10周年のSPコンテンツ!

アロカCAN-OSP-NAIの場合、検出限界を改善する余地が残されている

4月見込みの新規制値を視野に入れた場合,多くの施設でNaIシンチの検査水準の引き上げが必要になってくるといえます。 Twitter上で、power8さんがアロカCAN-OSP-NAIで検出限界を下げる方法を説明してくれました。 測定時間延長ではなく、V-11容器をマリネリ等の別容器に変更して測定する方法です。 続きを読む
科学 セシウム 放射線測定 食品 放射線計測
12
power8 @power8
NHKのニュースなどでも話題になっているように4月見込みの新規制値を視野に入れた場合,多くの施設でNaIシンチの検査水準の引き上げが必要になってくるといえます.これに関してすこし書いておこうと思います.
power8 @power8
スクリーニングという視点でいえば,すでに公開されている文書にあるように,NaIシンチで信頼できる数値と判断するにはかなりの難しさが残ります.http://t.co/frjxaczr
power8 @power8
そうした点はここではおいておくとして,新規制値の100Bq/kgを視野に入れた場合,最低限必要になってくるのは,すでに所有している機械の検出限界値をより引き下げないといけないということです.
power8 @power8
ゲルマニウムを所有している施設ならこの悩みはないのだけれども,NaIシンチでこれを実現させようとするのはなかなか難しい
power8 @power8
検出限界を引き下げたい場合,もっとも手軽で効果があるといえるのは,サンプル量を増やすという方法が挙げられると思います.しかし,たいていのNaIシンチの場合,測定に使用する容器は固定であって,異なる容器を使用すると測定値自体の信頼性が失われてしまいます.
power8 @power8
測定時間延長によって検出限界を引き下げる方法もとれます.いま仮に新規制値の1/5を検出限界の達成目標とすると20Bq/kgを目指すことになるわけですが,アロカ社のCAN-OSP-NAI(2inch温度補償なし)の場合,指定のV-11容器で玄米を測定すると,18分は必要となります.
power8 @power8
測定時間を延ばせば,NaIシンチはある程度までは,検出限界を下げられますが,それにも限度があります.Ge器に比べ,分解能も劣りますので,のばせばのばしたなりに自然放射線の影響をうけ,なかなか面倒が増えてきます
power8 @power8
容器を変更したいがシステム上変更が難しい,測定時間を延ばしたいがサンプル数が増やせなくなる…,今後あちこちで新規制値に対応するため手持ちの測定器のスペックが課題になっていくことは確かのようです.先のニュースはそうした課題を指しています.http://t.co/mGr5FS9d
power8 @power8
ニュースに出ている機体はウチの施設にあるのと同じアロカ社が販売しているCAN-OSP-NAI.メーカー公称,検出限界は10分間測定で玄米の場合30Bq/kg.今後もっと下を見たくなってくると思います.
power8 @power8
幸いにして,このCAN-OSP-NAIの場合,まだ検出限界を改善する余地が残されています.これまで私たちの施設でおこなってきた手法を書いておきますので,興味のある方は参考にしてみてください.
power8 @power8
CAN-OSP-NAIはアロカ社が販売していますが,元を正せばキャンベラ社のOEM品です.なので,基本的なスペックはキャンベラ社のFoodScreen(™) Radiological Food Screening Systemと同等です.http://t.co/b940m2Lp
power8 @power8
このカタログにあるように,この機体は実のところ,V-11容器だけではなく,もっとさまざまな容器,サンプル重量に対応できるフレキシブルな設計(ハード&ソフト)で構成されています.たとえば1Lマリネリ容器も本来は使える設計で,ミルク,水は4分間で20Bq/kgまでとあります.
power8 @power8
補足:この検出限界はおそらくCurrieMDA法の値です.
power8 @power8
なぜ日本で販売されるモデルはV-11容器固定なのか,が気になってくるわけですが,これは単純に利便性と容器の価格などを考慮した結果だと思います.
power8 @power8
実のところ,日本販売されるアロカ社製食品放射能測定システムCAN-OSP-NAIにも,V-11容器以外を使用して測定するためのソフトウェアがインストールされていて,海外のモデル同様,様々な容器,サンプルを用いたもっと柔軟な試験ができるようになっています.
power8 @power8
これまでテストしてきたところ,玄米の場合,1Lマリネリ容器10分の測定で12Bq/kg程度までは達成できることがわかっています.
power8 @power8
V-11容器以外の容器を使った測定を実現するには,Genie2000ソフトウェアを利用します.アロカ社さんのサポート外ですので,購入時説明はありませんが,ライセンスの都合,かならずパソコン内にインストールされているのでプログラムファイル内に見つかります.
power8 @power8
手法の概要はこうです.まず使いたい容器の形状を直径,高さ,肉厚などを正確にはかり,記録します.これをGenie2000ソフトウェアのGeometory Comporserでモデリングします.
power8 @power8
3Dモデルが完成したら,その中に詰めるサンプルのタイプと密度を設定していきます.仮に今,玄米を1Lマリネリ容器(だいたい900g程詰まる)で計ろうとした場合の例で進めていきます.
power8 @power8
メーカーによるとサンプルタイプは有機物の場合derlinを,土壌の場合はdirt1,水の場合はwaterを指定します.玄米は有機物なのでderlinを指定すればよいです.次に密度を指定します.1Lに900g程玄米米が詰まる例ですので,densityの欄に0.9を入力します.
power8 @power8
次にEfficiency Curveから,Plotを出力します(実行時自動保存).これをGamma Acquisition & AnalysisアプリケーションのCalibrateからLabSOCSによるEfficiencyで読み込みし,キャリブレーションファイルを作成します.
power8 @power8
作成には何かしらデータを読み込んでいないとできないので,読み込んでおきます.Gamma Acquisition & Analysisアプリは,CAN-OSP-NAIで採取されたデータをそのまま読み込みますから,CAMFILESフォルダから読み込んでおけばよいです.
power8 @power8
時間の都合,ちょっと省いて書きます.キャリブレーションファイルは考えられるサンプルごとにそれぞれ作成しておきます.たとえば有機物の密度0.1用,0.2用のようにです.
power8 @power8
作成したキャリブレーションファイルを使って定性と定量をおこなう方法についても簡単に書いておきます.まず,CAN-OSP-NAIで通常通り測定をします.それからそのデータをGamma Acquisition & Analysisアプリで読み込みます.
power8 @power8
読み込み後,EditからSample Infoを呼び出し,サンプル情報を書き直します.日本語に対応していないので,化けています.このままで進めると,定性と定量レポートのレイアウトが壊れるので,残念ですが書き直します.
残りを読む(7)

コメント

エビ @ebi_j9 2012年1月29日
色つけしました。
袋小路茶犬 @fukubrowndog 2012年1月30日
ソウカ、アロカもGENIEか!当たり前か、キャンベラだし。てことはGENIEを使い倒すのが早道か~…
nao @parasite2006 2012年1月30日
消費者庁の貸出し検査器,フィンランド製の「トライアスラー ベクレルファインダー」の仕様書を読み,マリネリビーカーを使っていることを知ってから,アロカのCAN-OSP-NAIも早くマリネリビーカーに対応しないものかとずっと思って来ました.早速当方のまとめhttp://bit.ly/s3qBJz でもご紹介させていただきましたので,よろしくお願いします.
エビ @ebi_j9 2012年1月30日
parasite2006さんのまとめを掲載しました。詳しくない方は、まずはこちらの使いこなし編からどうぞ。
nao @parasite2006 2012年3月10日
日立アロカメディカルがCAN-OSP-NAIを4月からの食品放射能基準値引き下げに対応させるため、技術担当者によるユーザー訪問を開始しています。この訪問後は1 Lマリネリビーカーでの測定が可能に。詳細は判明次第当方のまとめhttp://bit.ly/s3qBJz に追加していきますのでご覧下さいませ。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする