砂糖について

砂糖の歴史、植民地時代の三角貿易、近代から現代までの砂糖産業についてをまとめました。
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TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

砂糖について。古代には「砂糖」は存在しなかったそうだ。その代わりに砂糖きびを絞って発酵させたものがインドで飲用されていた。キリスト教会に支配されていた中世ヨーロッパでは、砂糖は薬として扱われ、11世紀の神学者トマス・アクイナスは砂糖を万能薬と認めた。砂糖は富と権威の象徴であった。

2012-02-21 07:34:39
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

コロンブスに砂糖きびの苗を持たせ大西洋航海に送りだしたスペインは、西インド諸島を植民地化した。1580年、国王を失ったポルトガルはスペイン国王によるスペインとの同君連合時代に突入。1600年、ポルトガル人経営の砂糖農園はユダヤ資本と結びつき発展、ブラジルは「砂糖の時代」を迎える。

2012-02-21 07:36:09
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

1629年には、ブラジルの砂糖生産は世界最高となり、1680年頃まで砂糖の供給を独占する。しかし、1640年にポルトガルとスペインの同君連合が崩壊後、オランダはマラッカを占領、「奴隷売買」を仲介し、自国に砂糖の精製所をつくり「砂糖貿易」「三角貿易」の名で、巨額の利益を得たそうだ。

2012-02-21 07:37:14
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

砂糖が大量生産できる体制になるにつれ、人々の砂糖への需要も次第に増していった。イギリスでは紅茶に砂糖を入れて飲む習慣が一般に広まり、安価に入手できる食品として普及。18世紀初頭には、砂糖産業によるキャンペーンも始まり、その頃、イギリスの輸入品の約4割が砂糖で占められていたそうだ。

2012-02-21 07:38:26
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

19世紀の産業革命によって、従来の製法では不可能だった、純白の精製砂糖が作れるようになった。この頃イギリスから独立したアメリカは、文明大国への道を歩み始め、キューバから砂糖きびを輸入して、精糖業を興すやいなや、砂糖消費量においてイギリスを追い抜き、砂糖消費大国へと成長していった。

2012-02-21 07:39:44
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

砂糖を大量消費することが文明国の象徴であるかのように砂糖の需要は激増した。文明化された先進国は、製糖業をともなう植民地化政策を推し進めながら近代化を果たしてゆく。そして未だ植民地化された製糖産地の多くが、独立国になった今でも、単一栽培の「植民地的構造」から脱却できないままでいる。

2012-02-21 07:40:16
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

2005年のカナダのドキュメンタリー映画「世界を動かす砂糖産業」(日本語) http://t.co/wdfmyytb によると、現在、欧米の砂糖年間消費量は1人あたり50kg、そのほとんどが加工食品や飲料として使用され、年間320万人、何と6分に1人が、2型糖尿病で死亡している。

2012-02-21 07:41:18
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

この映画によると、現代では、肥満の人の数が飢えた人の数を上回ったそうだ。WHOの調査によれば、モーリシャスのような美しい島国でも、国民の20%以上が糖尿病、40%が肥満で、深刻な問題となっている。皮肉にもモーリシャスは、砂糖の生産国でもあり、砂糖は国家経済を支える主要産業である。

2012-02-21 07:42:15
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

先日、日本はアメリカとTPPの交渉参加に向けた事前協議を行い「特別扱いが必要な品目に配慮し、全ての品目を自由化交渉の対象にする」と表明した。この記事は農水省の精製糖の試算から、砂糖の輸入自由化がもたらす経済利益をわかりやすく解説している→ http://t.co/6ISCWfVN

2012-02-21 07:43:24
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

植民地において「砂糖貿易」で搾取を繰り返し、巨額の利益を得て、文明を発展させてきた歴史は何を物語っているのか? 現在、私たちが食す加工食品のほとんどに、砂糖や砂糖の加工品が使用されている。植民地政策において「奴隷の売買」を行った結果、現代の先進国は「砂糖の奴隷」となってしまった。

2012-02-21 07:44:23
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

砂糖産業の構造は原子力産業と酷似しているといえる。現在までの両産業の軌跡をたどると、これらの産業は、利権によって複雑に絡み合い、パラドックスに陥っている。今、我々にできることは「何が本当に豊かなのか?」に真摯に向き合い、日々の暮らしの中で「豊かさ」を、選択していくことではないか?

2012-02-21 07:46:16