中村伊知哉 ‏ @ichiyanakamura　さんの周波数オークションについて

中村伊知哉 @ichiyanakamura

民主党議員の朝食会で、周波数オークション＝電波競売はぼくは賛成だが実現しないと思うと発言したら、その後参加者からいくつも質問をいただいた。改めて発言趣旨を11点に分けて記します。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

1.電波競売を実現する法案の成立見込みが立たない。民主が押しても野党が同意するインセンティブがない。業界も国民も支持しないから。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

2.電波競売は通信放送融合、地デジと並ぶ政策タブーだったが、後2者が推進に転じたのは、通信業界、メーカという政策スポンサーがいたから。競売にはスポンサーが見あたらない。今の「公平に払い下げ」方式を上回るメリットが業界にないと。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

3.電波競売の唯一のスポンサーは、財務省。財政寄与への期待。だが、一般財源化が目されているが、全部吸い上げられるなら総務省が本気の汗と涙を流して成立させるとは思えない。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

4.電波競売のコストを通信業界がケータイ利用者に転化する「可能性」があると、それは消費税のようなもの。2兆円が転化されたら消費税１％値上げと同じ負担、という議論が国民にまだ共有されていない。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

5.仮に財務と総務がウラで握って一般財源とIT財源に山分け、じゃあやるか、となったとしても、業界や国民がコスト負担をすんなり受ける気がしない。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

6.電波競売のコストは競争状況下では料金上昇を招かないとの経済論議も聞くが、現実はコスト増を数年で回収すべく株主・債権者から圧力がかかるわけで、本来もっと下がっていい料金が4社の寡占業界で高止まりするということにならないだろうか。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

7.電波競売の一般財源化は成長分野であるITから資金を吸い上げ、福祉など低成長分野へ再分配する施策であり、民主党的ではあるが成長戦略からは外れる。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

8.電波競売を国民に納得させるには、ポルトガルが収益をデジタル教科書の配布に回したように、目に見えるメリットを提示したい。これをやるから消費税上げを抑える、とか。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

9.あるいは、こじ開けるなら、電波参入を目論む外資によるガイアツでしょう。それはアリかも。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

10.通信放送分野でもめたら、昔は金丸さん小渕さん野中さんらに頼んで裁定してもらったものだが、今それを持ちかける大物政治家もいないし・・。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

11.つまり電波競売は、アカデミックな視点では推奨されるものであっても、与野党、霞ヶ関内、産業界、ユーザの支持というリアリティーが見えず、このまますんなり進みそうにはないという趣旨でした。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

12.これも企画：実行＝１：９の９の話。１の企画はほぼできてるけど、どうやって実現すんの？なわけです。

中村伊知哉 @ichiyanakamura

池田信夫さんのこういう話がリアリティーあるっつうことです。「孫正義氏のはまった「コンセンサスの罠」」http://t.co/estW8ZOm