モンテーニュ『エセー(一)』抜粋集

モンテーニュ『エセー(一)』原二郎訳(岩波文庫)の抜粋集です。 私的まとめです。
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KK @kjokjo1930

「読者よ、このように私自身が私の書物の題材なのだ。あなたが、こんなにつまらぬ、むなしい主題のためにあなたの時間を費やすのは道理に合わぬことだ。ではご機嫌よう。」(モンテーニュ『エセー』原二郎訳 岩波文庫)

2011-10-21 23:43:58
KK @kjokjo1930

「味わったり、消化したりできる情熱はすべて平凡なものでしかない」(モンテーニュ)

2011-10-21 23:55:30
KK @kjokjo1930

「何かの個人的な恩義を受けたことのために、誉める値打のない帝王の思い出に不当に味方する者は、個人の義理のために公の正義を損うものである」(モンテーニュ)

2011-10-22 00:18:26
KK @kjokjo1930

「私は民主制がもっとも自然でもっとも公正だと思うにもかかわらず、アテナイの市民のあの非人道的な不正を思い出すと、あらゆる民主制に対し、許しがたい憎悪をいだきそうになる」(モンテーニュ)

2011-10-22 00:27:47
KK @kjokjo1930

「揺れ動いた心も何かつかまるものを与えられないと自分の中で踏み迷う。だから、心はいつもぶつかって働きかける対象を与えられなければならない。」(モンテーニュ)

2011-10-22 00:31:05
KK @kjokjo1930

「精神は何か自分を束縛するものに没頭させられないと、あっちこっちと、茫漠たる想像の野原にだらしなく迷ってしまう。」(モンテーニュ)

2011-10-24 12:54:08
KK @kjokjo1930

「確固たる目的をもたない精神は自分を失う。なぜなら、よく言われるように、どこにでもいるということはどこにもいないということだから。」(モンテーニュ)

2011-10-24 12:56:28
KK @kjokjo1930

「実に、嘘は呪われた悪徳である。われわれはただ言葉だけによって、人間なのだし、また、たがいにつながっているのである。この嘘の恐ろしさと重大さを認めるならば、他のいろいろの罪悪以上に、これを火刑をもって追求して然るべきであろう。」(モンテーニュ)

2011-10-25 13:52:13
KK @kjokjo1930

「私は、あらかじめ骨折って考えておくことに堪えられない性質の人があるのを経験で知っている。こういう性質の人はのびのびと自由にさせておかないとろくなものができない。」(モンテーニュ)

2011-10-25 15:27:44
KK @kjokjo1930

「われわれはある作品を評して、油と灯心の匂いがする、というが、それは、大部分が努力だけでできた作品の中には、何かしら生硬でぎすぎすした調子が刻み込まれているからである。」(モンテーニュ)

2011-10-25 15:29:51
KK @kjokjo1930

「だがそれだけでなく、うまい作品を作ろうと心をつかい、その企てのために緊張しすぎることが、その仕事を痛めつけ、破壊し、妨害する。」(モンテーニュ)

2011-10-25 15:37:07
KK @kjokjo1930

「私はこの目で次のことを見た。すなわち、乱世には人々は自己の運命の転変に驚いて、あらゆる種類の迷信に飛びつくように、不幸の原因と不吉な前兆を天にたずねようとするのである。」(モンテーニュ)

2011-10-25 22:49:37
KK @kjokjo1930

「精神が自由にできる何千というあり方の中から、われわれの安静と保全にふさわしい一つのあり方をそれに許してみよ。そうふればわれわれはあらゆる攻撃から守られるばかりでなく、その気になれば、攻撃や不幸からも恩恵を受け、満足を得ることさえできるのである」(モンテーニュ)

2011-10-25 23:34:57
KK @kjokjo1930

「われわれは苦痛に抵抗し、強気に出なければならぬ。弱腰になってうしろへ退れば、われわれを脅かしている破滅を自ら招くことになる。」(モンテーニュ)

2011-10-25 23:38:49
KK @kjokjo1930

「執政官のカトーがスペインの二、三の都市を確保するために、そこの住民に武器を持つことを禁じただけで、たくさんの人間が自殺した。“勇猛な国民は武器がなければ生命がないも同然だと考えて”」(モンテーニュ)

2011-10-26 00:11:04
KK @kjokjo1930

「買値がダイヤモンドに価値をつけ、困難が徳に、苦痛が信仰に、苦さが薬に価値をつけるのである。」(モンテーニュ)

2011-10-26 00:14:24
KK @kjokjo1930

「エピクロスは、富むことは厄介をなくすことではなく、別の厄介と取り換えることだ、と言った。実際、吝嗇を生むのは貧困ではなくて、むしろ富裕である。」(モンテーニュ)

2011-10-26 00:24:28
KK @kjokjo1930

「私は、不安で、不如意で、いそがしい金持のほうがただの貧乏人よりも惨めであると思う。“富んでいて貧しいのはもっともつらい貧しさである。”」(モンテーニュ)

2011-10-26 00:35:09
KK @kjokjo1930

「各人はその考え次第で幸福にもなり、不幸にもなる。他人が見てそう思う人ではなく、自分でそう思う人が満足なのである。それでこそはじめて、そう思うことが本質と真実性をもって来るのである。」(モンテーニュ)

2011-10-26 00:41:02
KK @kjokjo1930

「運命はわれわれに幸福も不幸も与えない。ただその素材と種子を提供するだけだ。それを、それよりも強いわれわれの心が好きなように変えたり、用いたりする。われわれの心がそれを幸福にも不幸にもする唯一の原因であり、支配者なのである。」(モンテーニュ)

2011-10-26 00:44:22
KK @kjokjo1930

「勇気にも、他のいろいろな徳と同じように、限度があり、それを越えると、悪徳の路に踏み込むことになる。だからその限度をよくわきまえないと、(実際、すれすれのところでその限度を見きわめるのはむずかしい。)勇気から無謀と強情と無分別におちいることがある。」(モンテーニュ)

2011-10-26 09:50:34
KK @kjokjo1930

「他人の生涯を判断するとき、私は常に、その最後がどんなであったかを見る。また、私の生涯の努力の主たる目的も、最後がよくあること、つまり、平和で静かであるということだ。」(モンテーニュ)

2011-10-26 11:44:07
KK @kjokjo1930

「人間としてのイエス・キリストを例にとることは十分道理にも合い、敬虔にもかなっているが、そのキリストは三十三歳で生涯を終えた。ただの人間としてもっとも偉大だったアレクサンドロス大王もこの年で死んだ。死はわれれの不意を打つ幾通りの方法をもっているのだろうか。」(モンテーニュ)

2011-10-27 12:42:36
KK @kjokjo1930

「死は避けられないものである以上、いつ来ようとかまわないではないか。ある人がソクラテスに『三十人僭主があなたに死刑を宣告した』と言ったのに対して、彼は『そして自然は彼らに死刑を宣告した』と答えた。」(モンテーニュ)

2011-10-27 12:46:30
KK @kjokjo1930

「人生の有用さはその長さにあるのではなく使い方にある。長生きをしてもほとんど生きなかった者もある。この世にいる間はこのことを心にとめておけ。おまえたちが十分に生きたということは年数にではなく、おまえたちの意志にかかっている。」(モンテーニュ)

2011-10-27 13:01:28