ガントレット・ウィズ・フューリー #5

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(「ゴミカスがァー」イヴォーカーは6フィートボーを両手で構えた。するとボーの側面にくまなく刻まれたルーンカタカナが脈動し、にわかにその長さが12フィートまで伸びた!コワイ!「てめぇのその腐れ腕だ、特に気に入らねえのは!身分に過ぎたオモチャはぶっ壊す!骨と肉ごとなァ!」)

2012-03-05 10:59:47
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(アコライトのガントレットもまた、その表面に不吉なルーンを一瞬、走らせる。脈打っている。二つのマジックアイテムが互いに呼応しているのか?だが取るべき行動は何も変わらない。アコライトは突き進んだ。「貴方を倒します!」)

2012-03-05 10:59:59
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第二部「キョート殺伐都市」より:「ガントレット・ウィズ・フューリー」 #5

2012-03-05 11:01:06
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「イヤーッ!」イヴォーカーはボーで殴りかかる。巨体にそぐわぬ身のこなし!培われたバトルボンズの修行とニンジャ瞬発力の賜物である。アコライトは身構え、ガントレットでこれを受ける。衝突部位に不吉な超自然の電光が這う!アコライトは顔をしかめ、よろめいた。「ヌウッ……」 1

2012-03-05 11:06:00
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「ハハーッ!」イヴォーカーは嘲った。「百年早い!しみったれの小僧が俺のカラテと闘えると思うか?イヤーッ!」打擲!アコライトは再度ガントレットで受ける!電光が走る。12フィートのボーの打撃力と長大なリーチが、アコライトをその場に釘付けにするのだ! 2

2012-03-05 11:21:29
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「ボ……ボンジャン……」アコライトはイヴォーカーを睨んだ。そして渾身のバトルチャントを叫ぶ!「ボンジャン!ハイ!」突き繰り出されるボーを瞬間的な回転フットワークで回避すると、間合いを詰めにかかる!「セイヤッサーボンジャン!ボンジャン!ハイ!」「イヤーッ!」 3

2012-03-05 11:27:53
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おお、ナムサン!無慈悲なイヴォーカーの攻撃はしかし、アコライトの鮮やかな突撃すらも手の内で弄ぶのだ!「グワーッ!」アコライトは悲鳴を上げた。右足の甲をボーがしたたかに突いたのだ。骨にヒビが入ったやもしれぬ。そのコンマ五秒後、ボーはアコライトの顎を直撃していた。「グワーッ!」 4

2012-03-05 11:32:34
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お……おそるべし!おそるべしボンジャン・カラテのマスタリーとニンジャの戦闘能力の相乗効果!最初の打突ははなからアコライトの回避を誘うための囮であり、電撃的な二段攻撃の布石であった。アコライトは吹き飛ばされ、あえなく壁に背中を打ち付け、釘付けとなる!「グワーッ!」 5

2012-03-05 11:35:13
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イヴォーカーは驚くべき速さで壁のアコライトめがけダッシュをかけた。そしてアフリカ戦士の投槍姿勢めいてボーを構え、上体を伸ばしながら突く!12フィートのボーがイヴォーカーの伸ばした手の中で前へ滑る。まるでボーが伸びたかのような錯覚!恐るべき打突攻撃は容赦なくアコライトの胸を打つ!6

2012-03-05 11:40:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」「何だってェ?何つッた?ボンジャンがどうした?エ?」イヴォーカーは頭上でボーを竜巻めいて振り回しながら言った。「俺をどうするって?倒す?倒すのか?俺をか?お前がか?」「ウ……ウ……」「イヤーッ!」「グワーッ!」打突!「イヤーッ!」「グワーッ!」打突! 7

2012-03-05 11:43:09
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「……お前らァ」イヴォーカーは不意に手を止めると、打ち倒されたヤクザボンズ達を睥睨した。「これがブッダにへつらう連中が等しく辿る末路だァ」巻き舌で怒鳴る。「よく見ておけェ!」アコライトは半ば壁にめり込み、朦朧としている。実力差は明白なのか!8

2012-03-05 11:49:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「ニンジャが救い!」」ヤクザボンズが唱和した。「そうだ!」「「ブッダが悪い!」」「そうだァ!お利口だな!」イヴォーカーはボーを構える。「ボンジャン大師?クズだ!ブッダは何もしない。人の営みを嘲っていやがる。その事実を受け止めきれず、絶望からカラテに逃げただけだ。現実逃避だ」 9

2012-03-05 12:04:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「ニンジャが救い!」」「そうだ!ニンジャが救い!真実を知る! ゆえに俺はニンジャの中のニンジャだ。俺が救いだ。ゆえに俺を貴び、崇めたたえるべし!」「「神聖皇帝万歳!神聖アンタイブッダ帝国万歳!」」 10

2012-03-05 12:07:37
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「違う……全然違う」咳き込みながら抗う声あり。アコライトである。若者は壁から身をもぎ離そうともがいた。「未熟者の私にもわかります、違います、答えは……そんな手前勝手な理由付けの中には無いんだ……ブッダはイモータルでは無い……我々と同じです!」「それがクソだッてんだよ!」打突!11

2012-03-05 12:15:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」アコライトが苦悶する。イヴォーカーは責めた。「カラテを鍛えて、粥を食って?それで誰か救われんのか?救われんのか?俺は答えを出した。カネ!ドラッグ!セックス!俺が与える!ニンジャの、ブッダ破壊者の俺が!俺が神聖皇帝だ!俺が神だ!お前は答えが無い!だから黙れ!」12

2012-03-05 12:29:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「りゃ……略奪、暴力、他人を踏みつけにして調達した富で救うのですか?誰を救うのですか?」アコライトは黙らぬ!「私にもわかる!弱い人々をブッダで救いたい、そうした人々の大義はわかります。でも貴方はそうした人々とは違う。貴方の理屈は何かがおかしいです!どこかおかしい!」13

2012-03-05 12:35:24
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「イヤーッ!」「グワーッ!」打突!ボーの先端がアコライトの胸を打ち、ねじりあげる。アコライトは苦しみながら、ガントレットをはめた両手でそのボーを掴んだ。「貴方をこのまま見過ごせはしない!」「黙れッてんだよォ!」 14

2012-03-05 12:38:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

イヴォーカーは再度の打突のため、ボーを戻そうとした。だが戻らぬ。アコライトが押さえつけているのだ。「小癪なガキ……」イヴォーカーの背中の筋肉が膨れ上がる!「イヤーッ!」イヴォーカーはアコライトが掴んだままのボーを壁から高く振り上げ、アコライトごと床に叩きつける! 15

2012-03-05 12:45:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」アコライトは背中から床にぶつかった。床板に亀裂が拡がり、アコライトは血を吐いた。「死ね!」イヴォーカーは素早くボーを振り上げ、打ち下ろした!「イヤーッ!」アコライトは腕を交差させて受ける!電光が閃く!「死ね!」再び振り上げ、打ち下ろす!「イヤーッ!」再度受ける!16

2012-03-05 12:48:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「俺が救いだ!俺はニンジャの中のニンジャだ!俺は神だ!お前は死ね!黙れ!」「死にません!黙りません!」繰り返し振り下ろされるボーをガントレットで弾き返しながら、アコライトは徐々に身を起こし、立ち上がった。「黙れ!黙れ!イヤーッ!」「イヤーッ!」 17

2012-03-05 12:53:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

振り下ろされるボー!アコライトはこれを正面から殴り返す!電光が一際強く周囲に飛び散った。「グワーッ!?」「グワーッ!」遠巻きに取り囲むヤクザボンズの何人かが電光を受けて悲鳴をあげる!そして、ナ……ナムサン?ガントレットが破砕?否、これは?ゴウランガ!? 18

2012-03-05 12:58:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アコライトのガントレットはこの打撃により、稲妻の中で鉤拳を蒸発させていた。残るは手首と手の甲、腕先の装甲だけだ。悪魔めいた外殻が溶け失せると、そこに現れたのは……名状しがたい色彩を脈打たせる……ブレーサー……! 19

2012-03-05 13:07:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウヌーッ!」イヴォーカーは飛び下がり、間合いを取った。その手のボーは煙を噴き出しながら収縮し、6フィートの長さに戻っている。ボーはイヴォーカーの手の中で小刻みに震動していた。アコライトのブレーサーも同様だ……! 20

2012-03-05 13:10:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何だァ……そいつはァ……!」イヴォーカーは歯をむきだした。「邪魔くせえぞ……」(((封じよ)))イヴォーカーのニューロンに、正体不明の何者かの声が反響した。(((神器を封ぜよ。聖なるボーをもて神器を封ぜしめよ)))「あァ……?」 21

2012-03-05 13:22:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「神器?知った事かよ。だが……」イヴォーカーは舌なめずりした。そして6フィートに収縮したボーを振った。「そんなら、キアイ入れんかい。チカラ見してみィや」応えるように、ボーの側面のルーンカタカナが青白い光を帯びる。稲妻がボーを包み込んだ!「これだ!これよ!」 22

2012-03-05 13:30:36
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