えのき先生の純正律対位法

純正律対位法についてのえのき先生の考察
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えのき @enoki_fugue

純正律対位法というものがあって・・・、旋律も和声も完全5度は702セント、完全四度は498セント、オクターブは1200セントにならなくてはいけない、旋律線の長2度は204セントが好ましく、和声のバスとの長三度は386セントでないといけない、とかいう不思議な対位法。

2012-02-06 16:21:06
えのき @enoki_fugue

属七はバスと7音が969セントでなくてはいけない。属七の根音は終止音の702セント上で、この第七音は終止音の1671セント上ということになる。ところで、Ⅳの和音のバスは終止音の498セント上でなくてはいけない。これにオクターブの1200を足すと1698セント。

2012-02-06 16:25:02
えのき @enoki_fugue

この27セントのずれにより、Ⅳ→Ⅴ7の進行では、Ⅳの根音を掛留してはいけないことになる。・・・とかいう気持ち悪い対位法。

2012-02-06 16:26:32
えのき @enoki_fugue

Ⅱ→Ⅴ7の最適進行でハ長調だとファがⅡのときはバスとテノールにあって、Ⅴの時はアルトにあって、同じ音があるときは保留の原則があるのにそれに反するのが最適なのは、これが理由だったりします・・・。

2012-02-06 16:29:24
えのき @enoki_fugue

人間の耳に聞き取れるのは大体25セントくらいまで、といわれています。もちろん音域によっても違いますが・・・。ところで、27セントのずれっていうのは、ぎりぎり聞こえるか聞こえないかなんですね。聞こえるのが気持ち悪い場合は、ⅡとⅤの間にⅠ^2を入れて回避したりします。広義の対斜。

2012-02-06 16:32:06
えのき @enoki_fugue

別々になったときは25セントくらいまでしか聞き取れませんが、同時に鳴ったときは、1セントのずれすら気になります。聞いていただければわかるように、1199セントの八度や、700セントの五度は気持ち悪い。

2012-02-06 16:34:48
えのき @enoki_fugue

平均律は、長らくこの700セントの5度を解消できずに苦しんできた・・・、そこで、ピアノは、弦を三本張った。弦が2本だとどうしてもうまくいかないが、3本だと、波形が複雑になりすぎて、逆に耳が気持ち悪がらない。オーケストラでヴァイオリンがたくさんいるのと同じような現象が起きます。

2012-02-06 16:36:58
えのき @enoki_fugue

フーガで完全主題がもてはやされるのも、実はこの純正律対位法が密接に関わっていて・・・、連続五度禁とその例外も実は純正律対位法から導き出せたりして・・・、これはもうちょっと深く調べたい分野ですね。バロックスペクトル!

2012-02-06 16:41:31
えのき @enoki_fugue

同度0セント、短二度少ないほどよい、長二度204セントが理想、短三度どうでもいい、長三度386セントが理想、完全四度498セント、3全音どうでもいい、完全五度702セント、長短六度どうでもいい、短七度969セントor998セント、長七度1088セント、増減音程どうでもいい。

2012-02-06 16:50:40
えのき @enoki_fugue

全体的に平均率より低めに取られているので、歌うときにどんどんピッチが下がるのはこのせい。上がるときより下がるときのほうが純正律から外れても気にならないし・・・。

2012-02-06 16:52:56
えのき @enoki_fugue

ちなみに、純正短三和音は長三和音の周波数比6,5,4の逆数1/6,1/5,1/4を取れば作ることができます。倍音でいえば、10倍音、12倍音、15倍音。4,5,6より複雑なので調和して聞こえないためにピカルディー終止がもてはやされた。

2012-02-06 16:57:25