山本七平botまとめ/『南京大虐殺という”まぼろし”の基本となった「虚報」の特徴と、その害悪について』
- yamamoto7hei
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1】虚報には常に一つの詐術がある。それは何かを記述せず、故意に省いているのである。そしてそれは常にそれを記述すれば「虚報であること」がばれてしまう「何か」なのである。<『私の中の日本軍』
2012-03-02 07:56:082】本多記者の「殺人ゲーム」では、ベンダサン氏が指摘したように武器が欠落しており、武器を記入するとこの文章が成り立たなくなる訳だが、浅海特派員の「 #百人斬り 競争」でも、ある言葉を故意に欠落させてあるのである。それは「目的語」である。
2012-03-02 08:26:243】即ち「何を」斬ったかが書いてない。最初にただ一ヵ所「敵」という言葉が出てくる。しかし「敵」という言葉は、「敵国」「敵国人」「敵性人種」「好敵」「政敵」等、非常に意味の広い言葉で、必ずしも「小銃・手榴弾・銃剣等で武装した完全軍装の正規軍兵士=戦闘員」を意味しない。
2012-03-02 08:56:064】しかもこの非常に曖昧な言葉は一ヵ所だけで、あとはすべて「目的語」がなく、従って一体全体「何を斬った」のかわからないのである。勿論(2)すなわち「戦闘中ノ行為」の記述である事は疑いないが、斬った相手が戦闘員なのか非戦闘員なのか、一切わからない。
2012-03-02 09:26:145】なぜそういう書き方をしたか。そうしないと「虚報」である事が、一目瞭然になってしまうからである。「 #ヒトラー の原則」というのがあるそうで、それによると「大きな嘘をつき、しかも細部に具体的な事実を正確に挿入すると、百万人を欺くことができる」そうである。
2012-03-02 09:56:076①】そして日本語の場合は、この他に更に主語・述語・目的語を一部か全部を巧みに省略し、更にそこに「感激的美談」でも挿入すると、ほぼ完璧にそれができる。ただし外国語に訳すとばれる。(注:bot抜けにつき手動投稿)
2012-03-02 11:45:446②】この記事はまさにその原則通りであって、距離とか地名とかを実に正確にした上で、目的語を省略している。この原則は #本多勝一 記者の「殺人ゲーム」でも、実に模範的に守られている。(注:bot抜けにつき手動投稿)
2012-03-02 11:46:207】日本語の「新聞記事」にはどこにも「完全軍装の正規軍兵士に対する個人的『戦闘行為』」だとは書いていない。浅海特派員がこれを明言しなかった理由は、勿論本多氏の場合と同様「虚報を事実らしく見せかける」為であっても、二人が「非戦闘員を虐殺した」事を暗に仄めかしたのではあるまい。
2012-03-02 10:56:108】それでは「武勇伝」ではなくなってしまうから――しかし「目的語」を省略すれば、この記事は「戦闘中の」非戦闘員虐殺と読める記事なのだ。従ってもう一度いえば「この記事は二通りに読めるが『戦闘行為として読めば虚報であり、戦闘中の行為として読めば非戦闘員虐殺になる』」のである。
2012-03-02 11:26:199】だが、(戦犯を裁く)検察官の立場に立つとここでまた矛盾が生じてしまう。これは「武勇伝」なのである。武勇伝とは「戦闘行為」においてのみ発生する筈で「戦闘中ノ行為」即ち、戦闘行為によって派生した非戦闘員殺害は武勇伝になる筈がないのである。
2012-03-02 11:56:0510】とすると、この矛盾を解消する論理はただ1つしかない――日本人は非常に特異な残虐民族であって、戦闘中に派生した非戦闘員殺害も武勇と考え、これをニュースとして大々的に報ずる民族である、と。
2012-03-02 12:26:2111】こう規定するとはじめて(2)戦闘中ノ行為が成り立つ。 と同特に、日本人=残虐民族説も成り立つ。 虚報というものは全く恐ろしいものであり、それが日本人に与えた害悪は本当に計り知れない。
2012-03-02 12:56:1112】全日本人が欺かれている。 皆、知らず知らずの内にこの記事を「戦闘行為」「武勇伝」として読んでいる。しかし子細に点検すれば、「目的語」が省かれているので、どこにも「戦闘行為」とは明言されてないのである。ただ皆が勝手にそう思い込んでいるだけなのである。
2012-03-02 13:26:0913】一方中国の軍人にしてみれば、これが「戦闘行為」で中国軍の完全軍装の正規軍兵士がバッタバッタと斬り倒された「戦闘行為」の記述だというようなバカげた話は始めから論外であり、事実としては当然受け入れられないし、軍人の感情からいっても、始めっから反発するのが当然である。
2012-03-02 13:56:1114】従って虚報をごまかす為「目的語」がわざと省略してあれば、そこに非戦闘員という目的語を知らず知らずの内に挿入して読み込んでしまう。常識からいって、これは当然のことなのである。
2012-03-02 14:26:1215】とすればこの記事は否応なく本多版「殺人ゲーム」即ち「非戦闘員殺害競争」に読め、それを武勇伝とする日本人は残虐民族という事になってしまう。いわゆる「 #南京大虐殺 」について、私はまだ全部を調べ終ったわけではない。
2012-03-02 14:56:0416】私はこれについては全く知らず、一年ほど前にはじめて調べ直したわけで、徹底的に調べて自らが納得できる一つの結論が出せるのはまだ先だが、今までのところで、何よりも驚いたことは、その記述の多くが、明らかに当時の日本の新聞記事を基にしていることなのである。
2012-03-02 15:26:1017】「 #百人斬り 」を例にとれば「東京日日新聞」→東京の英字新聞→「リーダーズ・ダイジェスト」(?)→ティンパレー→「朝日新聞」のルートだが、他にも明らかにこれと同じ類型のものが見られる。
2012-03-02 15:56:0418】結局、虚報の武勇伝は残虐記事にならざるを得ないという一つの図式が成り立つのである。そしてその図式が成り立つ基は、一部を故意に欠落させないと成り立たないという、虚報なるものの性格そのものにあるのであって、他にあるわけでない。
2012-03-02 16:26:1219】このことは、はっきりと言っておきたい。 というのは、この件について、我々日本人の間に誤解があるように思われるからである。
2012-03-02 16:56:0620】「 #百人斬り 」で多くの方からお手紙を頂いたが、その中で相当量の多かったものが「中国人とは『白髪三千丈』の誇大表現民族なのだから『殺人ゲーム』でも千人斬りでも創作するだろう。そんな事は当然の事で、今さら問題にするに足りない」といった一種の投げやり的な手紙である。
2012-03-02 17:26:1521】~略~しかしこの件に関する限り「それは違う」とはっきり言っておきたい。 原因は我々にある。 虚報を発し、虚報に感激し、美談への感激やら懺悔やらで自らをごまかし、徹底的に事実を究明せず、全てを「自決セエ」という形で隠蔽し、公開の軍法会議すら待ちえなかった我々の側にある。
2012-03-02 17:56:0522】というのは少なくとも中国人は、公開の軍法法廷で、白日の下にこの問題を究明したからである。彼らは虚報を事実だと強弁し、それに迎合同調しない者を非国民として、闇雲に二少尉を処刑したのではない。
2012-03-02 18:26:1123】しかし結局、虚報の流す害悪は、一方に他方を残虐民族と規定をさせ、またもう一方に他方を誇大表現癖の嘘付きと規定させ、大きな亀裂を生じさせてしまう。それでいて虚報を発する者は、この虚報を事実と強弁する事が相互理解だというのである。一体これはどういうことなのであろうか!
2012-03-02 18:56:05