上白糖ーオランダと日本の関係について

上白糖や三温糖があるのは、日本とオランダだけ。なぜ上白糖が作られるようになったかについて、まとめてみました。
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TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

上白糖ーオランダと日本の関係について。上白糖は、日本では広く認知され、よく使われているが、実は、他国にはほとんど存在していないのだ。日本では「白いグラニュー糖や上白糖よりも、三温糖は自然の色に近いので、白い砂糖よりも体にいい」という誤った認識をされていることが多いような気がする。

2012-02-22 20:14:32
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

日本以外の他の国ではない上白糖や三温糖が、実は、オランダでも広く一般的に使われている。オランダでは、Basterdsuiker と呼ばれており、オランダの伝統料理(特にスイーツ)にも多用されており、色も3種類ある。日本語では、単に黒砂糖と訳されているが、黒砂糖とは製法が全く違う。

2012-02-22 20:16:04
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

Basterdsuiker(=上白糖、三温糖)の製造工程は、結晶と分離させたグルコースとフルクトースを等量に配合している。そして最後に、上白糖に温めた砂糖/カラメルを添加し、結晶化させる。その結晶の加熱回数が増すほど、色は濃くなっていき、加熱回数の少ない順に、白、黄、茶となる。

2012-02-22 20:17:46
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

白い砂糖があるのにもかかわらず、なぜBasterdsuiker(=上白糖、三温糖)を作ったのか?そこには典型的なオランダの顔が見えてくる。17世紀初め、アムステルダムは世界における砂糖の精製を担っていた。「質のいいBasterdを作る人は、すばらしいマスターだ」と言われていた。

2012-02-22 20:18:55
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

17世紀初頭の技術では、Basterdsuiker(=上白糖、三温糖)を製造するのは困難だったそうだ。当時のオランダの砂糖は、スクロースの配合量に応じて、税金を支払う義務があった。スクロースの含有量が少ないと、税金も少なくなるので、Basterdsuikerは広く普及していった。

2012-02-22 20:19:58
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

とりわけ、オランダの製菓産業は砂糖の価格にシビアだった。彼らは原価をなるべく押さえて、手頃な価格で販売できるお菓子を作りたかったが、それには高価なグラニュー糖は使えなかった。こういった理由から、Basterdsuiker(=上白糖、三温糖)を使いはじめたのがはじまりだったそうだ。

2012-02-22 20:21:03
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

しかし、驚くことが起こった。スクロースの含有量が多いグラニュー糖よりも、この安価なBasterdsuiker(=上白糖、三温糖)のほうが、結果的によりよい品質のおいしいお菓子が作れたそうだ。それから、オランダの製菓産業は大きな飛躍を遂げることとなる。まさに怪我の功名とはこのこと。

2012-02-22 20:22:10
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

焼き菓子で決め手となるのは、味、溶解度、鮮度、色とされており、当時のオランダの菓子職人たちは、焼き菓子を芸術作品として見なしていた。 特に色は重要な役割を果たしており、Basterdsuiker(=上白糖、三温糖)を使用しない焼き菓子は「死んでいる焼き菓子」と言われていたそうだ。

2012-02-22 20:23:09
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

日本の上白糖や三温糖の製法は、オランダに由来する技術だった。当時のオランダでは、Basterdsuiker(=上白糖、三温糖)の需要は拡大した。特にパンとお菓子は、Basterdsuikerなしで作ることが出来ないといわれてきたので、現在もオランダではこの砂糖が広く使われている。

2012-02-22 20:24:19
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

砂糖の歴史について調べていると、植民地政策で搾取、巨額な利益を得て、どのように近代文明化を果たして来たのかが明確に理解できる。砂糖は重要な鍵だ。戦後の日本において、マッカーサーがチョコレートを国民に配り歩いたことを契機に、日本は西洋文明に強く惹かれ、驚異的な経済発展へと繋がった。

2012-02-22 20:52:19
TOMOKO TAKE / タケトモコ @TTAKE_NL

植民地政策において行われた重要な産業、砂糖、コーヒー、チョコレートなどは、私たちの日々の食卓に知らず知らずのうちに入り込み、これらの過剰摂取により、私たちの心と身体は、確実に蝕まれている。誰かを犠牲にしてしか成り立たないこれらの産業の構造は、利権が複雑に絡みあう原子力産業と同じ。

2012-02-22 21:08:21