20120207 #BS1 「“原子力は地球の未来”は本当か?」

1992年、イギリスBBC制作のドキュメンタリー「A is for Atom」。アメリカ、ソビエト、イギリスなどの先進国や大手企業が進めてきた原子力技術開発に疑問を投げかけ、安全性がないがしろにされてきた実態に警鐘を鳴らす。 http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/120206.html
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ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「A is for Atom/“原子力は地球の未来”は本当か?」(BBC、1992年)1945年、第二次大戦後、原子爆弾を作った科学者は英雄となっていた。人々は桁外れのエネルギーを手に入れたと思った。オッペンハイマー「我は死神なり。世界の破壊者なり」

2012-02-07 00:04:39
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 科学者たち「原子力は世界の枠組みを変える力を持っていると気づいた」「これで新しい時代が切り開けると確信した」アメリカにおけるテクノクラシー=科学技術の専門知識をもった官僚たちが、新しい社会を提唱。科学者や技術者が権力をもち、知識が先頭に立って統制する。

2012-02-07 00:07:26
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 科学者たちは、世界の構造を理解しようとすればするほど、より複雑で理解不能と感じていた。しかし政治家にとって、世界を制御できるという概念はたまらなく魅力的。原子力はコストが安いだけでなく、よりよい世界を実現すると、科学者たちは信じていた。

2012-02-07 00:10:33
M_Dra2012 @M_Dra2012

@shbttsy74 原爆、それに続く原発の歴史で、科学者と政治家との持ちつ持たれつ、吸われ吸い取られ、依存、のっとり、搾取、悲劇的な共存の部分へフォーカスし、原子力の正体を見破っていくことが今大事。この2者間のミスコミュニケーションが誰も望まない世界の現実をつくりあげてしまった

2012-02-07 00:28:54
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 モスクワにおいても、原子力が共産主義を成功に導くと考えられていた。ソビエト、世界初の原子力発電所を建設したと発表。その後1956年10月、イギリスが商業用原子力発電所の運転開始記念式典。英国政府、1965年までに電力の半分を原子力で賄うと発表。

2012-02-07 00:12:46
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「アトムが街にやってくる」アメリカ原子力委員会のPR映画。原子力を利用した製品ならいいものだという内容。原子力に携わる科学者・技術者は英雄視されていた。原子炉で放射能をあてられた種からできたピーナッツ。あまりの大きさにびっくりするだろうと。

2012-02-07 00:14:35
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 プラウシェア計画。エドワード・テラー博士による計画。核爆発で地形を変えること。大西洋と太平洋をつなぐ運河の掘削など、他の方法だととてつもない費用がかかるものに。テラー博士「原子力へのヒステリーがおさまったら、いつか実現できると確信している」

2012-02-07 00:16:18
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 問題は、原子炉建設に費用がかかりすぎる。コストを減らすことを最優先で考えなければならなかった。必要な防護措置を講じることができず、大事故が起こる可能性があった。1957年、アメリカで原発の技術者が死亡。イギリスで放射能が牛乳に広まる事故。

2012-02-07 00:18:24
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 イギリスの事故調査の結果、コスト試算が改竄されていたことがわかった。1960年、労働用のPR映像は、原発を賛美する内容。科学者たちは、原子力に熱狂する政治家に後押しされていた。しかし安全にコントロールする方法は、わかっていなかった。

2012-02-07 00:19:47
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 ウェスティングハウスとゼネラル・エレクトリックは引き返せない。1961年、GE社が核プロジェクトを断固進めると宣言。両社は、巨大な原子炉を低価格で電力会社に提供、費用の一部を自己負担し、原子力は儲かるという風潮を作り始めた。電力会社はメーカーの主張を鵜呑み。

2012-02-07 00:21:41
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 核科学者たちは、原子炉の巨大化を懸念。何らかの理由で冷却水の供給が絶たれると、メルトダウンになる。地球の反対側まで届く事態を恐れていた。600〜1000メガワットの規模になると安全性は保証できない。しかしコストを安くしなければという圧力で巨大化していく。

2012-02-07 00:23:28
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 1964年、原子力委員会が、もし原発事故がおこったらどうなるか調査。極めて重大な被害が生じる危険があると結論。1965年、科学者たちはメーカー側に原子炉の安全性を高めるよう進言。ウェスティングハウス、小規模な原子炉の隣に巨大な原子炉を建てる申請。

2012-02-07 00:24:46
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 原子力委員会のシーボーグ委員長、原子炉の設計を改めなければ建設に同意できないと回答。メーカー側と会合をもち、問題を話しあう。しかし、自分たちのほうから原子力システムを変えるよう強く迫ることはなかったと述懐。我々に建設を阻止する権限はなかった、と。

2012-02-07 00:27:39
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 結局はメーカー側の思い通りに。ソビエトでは、原発構想は実現していなかった。低コストで原発を建設できない。60年代半ば、ブレジネフは原子力計画を再開。核の楽園の平和なイメージが、核の危険を覆い隠した。格納容器がないものもあった。大量の放射能が池に流された。

2012-02-07 00:29:42
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 PR映画「原発では作業員の安全が完全に保証されている」しかしブレジネフ政権下では、盗みや職務怠慢が常態化。原発の安全性を改善しようとするもうまくいかず、コルヤキンは告発に踏み切る。原発の安全性と各廃棄物処理の問題について。新聞で主張を「ウソの塊」と批判される。

2012-02-07 00:31:44
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 PR映画「原発はチョコレート工場と同じくらい危険のないものです」60年代に発注された原発が完成に近づく。科学者たちは、メルトダウンを未然に防ぐ装置が必要と考えるが、設置が不可能だった。法規によってポンプや弁の設置が義務付けられたが、メルトダウンを防ぐかは不明。

2012-02-07 00:33:18
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 1971年冬、アメリカの試験場で原発事故のシミュレーション。炉心を水で満たすことはできなかった。にも関わらず、安全性は十分と結論づけられた。不安はあったが、事故は起きないかもしれないと楽観視。それに、これまで一般市民に安全だと言ってきた手前、危険だと言えない。

2012-02-07 00:34:47
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 自分たちが間違っていたとは、どうしても認められなかった。アラバマ州の原発で、ロウソクの火が燃え移り、安全装置が遮断される事故が。ワイヤー同士がショートし、ほとんど使えなくなった。想定外。1979年、スリーマイル島原発事故。炉心露出、水素爆発。

2012-02-07 00:37:15
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 (事故当時の発電所内の録音)あと数時間で放射性物質が放出される。対策が思いつかない。ほとんど手探り状態で作業している。状況がつかめないまま決定を下している。制御室との通信が完全に途絶えた。想定したことのない事故だ…。

2012-02-07 00:38:55
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 企業も政府もパニック状態。この事故で、原発の安全性への一般市民の信頼が失われた。1979年だけでも20件の事故が起きている。ジェーン・フォンダらによる抗議運動。怒りの矛先は核物理学者へ。安全性に問題があることを意図的に隠していたから。

2012-02-07 00:40:44
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 「リスクがあることは認識していたが、許容範囲だと考えていた」「当時は、一般市民がどう思うかなど考えたこともなかった。原子量事業は秘密裏に始まったもの。非常に複雑だから一般市民が理解することはできない。そもそも民主主義社会でリスクのある技術を実現できるか?」

2012-02-07 00:42:15
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 チェルノブイリ原発事故における、現場の作業員の録音。「マニュアルに載っている手順のほとんどが傍線で消してあるが、どうすればいい?」「それは無視していい」

2012-02-07 00:43:47
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 チェルノブイリ原発で、炉心が原子炉の底を溶かし始める。多くの作業員たちが地下を掘り、液体窒素を入れていく。5日目、炉心の温度が下がり始める。副所長レガソフ、原発を擁護していたが、考えを変える。「次世代の技術者の中には、技術のことしか考えていない者もいた」

2012-02-07 00:46:37
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 1988年、レガソフ謎の自殺。「♪原子力 原子力 神によって授けられた力」かつて原子力が正しいものに違いないと思い込んでいたが、今は恐ろしさもわかっている。それでもまだそこにある技術を使わなければならないと考えている。しかしそれは真実ではない。

2012-02-07 00:48:59
ほんのこ @shbttsy74

#BS1 原子力について、科学者が進む道を決めるのでなく、ビジネスによって決められていた。だが、私達が進むべき道を決める基準は、科学でも技術でもなく「道徳」なのだ。

2012-02-07 00:50:12