メグミとタイヨウ
- yukariyasan
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出所したタイヨウが訪れたある町で出会った青空中卒業生のメグミ。流れる穏やかな時の中で二人は歳の差を越えた愛情を育む…しかしタイヨウの素性が知られたとき、運命は二人を引き裂いて……
2012-02-21 21:09:58大人になって落ち着いた女性になったメグミと長年の刑務所暮らしで憑き物が落ちたタイヨーと。メグミのお屋敷の庭師的な立場で雇われたタイヨーで。
2012-02-21 21:26:01「タイヨウさんは麦わら帽子が似合いませんわね」「そうですか」「もっと笑ったらよろしいのに」「そうですね」「紅茶を淹れたので少し休憩なさっては」「すぐ終わりますので」「二時間前もそう言ってましたわ」「そうですか」
2012-02-21 21:29:02「ねえタイヨウさん。お見合いの話が来ていますの。一日でいいから、恋人のフリをしていただけませんこと?」「私では親子ですよ」「では、貴様のような若造に私のメグミはやれん、とお相手に言ってくださいな」「無茶言わないでください」
2012-02-21 21:36:58「ねえタイヨウさん、私はトリュフが最高のキノコだと思っていたのだけれど……………えのきって凄いんですのね。何かしらこの炊き込みご飯て!」
2012-02-21 22:27:05「ねえタイヨウさん、確かに私はかまくらを見てみたいと言いました。でも、ここは鎌倉ですわ。電車に乗ったあたりでおかしいなって思いましたけれど…ふふふ。そんなに謝らないでくださいな。せっかくなので楽しみましょう。……あ、初めて二人で旅行ですわね」
2012-02-21 22:31:03「ねえタイヨウさん、この花は何故まだ咲かないのかしら。枯れてしまっているの?せっかく一緒に植えた花でしたのに…。 え?春に咲く花じゃない? 夏? それならそうと早く言ってくださいませ…!」
2012-02-21 22:34:10「ねえタイヨウさん、あなたがこの庭に来てこの夏で何年になるかしら。もうすっかりあなた、おじいさんね。出会った時もそうだったけれど。ふふ。もう私も、若くはないわ。ねえタイヨーさん。少しでも長生きしてくださいね」
2012-02-21 22:38:31「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
2012-02-21 22:46:56「ねえタイヨウさん、今だから言うけれど。私があなたの事を気に入った最初の理由は……むかぁし、子供の頃に飼っていた犬にそっくりなお顔だったからなんですよ。…あら。そういう顔、初めて見ました。やっぱりあなたといると…楽しいですわ」
2012-02-21 22:42:51「ねえタイヨウさん。あの花、今年もきっと咲くと思うから、出来るだけでいいから、毎年お世話をしてくださいね。……ねえタイヨウさん、名前を、名前で、呼んで下さいな」
2012-02-21 22:45:38『あそこのでかいじいさん、長生きだよな』『な。俺の親父が生まれた時にはいたらしいよ』『じゃあ、もしかして俺と同類?』『お前と?』『メダロットなんじゃね?』『ねーよw』
2012-02-21 22:50:05「ただいま戻りましたわ。あら、今日はこちらの方を整えてくださってるのね。ご苦労様です。……あっ、あそこの花は一緒に植えるって約束したはずではありませんこと!?…植えてない?そ、それなら早く言って下さいませ。…そういえば、この花はなんというのでしょう?ねえ、――――」
2012-02-21 22:58:51