『読むための理論』の時代〜日本近代文学研究と文学理論の現在〜

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サイトウマサオ @samsa01d

自分が学部生時代に読んだのは『読むための理論』(世織書房1991)でしたが、こういう本もあったらうれしかったな、と今になって思うのは、真銅正宏氏『小説の方法 ポストモダン文学講義』(萌書房2007)です。「読む」のみならず「書く」側からも考えている点が特徴かと。#betagaku

2010-05-26 11:03:09
サイトウマサオ @samsa01d

@shimamura_teru 『読むための理論』、周辺では比較文学や英文学専攻の学生もよく読んでおりました。正直、自分は今もちょくちょく参照させていただいております。

2010-05-26 13:43:41
河野至恩 / Shion Kono @shionkono

@shimamura_teru @samsa01d 私は学部生・院生時代を海外で過ごしていましたが、日本の近代文学研究者に「理論」についてどう学んだかと聞くと『読むための理論』という答えが返ってくることが多いです。(誤字があったので再投)

2010-05-26 18:21:56
大澤聡 @sat_osawa

最近刊行された @yshibiさんたちの、西田谷洋・浜田秀・日高佳紀・日比嘉高『認知物語論キーワード』(和泉書院、2010年4月)は、あきらかに『読むための理論』が定着させた文学理論の地平をバージョンアップしようとした試みですよね。 @shionkono #betagaku

2010-05-29 18:17:40
大澤聡 @sat_osawa

(承前)『読むため…』が刊行された20年前には、理論の前線が最低限は共有可能である程度の広がりだったものの、いまやその前線の所在を特定すらできない環境にあるわけで。となると、今回『認知物語…』がそうしたように、個別の理論領域ごとに成果を提出していくほかない。 #betagaku

2010-05-29 18:39:43
大澤聡 @sat_osawa

(承前)そうした成果がいくつも集まり、理論体系を集合的に更新していくことが理想。1冊では無理。となると、第一ステップとして個別の理論領域を検討する研究会を増やしていく必要がある。とはいうものの、若手(?)による横の連携・連絡をまったく取れていないのが現状…。 #betagaku

2010-05-29 18:55:38
日比嘉高 @yshibi

拙著に言及どうも。たしかに見通し悪いですよね。そして前線の場所が見えない、ということは後衛もどこなんだかわからなくなっている、ということであったりします。 QT @sat_osawa: 『読むため…』が刊行された20年前には、理論の前線が… #betagaku

2010-05-29 21:29:50
島村 輝 @shimamura_teru

ぼくたちも『読むための理論』の改訂を考えなかったわけではないのですが、世代的にもう限界があることを自覚しています。次世代による、枠組み自体の批判を含む、集団的な乗り越えを期待しています。 RT @sat_osawa (承前)『読むため…』が・・・ #betagaku

2010-05-29 21:47:25
日比嘉高 @yshibi

後続世代としては、『読むため』がどういうタイミングで現れたのか、ってことが知りたかったりします。日文系では類書がないし、今から振り返ると、いちどきにあれだけの成果が現れたようにさえ見えてしまう。 QT @shimamura_teru: #betagaku

2010-05-29 22:05:59
大澤聡 @sat_osawa

(承前)状況を変えていくために、というよりも議論を先に進めるために、とくにわたしたちの世代が動かないといけませんね。一連のツイートのような考えを周囲に言い続けて、もうずいぶん時間がたってしまったように思います。いいかげん、がんばります。がんばりましょう。 #betagaku

2010-05-29 22:11:14
島村 輝 @shimamura_teru

今夜はすこし時間があるので、ご希望でしたら『読むための理論』執筆当時のことについて、ご質問にお答えしながら振り返ってもいいのですが、いかがですか? QT @yshibi #betagaku

2010-05-29 22:24:23
helpline @helpline

これは興味あります! 期待! RT @shimamura_teru: 今夜はすこし時間があるので、ご希望でしたら『読むための理論』執筆当時のことについて、ご質問にお答えしながら振り返ってもいいのですが、いかがですか? QT @yshibi

2010-05-29 22:25:49
島村 輝 @shimamura_teru

ぼくが大学院に進学して、現在学習院にいらっしゃる山本芳明さんから、非常勤でいらっしゃっていた前田愛先生を紹介され、一緒にお茶を飲み行ったのが81年春のことですから、それから『読むための理論』がまとまるまで丁度10年かかったことになります。 #betagaku

2010-05-29 22:29:49
日比嘉高 @yshibi

10年ですか!? あの本を出すときに意識した先行文献や乗り越えの目標はどんなものでしたか? QT @shimamura_teru: 今夜はすこし時間があるので、ご希望でしたら『読むための理論』執筆当時のことについて、 @yshibi #betagaku

2010-05-29 22:31:15
島村 輝 @shimamura_teru

日本では批評領域で亀井秀雄、前田愛、柄谷行人さんら。理論では丸山圭三郎、池上嘉彦、それに中村雄二郎さんとか。「乗り越える」というより、バラバラだがなんだか関連がありそうなものを、とにかく吸収して、使い勝手をよくすることを考えました。 #betagaku

2010-05-29 22:40:12
moisi @maoisi

島村輝(@shimamura_teru)先生が今ちょうど『読むための理論』刊行の事情について語っている!近代文学研究関係者はこぞって注視すべし。

2010-05-29 22:40:35
島村 輝 @shimamura_teru

前田愛さんの非常勤は一年で終わってしまったので、山本芳明さん、聖心の川津誠さんらとともに、前田先生にボランティアで来てもらって研究会をやり始めたのですが、そのとき前田先生は『都市空間のなかの文学』の最終段階にかかっていました。 #betagaku

2010-05-29 22:45:28
moisi @maoisi

『読むための理論』!なんと懐かしい書物であろうか。私たちは大学に入るやいなや先輩たちにこの本を渡され、「テクスト つうとのび太のあやとり合戦」から始まるこの書物を暗記するまで読み込んだものだ。

2010-05-29 22:45:48
日比嘉高 @yshibi

ナルホド。「読むための」としたから、多方面の理論を集めて、パッケージ化できたんですね。なにかに絞ったら、別の本になったでしょうね。研究会の最初から、ああいう本のコンセプトでしたか? QT @shimamura_teru: #betagaku

2010-05-29 22:46:14
島村 輝 @shimamura_teru

前田さんの導きで、内外の理論書の存在を認識し、とにかく乱読しまくりましたが、なんとなく「これは役に立ちそうだ」とは思ったものの、それぞれがバラバラに出て来ているし、なにしろ蓄積がないので、今のようには到底使いこなせるとは思わなかったのです。 #betagaku

2010-05-29 22:48:08
島村 輝 @shimamura_teru

熱心に読んでくださった方が多かったのですね。執筆者冥利につきますね。。。 #betagaku

2010-05-29 22:49:18
日比嘉高 @yshibi

TLのみなさん、好機なので聞きたいことはこの際島村さん@shimamura_teru に聞いた方がいいですぞー。 #betagaku

2010-05-29 22:51:37
島村 輝 @shimamura_teru

ぼくなんてまだ20代の半ばにもなっていない、修士課程ですからね。理論をまとめて本を出すなんて、考えてもいなかったです。で、その2年目に、北海道から小森さんが成城に就職してやってきて、その研究会に加わってきたのです。「浮雲」の論文は刺激的でした。 #betagaku

2010-05-29 22:51:55
島村 輝 @shimamura_teru

そのころの小森さんは、自前で「語りの構造」を分析していました。バフチンもまだ一般的ではなく、ジュネットも、シュタンツェルも、リクールも翻訳出版されていなかったので、小森さんも理論構築に苦労していたのでした。そういう中で出るものをとにかく読むしかなかったです。 #betagaku

2010-05-29 22:54:11
サイトウマサオ @samsa01d

@shimamura_teru 『読むため』の成り立ち、大変興味深いです。固唾をのんでツイート拝読しております!

2010-05-29 22:55:43
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