- frei88froh
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二重導音、旋法、空虚五度、・・・このように現在使われることの無い和声も、しっかりと体系化し、理論を作り出すことはもちろんできる。これだけ機能がありながら、機能的和声とは呼ばない。それもまた問題だ。
2012-02-05 23:40:48機能和声の中核は五度圏だけど、もう一つ、ドミナント、サブドミナント、トニックというものがあるが、実はドミナントって言葉は旋法ごとに違っていたものを、正格イオニア旋法では第5音をドミナントと呼んでいたからそれを現在のⅤにあてはめたにすぎないんだよね。
2012-02-05 23:59:33マタイ受難曲の第一曲でE→Cに通奏低音が上がっていくところがあるけど、Erde(地)から上がっていく、みたいな遊びがあって、Cはミの旋法(フリギア旋法)のドミナント(神の音)なんだよね。
2012-02-06 00:02:13まあ、そんなこんなで、機能和声には、3つの機能ということになったわけだ。サブドミナントは他のサブドミナントかドミナントへ進行し、ドミナントはトニックに進行し、トニックはどこにでもいける、と。
2012-02-06 00:03:56サブドミナント機能はⅣ、Ⅱ、Ⅵ、ドミナント機能はⅤ、トニック機能は、Ⅰ、Ⅲ、Ⅵが持つ。音階の中で、サブドミナントは全て第六音、ドミナントは第七音、トニックは第三音を持つということに注目。
2012-02-06 00:06:55各三つの機能の代表として、Ⅳ、Ⅴ、Ⅰ、となるわけだけど、この第三音が含まれていればその機能を持てると単純に考えられるのは興味深い。
2012-02-06 00:09:47ちなみにマタイ受難曲の調性と音の遊びはめちゃくちゃすごかったりする。ホ短調で始まるのは、ミの旋法が6つの旋法のなかで一番暗く悲痛だからだし、最終曲は正格フリギアのドミナントだし、イエスが神を疑う場面では、当時「有り得ないはずの」b-mollを使い、弦楽器の後光が消えている。
2012-02-06 00:16:08ユダの裏切りでは銀貨30枚にあわせてアリアが30個の音符の主題で始まり、「本当に神の子だったのだ」と歌う場面では自筆譜を見れば巨大な十字架が五線紙上に浮かび上がり、地震の場面では地震を表す通奏低音の音符の数が、旧約聖書の大地が震えるという章にピッタリ一致するという気合の入れよう。
2012-02-06 00:18:58