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神田大介氏(朝日新聞記者)によるファイル交換ソフトにおける情報漏洩記事裏話(追記あり)

朝日新聞の記者である神田大介氏が取材した、Winny 等ファイル交換ソフトによる情報漏洩に関する話が無料で読める記事となって公開されました。その取材における裏話。 ■朝日新聞デジタル:〈ニュース圏外〉密かに続くネット流出 さらす側の本音 http://digital.asahi.com/articles/TKY201201240633.html 続きを読む
国内 情報漏洩 セキュリティ Winny
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取材開始までの経緯
神田大介 @kanda_daisuke
本日は私の書いた記事「密かに続くネット流出 さらす側の本音」 http://t.co/YgTYiDK0 に様々な反響をいただき、ありがとうございました。お約束通り、裏話などはじめようかと思います。
神田大介 @kanda_daisuke
ネタの端緒をつかんだのは、実はずいぶん前のことになります。一昨年、2010年のおわり、世間が警視庁公安部のテロ情報流出事件に揺れていたころのこと。久々に「ウィニー」という言葉を紙面で見ました。この情報が暴露ウイルス感染を装い、ウィニーのネットワーク上に流れていたからです。
神田大介 @kanda_daisuke
ウィニーによる情報流出事案の報道は2008年になるとめっきり数が減り、2010年にはほとんどない状態でした。私もほとんど存在を忘れかけていました。ところが、警視庁公安部情報の流出事件をきっかけに、ウィニーの存在が再び浮上。私は独自に取材を始めました。
意外な情報が手に入る
神田大介 @kanda_daisuke
この流出は暴露ウイルスによるものではありません。何者かが故意にウイルスっぽく見せかけていただけです。誰が、なぜそんなことをしたのか。当時、名古屋本社調査報道班にいた私は、犯人を突き止めようと思いました。残念ながらそちらは実らなかったのですが、取材の経緯で意外な情報を入手しました。
神田大介 @kanda_daisuke
「ウィニーで拾った流出情報をネタに、恐喝をしているヤツがいる。かなりまとまった額の金を稼いでいる」。そんな情報でした。これはストレートニュースでいけると直感しましたが、その時点では漠然とし過ぎていたため、並行して進めていた案件を優先しました。
神田大介 @kanda_daisuke
年が明け、しばらくは別のネタにかかりきりでした。ウィニー問題に軸足を移し、ウィニーに関して一歩進んだ取り組みをしている日本IBMに取材に行ったのが、忘れもしない3月11日午前のことです。
神田大介 @kanda_daisuke
取材を終えて新幹線に乗り、名古屋に戻った直後に強く、長い揺れを感じました。その後のことはみなさんご存じの通りです。2週間後には私も宮城県石巻市にいました。5月のゴールデンウイーク明けまで、取材であちこちを転々としました。7月には福島に入りました。
神田大介 @kanda_daisuke
世間も、紙面も、そして私も、もうウィニーどころの話ではなくなっていたのです。既に取材はかなり進んでいましたが、すべて宙に浮きました。私だけでなく、この時期に記者が仕込んでいたネタで没になったものは数知れないでしょう。
神田大介 @kanda_daisuke
福島から名古屋へ戻ると、8月いっぱいで調査報道班での仕事は終わりだと上司に告げられました。積み残したウィニー問題にケリをつけるべく、この時期に再取材を開始。しかし、結果はハズレでした。怪しいとにらんでいた人が見込み違いだとわかったのです。
情報を流してた人物の特定
神田大介 @kanda_daisuke
流出情報を晒しているのが2、3人しかいないのはわかった。だが、それが誰なのかを特定できなければ話にならない。多くの方が想像されておられたとおり、そこが一番の難関でした。そして、すいません、そこはあまり詳しく説明することはできません(笑)
神田大介 @kanda_daisuke
捨てる神あれば拾う神ありで、あきらめると新しい情報が入ってくるものです。公的情報に噂話を重ね合わせ、地道な作業で相手を特定。あとは社会部仕込みの「夜回り」です(笑)。なにせ相手は暇さえあればずーっとウィニーを地引いているようなタイプの人ですから、接触するのが大変でした。
神田大介 @kanda_daisuke
ただ、取材に応じてくれた2人は、いったん打ち解けると、こちらが意外なくらいに率直に話をしてくれました。おそらくは、彼らにとっても「晒し」は区切りがついた話だからでしょう。今までそのことについて話す相手がいなかったこともあるのかもしれません。
まさかの人物像
神田大介 @kanda_daisuke
2人はいずれも公営住宅に住んでいました。付近の相場に比べても家賃は低め。自家用車を持つわけでも、豪奢な身なりをするでもない。加えて、2人ともその時点で同居する家族はいませんでした。
神田大介 @kanda_daisuke
2人とも質素な、つつましい生活を送っている様子でした。何より意外だったのは、多くの方も指摘されていたように、彼らが50代と60代という、かなりの年齢だったことです。私は30代前後を想像していました。
神田大介 @kanda_daisuke
1人は自分で改造した、暴露ウイルスを地引く専用のウィニーを使っていました。が、もう1人はまったく素のままのウィニーを使っているとのことでした。さらに驚いたことに、こちらの人はプログラマーでもエンジニアでもなかった。パソコンは独学で習得したとのことでした。
神田大介 @kanda_daisuke
2人が「晒し」をし、やめるに至った理由については、記事に書いた通りです。ただ、1人は「本来、ウィニーへの流出は公的機関が監視して対処すべき問題。なのにやらないから私が報告していた」と話していました。
想定外の結果
神田大介 @kanda_daisuke
話を戻しましょう。私はこの件を、ウィニーによる恐喝の取材として始めました。しかし、そういう形での成就はしませんでした。なぜなら、この人はきちんと企業と商契約を交わしていたからです。
神田大介 @kanda_daisuke
流出した情報のごく一部を企業に提示し、「セキュリティ上の理由でこれ以上のことは契約を結んだ後でないとお見せできない」と持ちかけていた。5万~15万円ですから、企業にとってははした金といっていい額です。結果的に契約を結ぶ企業が大半を占めたようでした。
神田大介 @kanda_daisuke
交わされた「商契約」に絡む文書も見せてもらいました。私は弁護士でも司法書士でもありませんが、きちんとした書類に見えました。そういう事実はありませんが、仮に捜査当局が彼の立件を狙ったとしても、極めて困難だったでしょう。
神田大介 @kanda_daisuke
こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、語弊を承知であえて書きますと、ウィニー対策を手がけている正規の企業と、やっていることを外形的に見れば変わらないんです。ウィニー上をパトロールして流出した情報を見つけ、本人に伝え、相応の対策費を得る。「晒し」さえしていなければ、ですが。
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コメント

u1ρ @u1p 2012-01-26 10:03:22
朝日購読者でも、名古屋本社版地区でしかこの記事が読めないのは勿体ないわ。
u1ρ @u1p 2012-01-26 10:09:07
(パソコン使ってなければ)が抜けてました。
でゅらはん(転生したら猫だった件) @Dullahan 2012-01-26 22:21:50
『神田大介氏(朝日新聞記者 @kanda_daisuke )によるファイル交換ソフトにおける情報漏洩記事裏話』に関して、さらに呟きがありましたので追加しました。
神田大介 @kanda_daisuke 2012-01-26 22:46:02
u1pさん、この記事は東京本社版にも掲載されましたよ!(笑)
たこつぼ@なんかどうでもよくなった @takotsubo_2011 2012-01-27 08:32:39
お、ご本人降臨。今回のこの記事読みました(紙面で)。なかなか地味で一般人目線の切り口でよかったと思う。そして、このまとめも普通によかった。こういうのはいいね。
でゅらはん(転生したら猫だった件) @Dullahan 2012-01-27 20:00:04
2日目の質疑応答からの抜粋を追加しました。
kill somebody @kill_somebody 2012-01-29 08:12:37
悲しい人達は悲しい事をするしか無いという悲しい話だ
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