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@vikingjpn
NHKスペシャルで「ここまで来た!うつ病治療」ってやってるんだけど、仮説の域を出ない話題のオンパレードで呆れる。誰だよこれ監修したの。しかもPascal-LeoneがdlPFCと言ってたところ、どう見てもvlPFCだし。
@vikingjpn
ってか、もしこれが事実ならPascal-Leoneは微妙に解剖学的用語を混同して(わざと)使ってることになる。どう見てもventralの部位をdorsalと偽って説明するということは、何がしかの仮説と実態との乖離があると判断せざるを得ない。
@vikingjpn
NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」、rTMSのうつ病への効果をずっと取り上げてる。確かにうつ病に効くという報告はある。けれども、まだ二重盲検で有意にrTMSがうつ病の治療効果があるという報告はなかったはず。このNスペ先走り過ぎじゃないのか?
@vikingjpn
まだ半分しか見てないけど、NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」には極めて胡散臭いものを感じる。残念ながら、制作スタッフの側の「新しい方法で必ずうつ病は治る!」という主観的な思い込みが色濃く番組内容に反映されている。現実には二重盲検を経た標準治療採用に至ったものはごく僅か。
【追記】この二重盲検試験については、後に訂正ツイートが出されましたので、下記にてリスト追加しています。(2012.2.14 @YOW_)
@vikingjpn
今度はうつ病をdementia(認知症:かつては痴呆と呼称)と診断された人が、NIRSでdementiaではなくうつ病と確定診断を受けるための検査を受けたとかいうお話。。。あのさぁ、NIRSが疾患診断の標準選択になったなんて話まだどこにもないんだけど?まだまだ研究途上ですよ?
@vikingjpn
うつ病治療が確立されることを望む患者の方々が世の中に多いことは、神経科学者の端くれとしてよく理解している。けれども、現代の神経科学にとって(特にヒトでは)うつ病の発症機序も原因物質も責任部位(脳内)も研究途上であり、大々的に「これだ!」とNHKで喧伝できる状況ではないはず。
@vikingjpn
Nスペ「うつ病治療」の件。TMSが脳活動を増強するか抑制するかについても議論はまだあるし、NIRS知見の信頼性・再現性についてはそもそも確定できるレベルとは言い難いし、臨床応用に耐えられるかというとジョークのレベル。そういう未確定の話だらけで「ここまで来た!」なんて笑わせるな。
@vikingjpn
@t_ton2 実は嫁さんと今その話をしてました。死後脳献体が広く普及してpostmortem analysisが飛躍的に発展すれば、特に精神疾患の機序解明と治療法の追究は一気に加速すると(僕は)信じております。
@vikingjpn
Nスペのうつ病特集を受けて〆に書いておくと、1)TMSは魔法の杖ではない:二重盲検をクリアしたものはまだ一つもないはず。2)NIRSを受けるくらいならfMRIを受けよ:NIRSは測定手法としての問題がまだ多い。3)それでも薬物治療に期待せよ:マウス研究の方がまだ可能性がある。
@vikingjpn
ってか、最近のNスペの「最新○○」の類は先走り過ぎてニセ科学寸前(どころかド真ん中)っていうものが多過ぎる。未確定の学説をそれっぽくずらずらと並べて、かっこいいCGと大げさな演技をするタレントを合わせれば一般視聴者には「真実」に見えてしまう。現実はそんな簡単じゃないのだ。
@vikingjpn
もっと言ってしまうと、TMSでもNIRSでも何でも、本当にうつ病に効くならとっくの昔に全世界に普及して、からうつ病に何年も悩まされ続けてるという気の毒な人はこの地上から一掃されているはず。残念ながら現実はそうではない。
@vikingjpn
精神疾患診断という点では、NIRSよりも信頼性が高いと業界内では目されているfMRIですら未だに保険適用に至ってない。TMSでうつ病を治すというけど、勿論保険適用外。それどころかもしかしたら治験レベルかもしれない。どれも保険適用に至るほどのエビデンスがないのだ。
@vikingjpn
全世界の専門家が一堂に会するSFN(北米神経科学大会)でも、「うつ病」と言ったら超人気セッションだ。山のような口演とポスター発表が打たれ、盛んに議論がなされる。でも、保険適用になったという話はごく僅かだ(一部の分子生物学的手法によるものばかり)。うつ病治療の進捗はその程度。
@vikingjpn
ということで、今夜のNスペを見たうつ病患者の方々&そのご家族の方々に僭越ながら申し上げたい。全世界のうつ病治療研究に関わる神経科学者は、誰もが日夜「本当にうつ病を治せる」方法を突きとめるべく頑張っています。ただ、本当に「効く」方法を突き止めるまで、今少しお時間を下さい、と。
@vikingjpn
今度こそ最後にもう一つだけ。何だかんだでうつ病研究はマウス(遺伝子改変)研究による分子生物学的アプローチが主流で、実際に新薬開発もそちらが大半。ただ、うつ病モデルマウスに依存する現状に限界があるのも事実。ヒト献脳による病理学的アプローチと併せて、突破口が開かれることを期待したい。
@vikingjpn
悪いけど、NIRSに期待するのは間違い。まだfMRIでやった方が信頼できる(測定原理と測定量の時定数は両者で大差ないけど空間分解能は後者が圧倒的に勝る)。NIRSでなきゃできないというケースはごく少数。rTMSも微妙。脳機能介入研究には使えると思うけど、臨床応用はまだ怪しい印象。
@vikingjpn
@crimson_fox 「魔法の杖ではない」ということですね。ただ、神経科学者の多くが治療法確立のために日夜努力しているのは事実ですし、治験の募集があれば是非応じて参加していただければと思います。
@vikingjpn
神経科学業界的には、やっぱりロボトミーのトラウマが拭えない。「前頭葉切除・脳梁切除であらゆる神経疾患が治る!」と喧伝されてみんなで切りまくった挙句、後に残ったのは夥しい数の後遺症患者たちと「あれは嘘っぱちでした」という残酷な宣告。挙句の果てに殺人事件まで起きた。
@vikingjpn
@ts_pawn だからまぁ、「治験ですよ」って言うのならわかるかな。「もう始まってます」は言い過ぎ。
@vikingjpn
@lalasakura2008 従来精神科で行われてきたようなオンデマンドな治療法が功を奏する部分もあれば、純粋に現代のpsychiatryで診断がついて投薬治療で改善する部分もあります。発展途上であることは否めないでしょう。
@vikingjpn
@myo_E その代わり、副作用はなくても(本当なら)効果の期待できる治療法の開発は進んでいます。治験の募集などがあれば是非ご協力して頂ければ幸いです。
@vikingjpn
ここから先は(僕は臨床研究者ではないし伝聞なので)話半分に。かつて難治性うつ病の治療というと電気けいれん療法が適用だった。ただ、あれは記憶喪失だの何だの副作用が多くて好まれず、その代替手法としてrTMSに白羽の矢が立ったというのは多分事実だと思う。
@vikingjpn
ただ、電気けいれん療法は満遍なく電気を流すので副作用も大きいが「確実に効く」と言われていたらしい。一方rTMSは副作用は少ないが当てる場所次第では効かない可能性が疑われる(責任病巣を外せば効かないはず)。なので、責任病巣を正確に同定できる手法が別に必要になると考えられる。
@vikingjpn
で、厄介なのがその「rTMSを当てるべき責任病巣の同定」が意外と難しかったということ。この話は10年前から国際会議で見てるけど、未だにあまり進展がない。正直みんな色々苦心してるんだと思う。
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コメント

@YOW_ 2012年2月13日
タイトルから@を消す変更をしました。
@YOW_ 2012年2月14日
二重盲検試験について @osake_kushami さんのツイートと @vikingjpn さんの訂正ツイートがありましたので,追加しました。
なほ @shocolasho 2012年2月15日
RT @vikingjpn: 何にせよ精神疾患とか高次神経機能障害って本当に臨床としては難しいと思う。恐らくだけど、主治医の創意工夫で何とか改善させているというケースが大半なんじゃないだろうか。脳という器官が個人差の塊である以上、治療に個人差があることは否めない。主治医の「寄り添う」姿勢が肝要かと。
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