今日こそはHCベイリーの話をします。僕ってば、どんだけベイリーが好きなんかよっ! てな話>>「翻訳道楽」をセット(http://t.co/5uQDDHgz)
2012-01-26 13:11:03そもそも「翻訳道楽」を始めたのは、「もっとベイリーを日本語で読めるようにしなきゃいかん!」と思ったのがきっかけでした(これホント)>>「翻訳道楽」セット(http://t.co/5uQDDHgz)
2012-01-26 13:16:01だから、正式開始前にごく一部の一人にお配りしたパイロット版の「翻訳道楽は」ベイリーの「家具付きコテージ(The Furnished Cottage)」だったのであります>>「翻訳道楽」セット(http://t.co/5uQDDHgz)
2012-01-26 13:18:21ベイリーって、「巨匠」の一人とみなされていたらしいってことはよく聞かされますが、皆さんピンとこないですよね? そもそも昔は翻訳がほとんどなかった。かつてのバークリーやセイヤーズよりも冷遇されてました
2012-01-26 13:21:20創元さんから「フォーチュン氏の事件簿」が出るまでは、アンソロジーや雑誌にバラバラに訳された短編を集めても、5、6篇くらいしかなかったんですからねぇ……
2012-01-26 13:26:48だもんで、この僕自身創元文庫の「フォーチュン氏の事件簿」が出たときには、「へ? フォーチュン氏って誰?」と思ったという(汗
2012-01-26 13:28:14クリスティの「おしどり探偵」でもフォーチュン氏のパロディをやってるんだけど、これを呼んだ日本人のほぼ99%は、「へ? フォーチュン氏って誰?」って思ったと思いますね
2012-01-26 13:31:11ま、ともあれ、僕が高校生くらいの頃、満を持して「フォーチュン氏の事件簿」が出た。ホームズのライバルシリーズは大好きだったので、さっそく買ってきて読みましたよ。で、その感想はというと………「ふーーん」という感じ(汗
2012-01-26 13:33:20「ふーーん」ってなんだよ、その気のない感想はっ! って今の僕なら怒りそうなんですが、当時の正直な感想は「可もなく不可もなし」だったんですよね。「ま、こんなもんかなぁーー」とか思ったわけです。で、しばらく時間がたつ……
2012-01-26 13:36:46あの乱歩編の「世界短編傑作集5」に収録されている「黄色いなめくじ」を初めて読んだのは小学生くらいだったんで、その時には面白いと思わなかったのはしょうがない。でも20歳を過ぎてから読んだら面白い。つうか、「これは傑作じゃん!」と思いました。
2012-01-26 13:39:16で、「ベイリー面白いかも」と思い、ミステリマガジンに掲載されてた「ギリシア悲劇」。これも面白かった。で「フォーチュン氏の事件簿」を読み返した。今度は面白い。ホントに、収録されている7本全部いいけど、中でも「小さな家」「ゾディアックス」「小指」「聖なる泉」はてっても肌にあった
2012-01-26 13:42:51アンソロジーや雑誌のバックナンバーをひっくり返して、ベイリー短編をまとめ読みしました。みんな例外なく面白く感じた。ただ、ここで大きな壁。さっきも書きましたが、ベイリー短編って「フォーチュン氏の事件簿」を別にすると5、6篇くらしか翻訳されなかったんですもの(泣
2012-01-26 13:46:52原書で読めばいいじゃん、というのは正論なんだけどぉ……そのころの僕には原書の壁は厚かった(読解力的に)。それに、もっと重要なことには、ベイリーの本って、原書でもほぼ入手不可でしたね、当時は
2012-01-26 13:48:58だから、「どうせ、翻訳されてないのは凡作ばっかりなのさっ」と納得して、あきらめてたわけですな。そうしてかれこれ20年くらいすぎるわけだ。
2012-01-26 13:50:39大きく状況が変わったのはインターネットのおかげです。原書、特に古書の入手が馬鹿みたいに簡単になった。一方、20年の間にEQMMの本国版なども主に神田の古書店などで(ええ、今は無きあの店ですよ)などで買い集めておりまして、ちまちまと読解力は身に付いていた
2012-01-26 13:53:18ネットの古書検索(僕は主にABEと紀伊国屋BOOKWEB)を併用してます)を利用したら、ベイリーのフォーチュン氏ものの短編集12冊が、がっかりするほどあっさりとそろってしまった(ま、値段はそこそこですけど)
2012-01-26 13:55:16で、クイーンが「クイーンの定員」に「フォーチュン氏を呼べ」を選んだとき付記的に「ベイリーは後になるほど良くなっていって「Mr. Fortune Objects」がベスト」みたいなことを言ってますよね。
2012-01-26 14:00:40で、最初に読んだのが「Mr. Fortune Objects」。「黄色いナメクジ」入ってますからね。それに「小指」「豪華な晩餐」ですから。密度は濃いです。でとっても満足して、次々と読破。そしてあれにぶつかるのですよ。あれ……
2012-01-26 14:07:19「Mr. Fortune's Trials」に収録の「The Furnished Cottage」です。これ、すんごいショックだったんです。もう、面白くってね。読み終わったあと「うわぁ、うわぁ」とかホントに声に出していたんじゃないかな(汗
2012-01-26 14:09:22思うに、「家具付きコテージ」にやられたのは、それがとっても僕の肌にあったからだと思います。全ての人にこの作品がヒットするわけではないように思う。
2012-01-26 14:11:18でも、僕にとっては「家具付きコテージ」が大ヒットでして、このときに間違いなく僕の中に「ベイリー回路」が出来たんだと思うのです。 ん、「ベイリー回路」ってなんだ??………
2012-01-26 14:13:24アル中みたいな依存症っていうのは、強烈な快感を得る体験をすると同類の快感に過剰に感じてしまう快感回路ができるから……てなことをどっかで読みました(いいかげんな知識でごめんなさい)
2012-01-26 14:15:51ベイリーの作品に感じてしまう回路、それが「ベイリー回路」のわけですね。この「ベイリー回路」ができるきっかけになる作品は人それぞれで違うのだと思います。
2012-01-26 14:16:57でも、一度「ベイリー回路」が出来てしまうと、ベイリーの作品はどれも面白く感じられるようになってしまう。いや、ホント。今の僕にはベイリー作品は最低でも佳作、5割以上が傑作なんですよ(マジ)
2012-01-26 14:19:05