The Economist 記事「年配者は若者に「職」を譲るな」に関する安藤先生とuncorrelated氏の議論

日経ビジネスオンラインに掲載されていたThe Economistの記事『年配者は若者に「職」を譲るな 働かない市民への支出は繁栄をもたらさない』に関する日大安藤准教授とuncorrelated氏の議論です。
経済
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安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(1) 日経ビジネスONLINEに掲載されたThe Economistの記事を読んだが,正直よく分からない。 http://t.co/3bnbHHfk ここでは高齢者が若者の職を奪うという考え方は,労働需要が一定であるという「労働者塊の誤謬」という間違った考え方だとされている。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(2) 確かに高齢者を雇用することで賃金が支払われると,彼らが消費するから新たな労働需要生まれるという指摘は正しい。しかし高齢者が一人雇われたら若者の仕事が一つなくなるという訳ではないとはいえ,仕事が一部失われるのは事実だろう。それではどのような仕事が若者から奪われるのだろうか。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(3) まず正規雇用のポストについては若者の雇用を阻害しないだろう。高齢者の継続雇用とは役割が異なるからだ。そもそも高齢者は,有用な人材であれば,これまでも再雇用などという形で継続雇用されていた。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(4) これは団塊の世代が退職を始めると技能の継承が失われる「2007年問題」が発生するため,継続雇用の必要性が主張されてきたことからも分かる。しかし希望者全員を継続雇用していたわけではない。加齢等により貢献できなくなってしまった労働者もいたからだ。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(5)それでは継続雇用が義務付けられたときに,これまでなら対象ではなかった高齢者を企業はどのように扱うのだろうか。65歳まで仕事を用意するとはいっても,仕事の内容は従前のものと変えて良いし,待遇は最低賃金でも良いことになるなら,競合するのは非正規の労働者になるだろう。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(6) もし労働塊の誤謬という考え方が完全に正しいなら,非正規の労働需要も失われないことになる。しかし,それがもし本当なら,高齢者の継続雇用に限定せず,企業に対して若者の雇用も強制すれば良い。なぜそれをしないのか。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(7) また記事では高齢者の雇用と若者の雇用が両立しているという観察事実が指摘されているが,だからといって民間に雇用を強制して良いことにはならない。雇用から需要の発生までには時差があるし,強制された雇用に見合う需要が各企業に均等にもたらされるとは限らないからだ。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(8) 記事では「この相関関係は、各国の経済が景気循環の異なるステージにあることを示しているだけだ」反論することもできよう」とあるが,まさにその通りの反論をしたい。不景気時のOECD諸国を見ているのだから問題ないとしているが果たして正しいか。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(9) OECD諸国は等しく不景気なわけではない。例えばギリシャはOECD加盟国だが,失業率は20.9%である。そして若年失業率は48%にものぼる。これを我が国と比較すれば大きな差があるのは間違いない。 http://t.co/TVEyevi8
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(10) 少子高齢社会の我が国では,これから労働力人口が減るため高齢者の活用が必要という意見もある面では正しい。しかしタイミングが大事だろう。いまは若年失業率が依然高止まりしている。今後それが下がりだすタイミングと合わせる形で導入すべきではないか。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(11) ただしその少し前から,人手不足を予想する企業は,強制されなくとも高齢者を自発的に雇うだろう。なお継続雇用制度は「年金支給開始年齢が65歳になる25年度までの12年間で段階的に導入」というところが鍵だ。若者の雇用を実質的に阻害しない範囲で導入するなら否定はしない。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
(12) 日経ビジネスアソシエ2月号にも書いたが,「十分な訓練を積んでいない労働者が多くいることは国民全体にとって大きな問題」と考えるなら,非正規雇用であったとしても若者の仕事を先に確保すべきである。(終)
uncorrelated @uncorrelated
@munetomoando 労働に見合った対価の賃金で高齢者が稼いで消費してくれたら、追加的な非正規雇用口こそ容易に増えそうですね。また、社会保障費の観点からも労働供給量の増加は、若者の負担削減になるはずです。
uncorrelated @uncorrelated
高い給料(>労働の限界生産物)の老人がジョブ・スロットに居続けると、企業は雇用者数を減らし、労働者の資本装備率をあげて、賃金と労働の限界生産物を一致させざるをえなくなる。賃金と生産性がつりあっているなら、老人の労働供給に本質的な問題は無い。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
@uncorrelated このようなコメントがuncorrelatedさんから来るかなと思っていたら,やはり来ていた(笑)とりあえずこちらをご覧下さい→ http://t.co/DrlsVcvL もちろん継続雇用の内容を誤解しているとか,大げさに言っている可能性はありますが。
uncorrelated @uncorrelated
@munetomoando 予想されていましたか(笑)拝見します。
uncorrelated @uncorrelated
@munetomoando 雇用の維持・安定に向けての施策で「時間外労働の削減・抑制」「年次有給休暇の取得促進」が上位二つだと悲しくなりますね。本来は関係ないはずなのにヽ(´д`)ノ
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
@uncorrelated 僕には,uncorrelatedさんが,様々なフリクションを考慮せずに直接的に経済理論を現実に適用しているように見えます。例えば東京都の最低賃金は837円ですね。高齢者の継続雇用が義務となると,貢献がそれ以下でも最低賃金は払わないといけません。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
@uncorrelated 関係あると思いますよ。例えば,これまで解雇が難しいことを前提として長期雇用で人を雇う場合には,景気が良ければ残業で対応し,不景気時に残業を切ることで仕事量の増減に対応してきたわけですし。
uncorrelated @uncorrelated
@munetomoando 残業代抑制で人員補充の必要が出ると言う事は、かなり慢性的に残業をしている職場なのではないでしょうか。有休は本来は理由なく取得すべき類のものだったはずですし。
uncorrelated @uncorrelated
@munetomoando 60~64歳の平均年収は450万円あって、この水準のまま雇用を続けるのは無理な職場が多いと思いますが、技能労働者の継続雇用で最低賃金以下の対価しか用意できないケースは稀な気はします。技能労働者として扱えれば、ですけどね。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
@uncorrelated その通りですね。慢性的に残業をしていて,景気が悪いときにちょうど8時間労働になるようにすることで,雇用は守る(ただし通常は長時間労働を我慢する)というのが日本型雇用保障だったわけです。p.153をご覧下さい。 http://t.co/JsDzygpR
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
@uncorrelated 「技能労働者として扱えれば」というところが鍵ですね。すでにやる気をなくしてしまった人や,技能はあっても,あまり一緒には働きたくないと周囲に思われてしまう人,そして懲戒解雇されるほどではなくても周りに悪影響を与えてしまう人なども実際にはいるわけです。
安藤至大 (あんどうむねとも) @munetomoando
予想通り @uncorrelated さんからコメントが来たので,ただいま誠実に?お答え中。
uncorrelated @uncorrelated
@munetomoando 労働人口の減少もあって若年労働者は減少しており、また熟練労働者の不足や、若年労働者への技能伝授の時間が少ないと言われているので、多くの高齢労働者の生産性はある程度は維持できるのではないでしょうか。全くの戦力外も存在するとは思いますが。
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