茂木健一郎さん連続ツイート第504回【テレビの未来(もしそれがあるとするならば)」】

茂木健一郎(@kenichiromogi)さん連続ツイート
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」第504回をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、昨日佐藤可士和さんとお話したことに触発されて。

2012-02-14 07:18:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(1)佐藤可士和さんとお話したら、『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演されたことが変化のきっかけとなったと。世界的に注目されるユニクロとのコラボも、そこから始まったと。http://t.co/qBxbHSmd それを聞いて、本当にうれしかった。

2012-02-14 07:21:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(2)『プロフェッショナル 仕事の流儀』は、凄まじいまでの情熱と手間をかけてつくられている番組で、2010年春までかかわることができたのは幸せなことだった。りんごの木村秋則さんの回(http://t.co/sBiOaR2B)、本当に今でも忘れがたい。

2012-02-14 07:22:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(3)今年は、インターネットとテレビの融合が本格的に始まる年。アップルやグーグルが、間違いなくウェブと連動したテレビを出してくる。そんな中、テレビのあり方も変わってくるだろう。特に、番組の製作の仕方や内容が、従来とは異なるものに「進化」していくと私は考える。

2012-02-14 07:24:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(4)地上波テレビが危機を迎えていることは事実である。一切見ない、という人も周囲で増えてきたし、ネットで十分、という人もいる。テレビ関係者は、相変わらず各局の相対的視聴率の優位を気にしがちだが、テレビの本当の、そして最大のライバルはインターネットである。

2012-02-14 07:26:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(5)最大のライバルのネットの特質をよく考えれば、テレビの未来(もしそれがあるならば)が見えてくる。地上波テレビは、刹那的でありすぎた。製作者はいつも忙しく、オンエアするとすぐに次の番組にかかる。よく言えば後を振り返らずに潔いが、別の言い方をすれば場当たり主義である。

2012-02-14 07:27:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(6)しばしば批判される「金太郎飴」的なタレントの多用や、CMまたぎなどの手法も、瞬間最大風速的な視聴率をねらっていくからで、結果として出来上がるものは、5年後、10年後に視聴されるには耐えられない質のものになっている。いわゆる、テレビの「劣化」である。

2012-02-14 07:28:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(6)インターネット上の淘汰圧は、少し違う。youtubeが典型だが、きちんとした内容のものをつくれば、それが次第に広がっていって、やがてたくさんの人に見てもらえる。「CMまたぎ」などの刹那的な手法は通用しない。淘汰に耐える内容の番組がないから、地上波離れが起こる。

2012-02-14 07:30:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(7)今の地上波テレビの病理は、瞬間的な視聴率を最大化しようとするあまり、長期にわたる観賞に耐える内容のものを作れていない点にある。タレントの内輪話などその典型である。しかし、テレビとネットの融合が始まることで、番組の質は必ず向上する方向に淘汰圧が加わるだろう。

2012-02-14 07:32:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(8)かつて自分が関わっていたから言うわけではないが、『プロフェッショナル 仕事の流儀』@nhk_proff は、長い間にわたって繰り返し視聴するに耐える内容のものになっている。テレビ関係者は、次第に、長期の内容淘汰圧を考慮して、番組つくりをするようになっていくのではないか。

2012-02-14 07:33:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

てみ(9)テレビに未来なんかない、という人もいる。もう興味がない、という人も多い。しかし、ネットが提供するテレビの進化の可能性は、必ず良い方向へと働くはずだ。刹那主義との決別。「視聴率」ではなく、「累積視聴数」が番組評価の基準になった時、テレビ番組の印象は一変していることだろう。

2012-02-14 07:35:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第504回、「テレビの未来(もしそれがあるとするならば)」でした。

2012-02-14 07:36:10