Fと李珍宇―犯行時未成年だった二人の死刑囚と死刑制度に関する私的考察

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Yoshiro Yamamoto @8446nt

光市母子殺害事件・被告の元少年 「僕は生まれてからずっと虐待されています。それが普通でした」 月刊WILL・4月号・門田隆将「光市母子殺害事件-最高裁判決-拘置所のなかで犯人Fが語った」

2012-02-28 23:13:44
直立演人 @royterek

「僕は、努めて健康には気をつけています。執行に耐えられる身体をつくっておこうと思っていますので」「健康を害した人間には、刑は執行できないんです。生きて罪を償うにしろ、死んで償うにしろ、僕はしっかりした身体で執行に耐えられる身体でいようと思っています」(死刑囚F)

2012-02-29 00:44:29
直立演人 @royterek

「僕は四年前、ある教誨師と出会ってから変ったんです。その教誨師からいろいろ教えられ、思うことが多くなりました。自分自身が大切にされることで、そのことの重要さを教えられました。人の命の重さを教えてもらったのです。本当にありがたかったです」(死刑囚F)

2012-02-29 01:08:06
直立演人 @royterek

「償いが第一なんです。僕は過去の過ちを何べんでも何百ぺんでもすみませんと言いたい。それをお伝えしたいんです。僕は殺めた命に対して、命をもって償うのはあたりまえのことだと思っています。僕は死ぬ前に、ご迷惑をお掛けした人や、お世話になってきた人に、きちんと恩返しをして死刑になりたい」

2012-02-29 01:10:40
直立演人 @royterek

「僕は人に対して殺傷行為をやった人間です。しかも、大人だけでなく赤ちゃんまで殺傷してしまった人間です。そのことだけで、この一事だけで、死に値します。僕は”自死”も考えたことがあります。(だから)上告したのは、判決に対しての不服ではないんです。」(死刑囚F)

2012-02-29 00:53:03
直立演人 @royterek

「検察と裁判所は事実誤認をしているので、いまのままでは”堂々と”罪を償う、ということにはなりません。あの主張をすることに葛藤はありました。でも、そのことを(最高裁で)認めてほしいと思っています」(死刑囚F)

2012-02-29 00:54:19
直立演人 @royterek

『僕が”殺意を持って”と言われますが、弥生さんも夕夏ちゃんも、僕が殺意を持つような人じゃない。まして夕夏ちゃんは僕より十七歳も年下です。泣くことは赤ちゃんの仕事です。赤ちゃんは自分の存在を知らせるために泣く必要がある」(死刑囚F)

2012-02-29 01:06:02
直立演人 @royterek

「死刑判決を受けて、いろいろなことが見えはじめました。自分の視点ができたように思います。自分の”限りある命”をどうするか、ということを僕は考えています。”胸のつかえが下りた”というのは、そういう意味」「裁判官に裁いてほしくないんです。僕は木村さんに裁いてほしいのです」(死刑囚F)

2012-02-29 00:56:46
直立演人 @royterek

「いつか私がF君と面会する日が来ることは、残念ながらまだ想像できません。大変申し訳ないです。ただ、F君が弥生の誕生日にお祈りをしてくれていることは、素直に感謝しています。二人の名前を口にすることは大丈夫です。このことは、お伝えして下さい」(木村さんが門田氏に語った言葉)

2012-02-29 01:12:46
直立演人 @royterek

「「死刑があるからこそ、Fは罪と向き合うことができるのです」 それは、木村さんが私に語った言葉である。死刑判決の重さ――木村さんも、そしてF本人も、そのことを考えつづけたのではないかと思う」(門田隆将「拘置所のなかで犯人Fが語った」『WiLL』4月特大号)

2012-02-29 01:02:11
直立演人 @royterek

世間はFに対する判決には関心があるようだが、Fの心境の変化にはあまり関心がないように見える。

2012-02-29 01:15:06
直立演人 @royterek

「弁護人からの差し入れなどで、本を400冊ほど持っており、好きな本は、世界的ベストセラーになった哲学入門書「ソフィーの世界」。また、ドイツ文学を好んで読んでいるという。」(産経新聞)http://t.co/i9ixcpHE

2012-02-29 01:22:10
直立演人 @royterek

光市母子殺害事件の犯人Fのケースは、小松川事件(1958年)で女子学生を強姦・殺害した容疑で逮捕され(事件当時18歳)、1962年(22歳)で死刑を執行された在日朝鮮人の少年、李珍宇のケースとかなり多くの点で酷似する。

2012-02-29 01:28:20
直立演人 @royterek

ただ、Fとイジヌには決定的違いもある。イジヌは在日朝鮮人であり、犯行の以前から驚くべき知性の持ち主だった。

2012-02-29 01:44:42
直立演人 @royterek

「父親は「日雇人夫」、母親は「半聾啞者」で、兄、弟、妹のいる貧しい家庭だが、読書好きの彼は小学三年のときに本の万引きを覚えると、その後も小さな盗み(自転車、時計など)を繰り返している。後には世界文学に強い関心をもつようになり、→

2012-02-29 01:48:48
直立演人 @royterek

→江戸川区内の六カ所の図書館から五三冊の外国文学の本を盗み出して何度も補導され、ついに保護観察にされたという。この盗みが発覚したときに彼は非常に苦しんだらしく、一度自殺を試みて失敗している。→

2012-02-29 01:49:05
直立演人 @royterek

→中学卒業後、朝鮮人であるために大手の会社から就職を断られ、臨時プレス工として働きながら、事件当時は小松川高校定時制の一年に在学していた。一八歳で一年生だから、進学はかなり遅れていたことになる。」(鈴木道彦『越境の時――1960年代と在日』)

2012-02-29 01:52:01
直立演人 @royterek

「私の頭にいつも残っていた問題は、体験が『夢』のように感じられることだった。若しも私達が何か或ることをして、それが過去になると同時に『夢のように』と感じるとしたら、それに対して何か現実的な感情を持てと云われても困ってしまうにちがいない」(朴壽南(編)『李珍宇全書簡集』)

2012-02-29 02:06:48
直立演人 @royterek

「私がそれをしたのだった。それを思う私がそれをした私なのである。それなのに、彼女達は私に殺されたのだ、という思いが、どうしてこのようにヴェールを通してしか感じられないのだろうか」(朴壽南(編)『李珍宇全書簡集』)

2012-02-29 02:08:29
直立演人 @royterek

「私が人殺しだということ。この責任がどうして私から離れるというの?」(朴壽南(編)『李珍宇全書簡集』)

2012-02-29 02:09:14
直立演人 @royterek

「アイヒマンは四百万人を殺した。そして私は二人しか殺さなかった。それにもかかわらず私の方が罪深いと云われるわけは、私は自分のしたことについて、いわば体験的に行動したことにあるからだ。従って前者はある人でなくても為され得ることだが、しかし後者は彼でなくてはならない」(李珍宇)

2012-02-29 02:11:24
直立演人 @royterek

「たとえばある日本人は私の問題を在日朝鮮人という点から考え、そして責任は自分達にもあるとして私のためにつくしてくれます。/けれども・・・私の問題には二つの見方があり、一つは境遇はいかにして私に罪を犯させたか、ということであり、→

2012-02-29 02:19:08
直立演人 @royterek

→もう一つは、私は境遇においていかにつとめたか、ということです。この後者から責任の問題が出てくるわけです。」(李珍宇)

2012-02-29 02:20:17
直立演人 @royterek

「残念なのは、当時の僕が”いまをどう生きるか”ということが自分自身でできていなかったことです。いまの僕は、(罪を)償おうとして(獄中で)勉強していますが、当時は、そういうことが何もわかっていなかったんです」(F)

2012-02-29 02:24:37
直立演人 @royterek

どう死ぬか。それだけが問われてきたように思います。

2012-02-29 02:28:00