。

2012-01-22 19:02:33
笠井潔 @kiyoshikasai

ハチの場合はパニックがベースで、外敵への反撃という本能もある(と思う)。群衆論でいう逃走群衆(映画館が火事になったようなときに起こる群衆化現象)と迫害群衆(関東大震災の時の朝鮮人虐殺とか)がこれに当たるだろう。オルテガのような保守主義者は、大衆蜂起をたんなるパニックと同一視する。

2012-01-22 19:10:19
笠井潔 @kiyoshikasai

ハチの巣には無数の穴があって、ふつうハチは穴の中に入っている。しかし、なんらかのきっかけで巣穴から飛びだし、ぶんぶん飛びまわる。トークイベントでも少し話しましたが、これが笠井の蜂起イメージですね。ハチの巣穴を学校の机に置き換えればわかりやすい。子供は机の前に縛りつけられている。

2012-01-22 19:13:35
笠井潔 @kiyoshikasai

しかし、机の前から飛びだしてもいい。誰でも飛びだすことはできる。学校大嫌い児童だった笠井は、一目散に教室を飛びだすことを夢想していました。しかし、そう思っているのは自分だけではないだろう。だったら、全員が飛びだしてしまえばいい。巣を蹴飛ばされたときのハチのように。

2012-01-22 19:17:24
笠井潔 @kiyoshikasai

蜂起というとボリシェヴィキの党派主義的・反革命的武装蜂起しか思いつかない連中とは、もともと蜂起のイメージが違うんですね。ちなみに、ロシアの1917年二月「革命」にたいする武装反革命がボリシェヴィキの十月「革命」です。この点、歴史をよく知らない若い人は間違えないように。

2012-01-22 19:20:54
笠井潔 @kiyoshikasai

二月革命は、鬱屈しながらも巣穴に籠もっていたふつうの人たちが街路に飛びだし、わんわん飛びまわっているうちにロマノフ王朝が倒れてしまったという事件で、まさに「蜂起」。しかし十月革命=反革命は、レーニンの「計画としての戦術」で意図的に起こされたにすぎない。

2012-01-22 19:33:00
笠井潔 @kiyoshikasai

レーニンが大好きだった「計画」とか「意識性」とかいう言葉ほど、「蜂起」とは縁遠い、むしろ正反対のものはない。アラブ世界で起きたのも、先進諸国の占拠運動も、武装非武装、暴力非暴力にかかわらず典型的な蜂起ですね。

2012-01-22 19:36:49
笠井潔 @kiyoshikasai

ボリシェヴィキ反革命を批判したヴォーリンのような同時代のアナキストの場合、このような認識は当然の前提だった。革命とは自由の実現だから。しかしアナキズムにも問題はある。ぶんぶん飛びまわっていたハチも、いつかは巣に戻らなければならない。でないと全滅してしまう。

2012-01-22 19:39:40
笠井潔 @kiyoshikasai

この必然性にどう応答するのか。レーニン主義にしても、この難問にたいする誤った応答として生じたことは間違いない。難問を回避したアナキストは、あまり悪いことはしなかった(なにしろ権力と無縁だから)というだけで、極悪非道のボリシェヴィズムが駄目ならアナキズムで行こうともいえない。

2012-01-22 19:43:44
笠井潔 @kiyoshikasai

ではどうすればいいのかを考えてきたのが、笠井の20歳前半からの40年でした。この先は、またあらためて。

2012-01-22 19:46:28