「水俣病と甘夏」のまとめ

キュウ @cliche_99

水俣病と甘夏①水俣病が「原因不明の奇病」として公式に確認されたのは1956年。その時すでに50人が発症し、11人が死亡していた。だが厚労省がチッソ工場の排水（メチル水銀）との因果関係を認めたのは12年後。補償金の支払いはさらに5年後の1973年だった。

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水俣病と甘夏②「魚が原因とは全く気づかなかった。だから漁師はずっと漁を続けて魚を食べていた。それが1959年頃、魚を食べた猫がキリキリ舞って涎をたらして死んだり、死んだ魚が海に浮いたりしはじめた。町がパニックになった」

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水俣病と甘夏③「魚を売って米を買ってたから、米も食べられない。戦後の食糧難を体験していたから、（急な斜面が多い水俣の）わずかな畑で育てたサツマイモや野菜で自給自足しながら、生きる道を必死にみんなで話し合った」

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水俣病と甘夏④当時、甘夏が注目の新品種として登場したばかりだった。海から陸に上がらざるをえなかった漁師たちは、慣れない出稼ぎで得た収入で甘夏の苗を買い、山の斜面を開墾して植え、実るまでの数年をしのいだ。

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水俣病と甘夏⑤「公害の被害者だった自分達が加害者になってはいけない」、そう話し合い、無農薬をめざして試行錯誤を重ねた。「水俣病患者家庭果樹同志会」の結成と同時に、生協と契約して、産地直売をはじめた。

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水俣病と甘夏⑥水俣では、漁師たちが海を奪われ、生活の糧を奪われ、いわれのない差別とも戦わなければならなかった。同じことが今、福島の多くの農家と漁師に起きている。「同じだな、と。なんで政府も新聞も、わかった時点で公表されんやったやろかね…」

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水俣病と甘夏⑦「人ごととは思えんです。でも、私たちが甘夏に救われたように、きっと何かあるはず。それを見つけてほしい。行政や事故補償が解決してからでは間に合わんとですよ。生きるため、食べるためには、自分で立ち上がってなんとかしていかんと。みんなで協力して頑張らんと」

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水俣病と甘夏⑧以上、父親を劇症型水俣病で亡くし、初めての子供が胎児性水俣病で産まれた女性の言葉（生活クラブ会報より）　【水俣の甘夏・生産者グループ『きばる』】http://t.co/HKEYCn3d　販売『ガイアみなまた』http://t.co/IxjcVSPh

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水俣病と甘夏⑨女性20才だった女性。結婚して初めての子供を授ったが3ヶ月たっても首がすわらない。病院に行くと「胎児性水俣病」と診断された。同じ頃、漁師だった父も劇症型水俣病を発症し、発症からわずか３ヶ月で他界した。

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水俣病と甘夏⑩「最初は指が痺れる程度だった。それがみるみるうちに食べることも飲むこともできなくなり、耳も聞こえず目も見えず、体の痛みで静かに寝ていることもできず、床をはいずりまわって壁にぶつかり…それはもう無惨な死に方でした」

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水俣病と甘夏⑪「いま思えば、自分でも当時のパニックは想像できんです。人生が180度変わりました」　当時まだ20才だった彼女。その夫も漁師だった。チッソの排水との因果関係が認められるまでの約20年、収入の道を閉ざされた漁師達は放置され、風土病、詐病などといわれのない差別をうけた。

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水俣病と甘夏⑫チッソは戦後の水俣を日本屈指の産業都市にした立役者でもあった。高度成長期のただ中で経済成長を優先させた日本政府も、水俣病の原因がチッソのメチル水銀だとなかなか認めようとしなかった。水俣病で人生を変えられたこの女性は、チッソの犯した罪への思いを今も変えようがない。

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水俣病と甘夏⑬「でも考えれば考えるほど、どこに矛先を向ければいいか分からなくなるとですよ。水俣病も福島原発事故も根っこは同じで、もしかしたら神様が、人間これからどう生きるか考えるべきじゃないか、その転機だと言ってるんじゃないかと思います。私たちは今、試されているような気がします」

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水俣の甘夏生産者の今①「私達にはいろいろな症状の人がいます。手や足がしびれる人、言葉が思った様に話せない人、心臓・肝臓・腎臓・脳などに病気を持っている人、疲れやすい人、肩こりや腰痛など体のあちこちが痛む人。それぞれに症状があって、病名があって、それぞれにつらいのです。

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甘夏生産者の今②会を作ってから２１年の間に、いろんな病気で死んでしまった人たちもいます。私の友達も23年間一緒に甘夏を出荷していましたが、先日亡くなりました。水俣病が大きな問題になったとき、自分よりもっと重病で死んでいった家族や親戚や近所の人達が大勢いました。

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甘夏生産者の今③ でも私にはどうしようもありませんでした。私に出来ることは、自分の病気を隠して、生き残った人たちが生活ができるように一生懸命手伝いをすることだけでした。当時から水俣の魚は売れなくなっていたので、漁師の仕事はあきらめました。

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甘夏生産者の今④ 水俣病だということは、けっして自慢できることでもなく、近所の人達の中には、今でも隠している人たちの方が多いくらいかも知れません。水俣病の話を近所の人たちとすることはあまりありません。

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甘夏生産者の今⑤ チッソのことは良く思っているはずもありませんが、近所や親戚、おまけに自分の息子までもが、チッソやその子会社や関連会社に働いていたり、そういう人達に世話になったり、友達だったりすれば、大声で悪口を言うことなんてできません。

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甘夏生産者の今⑥ あの時、知らん振りしたり、気持ち悪がったりした人達、せめて補償金をと訴えたときに「金の亡者め！」と馬鹿にした人達。そんな人達も、やっと今では、何事もなかったかのように身近に暮らしているのです。

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甘夏生産者の今⑦ 甘夏を40年育ててきましたが、いつしか甘いみかんでないと売れない世の中になりました。デコポンという甘いみかんを9年前から育てていて、4年前から出荷できるようになりました。この二つのみかんを守り育てていきたいと思っています。