福田健治さんの「自主避難の権利」に関する講演まとめ
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今日、福島の子どもたちを守る法律家ネットワークの人の話を聞いた。福島で被曝を気にする人々の避難の権利を勝ち取ろうと戦っている。その権利がよってたつ法的人権的根拠など、とても参考になった。
2012-02-28 22:56:00今日の講師は福田健治さん(弁護士)。福島の避難で何が問題か。周囲との摩擦。夫・学校・近所の人の目。留まる人も、被ばくを気にする人は同じ。給食を食べるか、マスクをするか、一つ一つが心理的なストレス。
2012-02-28 23:42:28福田さん:事故直後、山下俊一氏が福島中で「100mSv以下は気にすることない」と講演して回った。それは選択するための情報ではなく、選択させないための情報ではなかったか。あるお母さんの話。友達がマスクをして山下氏の講演を聞きに行き、帰る時はマスクを外していた。
2012-02-28 23:44:30福田さん:福島からすでに避難した人は、福島内部でとても悪く言われる。留まる人は、早く福島を復興させたいのに、逃げた人は外で「福島は放射能で汚染されていてとても戻れない」と言う。「自分たちは福島のためにこんなに頑張っているのに」
2012-02-28 23:50:23福田さん:避難する権利とは何か。自主的避難とは。時々、自主的避難は自己責任だという人がいるが、事故がなければ避難という選択はしなかった。事故によって強制された避難といえる。科学的不確実性が高く、安全と言い切れない状況に追い込まれた。自己選択ではあるが責任ではない。
2012-02-28 23:52:40福田さん:避難の権利とは。まず、情報への権利である。危険の可能性があるなら、それに関連する情報を知る権利。そして自らの被ばく線量を知る権利。また、避難できるためには経済的支援が必要(避難の保障)。東電による賠償と、政府による支援と。
2012-02-28 23:54:38福田さん:避難の権利の法的根拠はどこにあるか。一つは、命と健康を守る=人間の尊厳である。(平和的)生存権。日本国憲法前文「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
2012-02-28 23:57:57福田さん:それから第25条の1項。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」しかし健康とはどのような状態をいうか。そこは問われる。また、社会権規約12条というのもある「達成可能な最高の健康を享受する権利」。同内容の子どもの権利条約もある。
2012-02-29 00:00:28福田さん:国による強制避難区域の設定というのは、そこに住んではならないという国家からの強制的命令となる。現在問題になっている地域では、留まる選択も尊重される必要があると考え、強制避難ではなく、選択的避難区域という提案をしている。
2012-02-29 00:03:33福田さん:原発事故の賠償は交通事故とどう違うか。交通事故対原発事故は、被害者の数:数名VS膨大、前例:多数VSほとんどなし、被害の態様:類型的VS多種多様(いろいろな被害のあり方が次々出てくる)、賠償の範囲・額:一定の基準VS不透明。
2012-02-29 00:06:12福田さん:自主避難者への補償については、去年の6月から原子力損害賠償紛争審査会で戦ってきた。10月20日の審査会で大きな進展があった。中手さんと宍戸さんという避難者の発言が大きく影響したのではないか。
2012-02-29 00:12:0210月20日の原子力損害賠償紛争審査会を検索すると、次のようなページが出てきた。東電や文科省の担当者のひどい態度。それとは真逆の、福島市長の驚くべき本音発言。 http://t.co/eItasPxT
2012-02-29 00:14:10宍戸さんによる第15回原子力損害賠償紛争審査会から引用。
宍戸さん:ついで福島市長です。いよいよ対決しないといけないかな。私はそう覚悟していました。ところが…「福島から自主避難者がでるのは仕方がない」彼はそう言いました。 http://t.co/eItasPxT
2012-02-29 00:15:14宍戸さん:避難の選択の合理的な判断材料を明示する中手さんと、避難の選択にいたる感情的な理由を話す私。科学的な数値がどうのこうの、安全基準がどうのこうの、そういわれたときのために、避難者が直接体験した身体の異常の資料を持っていきました。
2012-02-29 00:19:05宍戸さん:自主避難しているのは福島の人たちだけではないこと。その人たちにも補償が必要。加えて福島に残る人たちにも同様の補償を! と訴えました。命を守りたい、その一点において私たちはみな同じ立場だからです。ほとんどの委員の人たちは、真摯にお話を受け止めてくださいました。
2012-02-29 00:19:55宍戸さんの第15回原子力損害賠償紛争審査会報告より:最後に審査会の能美会長から 「自主避難は、賠償しなければならない対象である。残っている人たちへの賠償も検討をしながら解決をはかっていきたい」 という趣旨の発言がありました。
2012-02-29 00:20:26福田さんの話に戻る
福田さんの話に戻って、10月20日の審査会で、議論の空気が変わった。「放射線に対する恐怖や不安には、相当の理由がある」と認められた。「懸念」による避難の合理性がようやく認められた。
2012-02-29 00:22:48福田さん:今後の課題として、被ばく量の把握と健康の確保がある。健康診断は、「不安解消のために」であってはならない。不安を減じるために情報隠ぺいが行われるのが常だからだ。水俣病のときもそうだった。健康診断の目的は「被曝の影響を最小にする」でなくてはならない。
2012-02-29 00:24:30福田さん:課題①「地域」だけでなく「人」への支援を。福島復興といって県にはお金が出るが、人に出ない、では片手落ち。課題②「健康上の不安解消」ではなく「被曝の影響最小化」を。
2012-02-29 00:25:48福田さん:課題③あらゆる意思決定における住民の参加を。いま、除染についてどういう風に指示が出るか。紙が回覧板で回ってくる。県から決められたことが書いてあるだけ。「除染したら、捨てる場所はないので自分の土地に保管してください」とか。
2012-02-29 00:27:12昨日のイベント補足。イベント名は『公共空間と劇場のポリティクス/対話編』「震災・原発事故から国家と国民の関係を考える―私たちの権利とは何か」 http://t.co/0MRHZMxA
2012-02-29 09:42:57主催は鴻英良(おおとりひでなが)、演劇評論家。プログラムより「演劇はそもそもの始まりからきわめて公共的な性格を帯びていました。より善い生活を人間が送るためにはどのような社会を作ればいいのか、それを構想する場として登場したのがギリシア悲劇でした。(続
2012-02-29 09:45:11(続き)ギリシア悲劇を読めば、より善い生き方をするためにはどのような社会の構造を作っていけばいいのかがそれほど簡単に解決できる問題ではないことがよくわかります…悲劇によって構想されたポリスの在り方が現実にどのようなものになっていったのか、(続
2012-02-29 09:46:49