資本論の日本語版翻訳問題
資本論に引用されたシェークスピアで、謎なのは、第1章第3節に出てくる「寡婦のクイックリー」。クイックリーは『ヘンリー4世』に出てくる飲み屋の女将だが、実は寡婦ではなく、亭主は生きている。なのに、なぜマルクスは「寡婦のクイックリーWirttib Hurtig」と書いたのだろうか?
2012-02-16 17:15:21@GAKU_IZ 手元の英訳本の注にDame Quickly:Thou art a just man in saying so: thou or any man knows where to have me , thou knave,thou !とありますが・・・
2012-02-16 17:58:23@haru5742 dameだと、寡婦ではなく、「クイックリー夫人」といったニュアンスですね。もちろん、この場合は、飲み屋の女亭主にむかってわざとたいそうな言い方をしているわけですが。そのdameをWittibとドイツ語にしたのが問題の始まりのようですね。ありがとうございました。
2012-02-16 18:09:52シェークスピアの英語は古英語なので、youがthouになったり areがartになったり、読みにくい。
2012-02-16 18:18:23大月版、新日本版の日本語訳ともこの種の間違いとまでの言えない訳語の理解に苦労しますね。これとは別に「前貸資本」についても実は…“@GAKU_IZ: @haru5742 dameだと、寡婦ではなく、「クイックリー夫人」といったニュアンスですね。
2012-02-16 18:22:02@haru5742 そういえば誰かが「前貸し」ではなくて「投下」とか「貸付」のことだと言ってましたねえ。詳しいことはすっかり忘れましたが。
2012-02-16 22:56:38しかし、「前貸」はvorschliessenで、これはvor-の接頭辞があるように「前払い」の意味。「貸付」はverleihenで、こちらはleihen「借りる」にたいして「貸す」の意味。ちょっと違うように思うので、日本語でも区別が必要だろう。
2012-02-16 23:06:41@GAKU_IZ ぼくの勉強不足かも知れないと思いながら、資本論の訳語にはこれまでも悪態をついてきました(-_-;)。前貸資本の原語vorgeschossnes kapitalもほとんど死語状態だと思うので、たぶんドイツでも解説つけないと今の人は理解できないのでは?
2012-02-18 11:56:35@haru5742 「機械の構成諸部分」という言葉が出てきて、何のことかと思ったら、機械の部品のことでした。(^_^;)
2012-02-18 12:11:36@haru5742 ご指摘の通り。実際、英語版から翻訳してみると、かなり平易な日本語訳を考えることができるでしょうね。エンゲルスは、資本論の翻訳に当たっては「勢い」が大事だと言っています。その点で、従来の邦訳はまだまだ工夫の余地ありと思います。
2012-02-18 12:35:09@GAKU_IZ さんの資本論訳を待望しています!資本論なら権利関係はほとんど問題ないからネットで少しづつ公開してもらったら面白いと思うのですが・・・。「勢い」の途切れない翻訳、お願いします!<(_ _)>
2012-02-18 12:48:02翻訳問題。1884年3月11日のラファルグへの手紙でエンゲルスは、「マルクスが実際に言った以上のことをマルクスに語らせる権利はない」「原文にもっと忠実に。マルクスは軽々しく扱うことの許される人物ではない」と。
2012-02-18 14:08:40翻訳問題。1884年4月11日のベルンシュタイン宛の手紙でエンゲルスは、「ヘーゲル式表現が難物であるなら、その箇所は空白にしておきたまえ。ドイツ語で正しい学派用語が用いられなければならない」と。これは『哲学の貧困』第2章の仏語→独語への翻訳について。
2012-02-18 14:12:57翻訳問題。1884年4月18日のラウラ宛の手紙で、エンゲルスは「表現の統一(この本全体を通じて同じ術語を用いること)」の重要性を指摘。キー・タームは統一しなければならないが、そうでない単語まで機械的に同じに訳す必要はない。
2012-02-18 14:48:31