中川恵一から学ぼうー医師・高岡滋氏によるレトリック解説

水俣病治療・裁判に携わっている医師の高岡滋氏が、中川恵一の展開するレトリックを解説。 自分の論理の根拠を蓄積・検討するだけでなく、相手の主張や論理を学ぶことも大事、とのことです。
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高岡 滋 @st7q

①最近、東大放射線科の中川恵一が書いた本に、水俣病を意識して、多くの人が内部被曝を怖がる伏線が水俣病にあると記述しているので、びっくりした。水俣病が専門の私でも、臓器特異性の異なる内部被曝とメチル水銀を重ねて考えたことはない。もともとありもしない「伏線」を勝手に敷くわけは?

2012-02-12 17:54:38
高岡 滋 @st7q

②放射性物質は重金属と異なり、体外に排泄されるから大丈夫(間違い)と中川氏は言うのだが、メチル水銀も体外に排泄され、脳以外の生物学的半減期はセシウムがやや長い。脳内残存水銀の多くは無機化されるが、神経系への影響は残る。この点は、中川氏の思惑とは異なり、放射性物質に似ているな。

2012-02-12 17:55:21
高岡 滋 @st7q

③中川氏の本は、このような「ためにする議論」が結構多い。相手が言ってもいないことを言ったことにして批判し自分を正当化する。そして、部分的に加害企業のことや行政施策を批判してみたり、原爆を忘れてはならないと書いてみたり、彼の使うレトリックの種類は勉強になった。

2012-02-12 17:56:27
高岡 滋 @st7q

④これは、こういう方々の特徴であるが、中川恵一氏は、自分への保険のために、ところどころで、被曝は少ないほうがよい、などと主張する。そして全体を「心配しすぎるな」という論調で貫き、リスクの判断材料は「正しい知識」という。しかし、その正しい知識は、この本のどこを読んでも得られない。

2012-02-12 17:56:50
高岡 滋 @st7q

⑤得られるわけはない。医師でさえ意見が分かれるのに、素人に「正しい知識」という言い方をすること自体おかしい。こういうときの「正しい知識」とは、放射線の危険性については、両方の意見があるということをきちんと伝えること。これを、インフォームド・コンセントと言う。

2012-02-12 17:57:09
高岡 滋 @st7q

⑥裁判の証人をして感じたことは、自分自身の医学的根拠をきちんと蓄積・検討するだけでなく、自分に反論する側の主張や論理をしっかりとつかむことが重要。そういう意味では、中川恵一氏やそのお仲間の主張はしっかり把握しておくとよい。ツッコミどころ満載。予習にもなる。

2012-02-12 18:00:38
高岡 滋 @st7q

面白かったです。水俣病でも東大関係で似たような方がおられました。素人でもわかる論理的矛盾を気にされなかったりします。偉すぎるのかな?RT @anmintei 中川恵一氏の「東大話法」について考察しています。 http://t.co/lwT4dSsm @st7q そういう意味では…

2012-02-12 20:22:27